column 包括的歯科治療

親知らずの抜歯:本当に必要なの?

2025.06.30

「親知らずって、必ず抜かないといけないの?」

「親知らずが生えてきたけど、痛くないからこのままでいいかな?」

多くの人が、一度は「親知らずをどうするか」という問題に直面します。抜歯は怖いし、できれば避けたいものですよね。

今回は、親知らずの役割と、抜歯が必要になるケースについて分かりやすくお話しします。

親知らずは、なぜ抜くことが多いの?

親知らずは、前から数えて8番目の歯で、10代後半から20代前半にかけて生えてくることが多いため「親知らず」と呼ばれます。

親知らずは、現代人にとっては必ずしも必要な歯ではありません。顎が小さくなった現代では、親知らずが生えるスペースがなく、斜めに生えたり、一部だけしか顔を出さなかったりすることがほとんどです。

このような「正しく生えない」親知らずは、次のような問題を引き起こすため、抜歯が推奨されることが多いのです。

  • 炎症・痛み
    • 一部だけ顔を出した親知らずは、歯と歯茎の間に汚れが溜まりやすく、炎症を起こして強い痛みや腫れを引き起こします。
  • 虫歯
    • 奥に生えているため歯磨きが難しく、親知らずやその手前の歯が虫歯になりやすくなります。
  • 歯並びへの影響
    • 親知らずが横向きに生えてくると、手前の歯を押し出し、全体の歯並びが乱れる原因となることがあります。

抜歯の判断は、歯科医師に任せて

しかし、親知らずがまっすぐ生えていて、きちんと噛み合っており、清掃性も良い場合は、無理に抜歯をする必要はありません。

抜歯の必要性やタイミングは、レントゲンやCTで親知らずの状態を詳しく診査・診断した上で判断します。

当院では、患者様一人ひとりの状態を丁寧に確認し、抜歯が必要な場合はその理由を分かりやすくご説明します。

「抜歯は怖い」という不安なお気持ちに寄り添い、痛みの少ない治療を目指しますので、まずはお気軽にご相談ください。

これまでの連載はこちらから

次回は、「歯周病と全身の病気:心臓病・肺炎・糖尿病との関係」について詳しくお話しします。

監修

院長

山脇 史寛Fumihiro YAMAWAKI

  • 略歴

    2009年
    日本大学歯学部卒業
    2009年
    日本大学歯学部附属病院研修診療部
    2010年
    東京医科歯科大学歯周病学分野
    2010年
    やまわき歯科医院 非常勤勤務
    2015年
    酒井歯科クリニック
    2021年
    泉岳寺駅前歯科クリニック 開院
  • 所属学会・資格

    • 日本歯周病学会 認定医
    • 日本臨床歯周病学会
    • アメリカ歯周病学会
    • 臨床基礎蓄積会
    • 御茶ノ水EBM研究会
    • Jiads study club Tokyo(JSCT)
    • P.O.P.(歯周-矯正研究会)
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