column
むし歯

深夜に歯が激痛…今すぐ試せる応急処置5選と絶対にやってはいけない3つのNG行動

2026.09.24

歯の痛みを今すぐ和らげるには、市販の鎮痛剤(イブプロフェンやアセトアミノフェン)を用法通りに服用し、患部を冷やすことが最も有効です。温かい塩水でのうがいも炎症を抑える効果があります。ただし温めたり激しく触れたりすると痛みが増すため、あくまで一時的な対処として翌朝必ず歯科医院を受診してください。

深夜に突然歯が痛み出したとき、あなたはどうしますか。翌朝まで耐えられるか不安になり、スマートフォンで検索しながら「とにかく今すぐ何とかしたい」と藁にもすがる思いでこのページにたどり着いたのではないでしょうか。歯の痛みは待ったなしで襲ってきます。会食の予定があるのに、プレゼンを控えているのに、夜間や休日に限って激痛が訪れる経験をされた方は少なくありません。

大切なのは、適切な応急処置で痛みを一時的に和らげつつ、根本的な解決のために速やかに歯科医院を受診することです。この記事では、泉岳寺駅前歯科クリニックで日々多くの患者様の痛みに向き合ってきた経験から、今すぐ試せる応急処置と、逆に症状を悪化させる行動を明確にお伝えします。

今すぐ試せる応急処置5選

歯の痛みに対して最も即効性があるのは、市販の鎮痛剤の服用です。イブプロフェンやロキソプロフェンなどのNSAIDs(非ステロイド性抗炎症薬)は、炎症を抑えながら痛みを鎮める作用があります。アセトアミノフェンも選択肢のひとつですが、炎症を抑える効果はNSAIDsに比べて弱いため、歯の痛みに対してはイブプロフェンの方が効果を実感しやすい傾向があります。

ただし、用法・用量を守ることが大前提です。「早く効いてほしい」と思って一度に多量を服用すると、胃腸障害や肝臓への負担が増します。薬剤のパッケージに記載された1回量と服用間隔を必ず守ってください。空腹時に服用すると胃を荒らす場合があるため、軽く何かを口にしてから飲むことを推奨します。イブプロフェンやロキソプロフェンは、服用後おおむね30分から1時間ほどで効果が現れ始めます。痛みのピークが夜中であれば、寝る前に服用することで痛みを和らげながら休息を取ることが可能です。

日頃から鎮痛剤を常備しておくと、夜間や休日の急な痛みにも対応できます。薬局やドラッグストアで購入できるため、備えとして自宅に置いておくことは安心材料になります。ただし、痛みが繰り返す場合や鎮痛剤が効かなくなってきた場合は、症状が進行している証拠ですので、翌朝一番で歯科医院に連絡してください。鎮痛剤はあくまで痛みを一時的に抑えるものであり、原因を治療するわけではありません。虫歯や歯周病、歯の破折など、痛みの背景にある問題を根本的に解決するには専門的な診断と治療が不可欠です。詳しくは「歯がしみる原因は虫歯か知覚過敏か──瞬間的な痛みと持続痛の見分け方、放置すれば歯を失う3つの危険サイン」で解説しています。

患部を冷やして炎症を抑える

歯の痛みは、歯の神経や周囲組織の炎症によって引き起こされます。炎症が強いほど痛みも激しくなるため、患部を冷やして炎症を抑えることが有効です。冷却用のジェルパックや、氷をタオルで包んだものを頬の外側(痛む歯の位置に相当する場所)に当ててください。冷やす時間は15分程度を目安にし、一度外して皮膚を休ませてから、再び冷やすサイクルを繰り返します。

長時間冷やし続けると血行が悪くなり、逆に治癒が遅れる場合があります。また、氷を直接口の中に含んだり、患部に押し当てたりすると刺激が強すぎて痛みが増すことがあるため、必ず頬の外側から冷やすようにしてください。冷却は痛みのピーク時に特に効果を発揮します。寝る前に冷やしておくと、就寝中の痛みを和らげることができます。

一方、痛みがあるとつい温めたくなる方もいますが、歯の痛みに対して温めることは禁物です。炎症が起きている組織を温めると血流が増加し、痛みや腫れが強まります。入浴も体全体を温めるため、痛みが激しいときはシャワーで済ませる方が無難です。

温かい塩水でうがいをする

温かい塩水でのうがいは、古くから家庭で行われてきた応急処置のひとつです。塩には軽い殺菌作用と浸透圧による組織の引き締め効果があり、炎症を抑えて痛みを和らげる助けになります。コップ一杯のぬるま湯(体温程度)に小さじ半分から1杯程度の食塩を溶かし、口に含んでゆっくりとすすいでください。うがいは数回繰り返すことで、口腔内の食べかすや細菌を洗い流す効果も期待できます。

特に、歯と歯茎の間に食べ物が詰まっている場合、それが刺激となって痛みを引き起こしていることがあります。塩水うがいで異物を除去できれば、痛みが軽減することがあります。ただし、塩水は刺激が強いため、口腔内に傷がある場合はしみることがあります。その場合は無理をせず、真水やぬるま湯でのうがいに切り替えてください。また、塩水を飲み込まないよう注意してください。

歯と歯の間に食べかすや繊維が挟まっていると、それが刺激となって痛みを引き起こすことがあります。デンタルフロスや歯間ブラシを使って、優しく異物を取り除いてください。ただし、無理に押し込んだり強く引っ張ったりすると歯茎を傷つけるため、慎重に行ってください。詳しくは「【4割の磨き残しに終止符】デンタルフロスで実現する!虫歯・歯周病を防ぐ最強の歯垢除去術」で解説しています。

クローブオイルなどの民間療法

クローブオイルは、古くから歯の痛みに対する民間療法として使われてきました。クローブに含まれるオイゲノールという成分には、局所麻酔作用と抗菌作用があります。綿棒に少量のクローブオイルを染み込ませ、痛む歯や歯茎に軽く塗布すると、一時的に痛みが和らぐことがあります。ただし、クローブオイルは刺激が強いため、使用には注意が必要です。原液のまま広範囲に塗布すると、口腔粘膜を損傷する可能性があります。

必ず綿棒の先端に少量だけ取り、患部にのみ使用してください。また、アレルギー反応が出る場合もあるため、初めて使用する際は少量から試してください。クローブオイルは薬局やオンラインで購入できますが、すべての歯の痛みに効果があるわけではありません。虫歯が深く進行している場合や、歯の神経が完全に壊死している場合は効果が限定的です。あくまで応急処置として考え、根本的な治療は歯科医院で受けてください。

使用済みの紅茶のティーバッグを痛む歯に当てる方法も、民間療法として知られています。紅茶に含まれるタンニンには収れん作用があり、炎症を抑える効果が期待できます。ティーバッグを少し冷ましてから患部に当て、数分間そのままにしてください。ただし、こちらもあくまで一時的な対処法です。

頭を高くして横になる

歯の痛みが夜間に強まるのは、横になることで頭部への血流が増加し、炎症が悪化するためです。就寝時には枕を高くして、頭部をやや高い位置に保つことで、血流を抑えて痛みを和らげることができます。枕を2つ重ねたり、背中の下にクッションを置いたりして、上半身全体をやや起こした姿勢で休むと効果的です。完全に横になるのではなく、リクライニングチェアのような角度で休むイメージです。

また、痛みが強くて眠れない場合は、無理に寝ようとせず、座った姿勢で安静にすることも選択肢です。睡眠不足は翌日のパフォーマンスに影響しますが、痛みに耐えながら無理に横になるよりも、楽な姿勢で過ごす方が結果的に体を休めることができます。

絶対にやってはいけない3つのNG行動

良かれと思って行ったことが、かえって症状を深刻化させるケースは少なくありません。痛みを悪化させる危険な行動を明確にお伝えします。

患部を指や舌で触る・押す

痛みがあるとつい気になって、指や舌で触ってしまう方がいます。しかし、患部を刺激すると炎症が悪化し、痛みが増します。また、手指には多くの細菌が付着しているため、感染を引き起こすリスクもあります。特に、虫歯で穴が開いている部分に爪楊枝や硬いもので触れると、神経を直接刺激して激痛が走ることがあります。

歯の詰め物が取れた場合も、無理に押し込もうとせず、そのまま歯科医院に持参してください。詳しくは「【要チェック】古い詰め物の劣化サイン5選:虫歯再発(二次う蝕)の危険信号を見つけよう」で解説しています。

アルコールを含む口腔洗浄剤の使用や飲酒

市販のマウスウォッシュの中には、アルコール(エタノール)を含むものがあります。アルコールは口腔粘膜を刺激し、炎症を悪化させる可能性があります。痛みがあるときは、アルコールフリーのタイプを選ぶか、塩水でのうがいに留めてください。また、アルコール飲料を飲むことも避けた方が無難です。アルコールは血流を増加させ、痛みや腫れを強める可能性があります。痛み止めとの併用も肝臓への負担が増すため、控えてください。

痛みを我慢して放置する

「痛いけど仕事が忙しいから」「歯医者に行くのが怖いから」と、痛みを我慢して放置することは、最も避けるべき行動です。歯の痛みは、体からの重要な警告信号です。虫歯が神経に達している、歯周病が進行している、歯が割れているなど、放置すれば取り返しのつかない事態に進行する可能性があります。

痛みが一時的に治まったとしても、それは問題が解決したわけではありません。神経が壊死して痛みを感じなくなっただけで、感染は内部で進行し続けます。最終的には歯を失うだけでなく、全身への感染リスクも高まります。詳しくは「『少し染みるけど我慢できる』を放置すると何が起こるか|早期受診で神経を守り、大規模治療を回避する歯科医の判断基準」で解説しています。

痛みの種類別の見極め方と対処法

歯の痛みには、原因によって異なる特徴があります。痛みの種類を見極めることで、応急処置の優先順位や受診のタイミングを判断する助けになります。

冷たいものでしみる痛み

冷たい水や空気に触れたときに瞬間的にしみる痛みは、知覚過敏や初期の虫歯が原因であることが多いです。この場合、冷たいものを避け、ぬるま湯でうがいをすると痛みが和らぎます。知覚過敏用の歯磨き粉を使用することも有効です。ただし、症状が続く場合は虫歯が進行している可能性があるため、早めに歯科医院を受診してください。

何もしなくてもズキズキする痛み

何もしていない状態でも持続的にズキズキと痛む場合は、虫歯が神経に達している可能性があります。この段階では応急処置だけでは治まらず、根管治療(神経を取る治療)が必要になります。できるだけ早く歯科医院を受診してください。鎮痛剤と冷却で一時的に痛みを抑えつつ、翌営業日には必ず受診することを強くお勧めします。詳しくは「『しみるけど我慢できる』で放置すると手遅れに|初期虫歯が神経を失う治療に変わるメカニズムと見逃せない3つの兆候」で解説しています。

噛むと痛む

噛んだときに鋭い痛みが走る場合は、歯の破折や歯周病の進行、詰め物の不適合などが考えられます。硬いものを避け、患部に負担をかけないようにしてください。この場合も、できるだけ早く歯科医院で精密検査を受けることが重要です。

夜間・休日に開いている歯科医院の探し方

応急処置でどうしても痛みが治まらない場合、夜間や休日でも対応している歯科医院を探す必要があります。東京都や各自治体では、休日・夜間診療を行う歯科診療所の情報を公開しています。Googleマップで「夜間歯科」「休日歯科」と検索すると、現在地周辺で対応可能な医院が表示されます。また、日本歯科医師会のウェブサイトでも、地域ごとの休日診療情報を確認できます。

事前に電話で症状を伝え、対応可能かどうかを確認してから受診してください。救急外来でも歯科の応急処置を行っている施設がありますが、根本的な治療は行えないため、翌営業日に必ず歯科医院を受診してください。自治体によっては、夜間や休日の医療相談ダイヤルを設けています。「#7119」や「#8000」(小児向け)などの番号で、症状を伝えると受診の必要性や対応可能な医療機関を案内してくれます。不安な場合は、こうしたサービスを活用してください。

痛みを繰り返さないための根本治療

応急処置はあくまで一時的な対処です。痛みを繰り返さないためには、根本的な原因を取り除く必要があります。虫歯であれば削って詰める、神経に達していれば根管治療を行う、歯周病であれば歯周治療を行うなど、症状に応じた適切な治療が不可欠です。応急処置で痛みが治まると、「もう大丈夫」と安心して受診を先延ばしにする方がいます。しかし、痛みが消えたからといって問題が解決したわけではありません。

虫歯は自然に治ることはなく、放置すれば確実に進行します。神経が壊死して痛みを感じなくなった状態は、実は最も危険な段階です。内部で細菌が繁殖し、歯の根の先に膿の袋(根尖病巣)ができると、顔が腫れたり、最悪の場合は全身感染を起こしたりする可能性があります。泉岳寺駅前歯科クリニックでは、痛みの原因を精密に診断し、根本的な治療を提供しています。痛みが治まった後も、必ず受診して原因を特定し、適切な治療を受けてください。

泉岳寺駅前歯科クリニックでは、マイクロスコープ(歯科用顕微鏡)を用いた精密治療を行っています。肉眼では見えない細かな虫歯や亀裂も確実に発見し、再発を防ぐ治療を提供しています。また、「なぜ虫歯になったのか」という根本原因を分析し、細菌と噛み合わせの両面からアプローチすることで、生涯にわたって歯を守る治療を目指しています。「また同じ歯が痛む」「治療してもすぐに再発する」という経験をされた方は、対症療法ではなく根本治療を受けることをお勧めします。

よくある質問

市販の鎮痛剤はどのくらいの頻度で飲んでも大丈夫ですか?

イブプロフェンやロキソプロフェンは、通常4〜6時間以上の間隔を空けて服用します。1日の上限回数は製品によって異なりますが、おおむね3〜4回までです。それ以上必要な場合は、痛みが重症化している可能性が高いため、速やかに歯科医院を受診してください。

冷やしても痛みが治まらない場合はどうすればいいですか?

冷却で痛みが軽減しない場合は、炎症が非常に強いか、神経が壊死している可能性があります。鎮痛剤を服用し、頭を高くして安静にしてください。それでも痛みが続く場合は、夜間・休日診療を行っている歯科医院や救急外来に連絡してください。

塩水うがいは1日何回までやっていいですか?

塩水うがいは1日数回程度であれば問題ありません。ただし、頻繁にうがいをしすぎると口腔粘膜を刺激し、逆に炎症を悪化させる可能性があるため、1回あたり数回すすぐ程度に留めてください。

クローブオイルはどこで購入できますか?

クローブオイルは、大型の薬局やアロマテラピー専門店、オンラインショップで購入できます。ただし、必ず「食品用」または「歯科用」と記載されているものを選び、原液のまま広範囲に使用しないよう注意してください。

夜間に痛みが強まるのはなぜですか?

横になると頭部への血流が増加し、炎症が悪化するためです。また、日中は仕事や活動に意識が向いているため痛みを感じにくいのに対し、夜間はリラックスして痛みに意識が集中しやすくなることも一因です。

痛みが治まったら受診しなくてもいいですか?

痛みが治まっても、原因が解決したわけではありません。神経が壊死して痛みを感じなくなっただけで、内部では感染が進行している可能性があります。必ず歯科医院を受診し、根本的な治療を受けてください。

応急処置で一番効果があるのはどれですか?

痛みの原因や程度によって異なりますが、一般的には市販の鎮痛剤の服用が最も即効性があります。それに加えて患部を冷やし、頭を高くして休むことで、多くの場合は痛みを和らげることができます。ただし、根本的な治療は歯科医院でしか行えません。

監修

院長

山脇 史寛Fumihiro YAMAWAKI

  • 略歴

    2009年
    日本大学歯学部卒業
    2009年
    日本大学歯学部附属病院研修診療部
    2010年
    東京医科歯科大学歯周病学分野
    2010年
    やまわき歯科医院 非常勤勤務
    2015年
    酒井歯科クリニック
    2021年
    泉岳寺駅前歯科クリニック 開院
  • 所属学会・資格

    • 日本歯周病学会 認定医
    • 日本臨床歯周病学会
    • アメリカ歯周病学会
    • 臨床基礎蓄積会
    • 御茶ノ水EBM研究会
    • Jiads study club Tokyo(JSCT)
    • P.O.P.(歯周-矯正研究会)
Page top