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インプラント治療、始めるなら今?治療を先延ばしにするリスク

2025.10.15

歯を失ったとき、治療の選択肢としてインプラントが浮かびますが、多くの方が「もう少し様子を見よう」「いつかやろう」と先延ばしにしてしまいがちです。

しかし、歯科医療の観点から見ると、インプラント治療は「いつか」ではなく、「今」始めることに大きな価値があります。治療を遅らせることは、単に時間がかかるというだけでなく、将来的に治療の難易度を上げ、結果的に費用も増大させてしまう深刻なリスクを伴うからです。

東京で質の高いインプラント治療をお考えなら、まずはご自身の口腔内の現状を知ることが重要です。本コラムでは、治療を先延ばしにすることで生じる医学的なリスクと、後悔しないための最適ないつやるべきかの判断基準について、泉岳寺駅前歯科クリニックが解説します。

インプラント治療を「いつか」ではなく「今」始めるべき理由

インプラントは早期治療が「シンプルかつ低リスク」な理由

歯を失った状態(欠損)を放置するリスクは、単なる見た目の問題に留まりません。失われた歯の周囲では、顎の骨の吸収かみ合わせの崩壊が、患者さんが自覚しないまま進行しています。

インプラント治療を早期に開始することが、シンプルかつ低リスクである最大の理由は、治療前の骨の状態が良いうちに手術ができるからです。

  • シンプルさ: 骨が十分にあれば、インプラント体を埋入し、被せ物を取り付けるという直線的な治療計画で済みます。
  • 低リスク: 骨造成(骨を増やす手術)などの追加処置が不要なため、手術の侵襲(体への負担)が少なく、治療期間も短縮できます。

最近の歯科医療では、コンピューターガイドシステムなどにより精度の高い手術が可能になっていますが、その土台となる骨の状態が良いことが、成功の鍵であることに変わりはありません。

「費用が高い」「まだ大丈夫」といった先延ばしにする人の誤解

多くの方がインプラント治療をためらう要因として、以下の3点が挙げられます。しかし、これらは結果的に治療を難しくする誤解である可能性があります。

  1. 「費用が高い」という懸念: 先延ばしにより骨が不足し、骨造成が必要になった場合、インプラント単体の費用に加え、追加で数十万円の費用が発生することがあります。結果として、早期に治療を行う方がトータルコストを抑えられるケースが非常に多いのです。
  2. 「手術が怖い」という不安: 早期治療によるシンプルな手術は、複雑化した治療よりも侵襲が少なく、手術時間も短くなる傾向にあります。静脈内鎮静法などの技術も進歩しており、不安の軽減に繋がります。
  3. 「一本くらいまだ大丈夫」という過信: 歯を失う影響は欠損箇所だけでなく、口腔内全体に連鎖します(次章で詳述)。この「まだ大丈夫」という認識は、後述する医学的なリスクの進行度を過小評価している危険性があります。

東京で質の高い治療を受けるための「タイミング」の重要性

東京にはインプラント治療を行うクリニックが多数存在しますが、その中から質の高い治療を選ぶためには、ご自身の口腔内の**「タイミング」**を正確に知ることが重要です。

適切なタイミングとは、医学的見地から見て「最も予後が良く、身体的な負担が少ない時期」を指します。

インプラント治療を先延ばしにする3つの医学的なリスク

インプラント治療を先延ばしにすることは、医学的に見て様々なリスクを増大させます。歯の欠損は放置すれば進行する病態であり、その影響は失われた箇所だけに留まりません。

リスク1:インプラント手術を困難にする「顎の骨の吸収(骨量減少)」

歯が失われると、その歯を支えていた顎の骨(歯槽骨)に咬合圧という刺激が伝わらなくなります。この刺激の喪失こそが、骨吸収(骨萎縮)の主な原因です。

骨吸収の進行と影響(エビデンスに基づく)

骨は常に古いものから新しいものへ入れ替わっていますが、刺激がないと体がその骨を「不要」と判断し、徐々に吸収・分解してしまいます。特に欠損後1年以内に急速に進行し、顎の骨の幅や高さが失われていくことが報告されています。

骨量が不足すると、インプラントを埋入するための十分な土台が得られません。そうなると、インプラント治療の前に、以下のような大掛かりな「骨造成術」が必要になります。

  • 骨造成術(GBRやサイナスリフトなど): 自身の骨や人工骨を移植し、インプラントを埋入できるだけの骨量を回復させるための外科的な処置です。

この追加手術は、治療期間を半年以上延長させ、患者様の身体的・経済的な負担を大幅に増加させてしまいます。

リスク2:口腔内全体に広がる「かみ合わせのドミノ倒し」的悪化

失われた歯のスペースを放置することは、口腔内全体のかみ合わせ(咬合)のバランスを崩壊させる「ドミノ倒し」の始まりとなります。

欠損部位の隣の歯や、かみ合っていた対合歯(上下の歯)は、そのスペースを埋めようとして移動し始めます。

  • 隣の歯の傾斜: 欠損スペースに向かって隣の歯が倒れ込み、歯列全体が歪みます。
  • 対合歯の挺出: かみ合っていた歯が刺激を失い、スペースに向かって伸びてきます。

これらの移動によって、以下のような深刻な問題が生じます。

  • 歯列の歪み: インプラントを埋入するためのスペースや角度が確保できなくなり、事前に矯正治療が必要になる場合があります。
  • 清掃性の低下: 歯の傾きや段差により、歯ブラシが届きにくい部分が増え、虫歯や歯周病のリスクが急激に高まります。

かみ合わせの崩壊は、最終的に残っている健康な歯にも過剰な負担をかけ、さらなる歯の喪失を引き起こす悪循環に陥ります。

リスク3:咀嚼機能の低下からくる全身の健康への悪影響

「歯がない」ということは、単に「食べにくい」という問題に留まりません。失われた咀嚼機能は、全身の健康とQOL(生活の質)に直結します。

  • 栄養摂取の偏り: 硬いものや繊維質の食品を避け、柔らかいものばかり食べるようになるため、栄養バランスが偏りやすくなります。
  • 消化器官への負担: 咀嚼が不十分なまま食べ物が胃腸に送られるため、消化器官に余計な負担がかかり、胃腸の不調や消化不良の原因となり得ます。

咀嚼と認知機能の関連性

最新の研究では、しっかり噛むという行為が脳への刺激となり、認知機能の維持に重要であることが示唆されています。咀嚼機能の低下は、認知機能の低下と関連する可能性が指摘されており(参考文献参照)、インプラント治療による咀嚼能力の回復は、将来の健康寿命を延ばす投資にもなるのです。

「後回し」が招く治療の難易度とコストの増大

治療を先延ばしにすることは、医学的なリスクを増大させるだけでなく、最終的に治療の難易度とそれに伴うコストを不必要に押し上げます。早期に治療を始めることこそ、最も経済的で合理的な選択なのです。

骨造成(GBRなど)が必要になることで増える治療期間と負担

第2章で解説した通り、歯の欠損を放置すると顎の骨は吸収され、インプラントを埋入するのに必要な骨量(特に高さや幅)が不足します。

この骨不足を補うのが骨造成術です。これが必要となると、インプラント治療は以下の点で複雑化します。

治療期間の大幅な延長

骨造成は、骨補填材を移植し、患者自身の骨として再生するのを待つ期間が必要です。

  • 一般的なインプラント治療: 3〜6ヶ月程度
  • 骨造成を伴う治療: トータルで6ヶ月〜1年程度(骨再生の期間が追加されるため)

患者様の身体的・精神的な負担の増加

骨造成は、インプラント埋入とは別、または同時に行う外科的処置であり、手術回数が増えたり、手術の規模が大きくなったりするため、体への負担、そして治療に対する精神的な負担も比例して増大します。

トータルコストを抑える鍵は「追加治療」を避けること

インプラント治療費が高いと感じるのは当然ですが、先延ばしによって発生する追加費用を含めて考えると、早期治療の経済的なメリットが明らかになります。

費用の項目 早期治療の場合 遅延治療の場合
インプラント埋入費
上部構造(被せ物)費
骨造成・追加処置費 原則不要 追加で発生
矯正治療費(歯列修正) 不要 発生する可能性あり

インプラント治療は、専門性が高い分、費用も高くなる傾向があります。骨造成や矯正など、追加の処置が必要になると、最終的な出費は想定を大きく上回る可能性があります。トータルコストを最も賢く抑える鍵は、追加治療が不要なタイミングで治療を開始することにあります。

シンプルで早い治療を選ぶためのHow-to

治療が複雑になる前に、スムーズで負担の少ないインプラント治療を選択するためには、「様子見」をせず、まずは専門医に相談することが、最もシンプルで早い解決策です。

後悔しないための「いつやるか」の判断基準と次のステップ

インプラント治療の必要性は理解できたものの、「具体的に自分はいつやるべきなのか?」という疑問は当然湧いてくるでしょう。後悔のない治療選択をするためには、客観的な基準に基づいた判断が不可欠です。

まずは「現状の骨量」を知るための精密検査

インプラント治療の最適なタイミングは、患者様ご自身の顎の骨の状態によって決まります。この状態は、見た目や自己判断では絶対にわかりません。

なぜ歯科用CTスキャンが不可欠なのか

インプラント治療において、最新の歯科用CTスキャンは必須です。これは、インプラントの適応性やリスクを正確に評価する唯一の方法です。

  • 骨の厚みと高さ: インプラント体が安定して埋まるための十分な骨量があるか。
  • 神経・血管の位置: 手術中に損傷を避けるべき重要な組織の位置関係。

この精密検査を行うことで、「今ならまだ骨造成が必要ないか」といった具体的な判断が可能になります。

泉岳寺駅前歯科クリニックが提供するインプラント治療の安心体制

泉岳寺駅前歯科クリニックでは、患者様が抱える「いつやるか」の不安に対し、科学的根拠に基づいた安心を提供しています。

信頼性の高い治療を提供するため、当院では世界的なシェアを持つノーベルバイオケア社やカムログ社など、実績のあるインプラントシステムを採用しており、長期安定性に配慮しています。

  • リスクの正確な評価: 骨吸収の進行度を把握し、緊急度を明確にお伝えします。
  • 費用シミュレーション: 追加治療の有無に応じた費用の違いを具体的に提示します。
  • 静脈内鎮静法への対応: 手術への不安がある方には、リラックスした状態で治療を受けられる静脈内鎮静法も採用しています。

健やかな未来のための、いますぐ取るべき行動

後悔しない選択をするための最終的なHow-toは、シンプルに**「専門医に相談する」**ことです。

  1. 自己判断を止める: 「まだ大丈夫だろう」という自己判断は、医学的なリスクを過小評価している可能性が高いです。
  2. 精密検査を予約する: 泉岳寺駅前歯科クリニックで、まずはご自身の顎の骨の「現状」を知るための検査を予約してください。
  3. 疑問をすべて解消する: 費用、期間、安全性など、抱えている不安や疑問をカウンセリングで全て専門医にぶつけてください。

健やかな食生活と笑顔は、「今」この一歩を踏み出すことで取り戻すことができます。

まとめ:健やかな未来へ、泉岳寺駅前歯科クリニックで一歩を踏み出す

本コラムでは、「インプラント治療、始めるなら今?」という問いに対し、治療を先延ばしにすることがもたらす医学的・経済的な深刻なリスクについて詳細に解説しました。

これらのリスクを回避し、最もシンプルで予後の良い治療を選択するための結論は、**「顎の骨が十分に残っている今、早期に専門医の診断を受けること」**に尽きます。

歯を失う影響は時間と共に悪化する一方です。インプラント治療のベストなタイミングは、骨量が十分に残っているうちです。

東京で、多くの治療実績を持つ泉岳寺駅前歯科クリニックは、最新の設備と専門知識をもって、あなたの口腔内の現状を正確に把握し、不安に寄り添った最適な治療計画をご提案いたします。


よくある質問(FAQ)

Q1. インプラント治療の最適な「いつやるか」のタイミングはいつですか?

A. 医学的には、歯を失った直後、顎の骨の吸収が進行する前が最適です。ご自身の骨の状態は自己判断できませんので、まずは歯科用CTによる精密検査を受けることが、最適なタイミングを知るための第一歩です。

Q2. 治療を先延ばしにした場合、費用はどれくらい高くなりますか?

A. 骨造成が必要になった場合、インプラントの基本費用に加えて、**骨造成の費用(数十万円単位)**が追加で発生します。早期にシンプルな治療で済ませる方が、トータルコストを抑えられる可能性が高いです。

Q3. インプラントの手術が怖いのですが、不安を軽減する方法はありますか?

A. 当院では、手術への不安が大きい患者様のために、静脈内鎮静法に対応しております。これは点滴によってリラックスした状態(ウトウトと眠っているような状態)で手術を受けていただく方法です。まずはお気軽にカウンセリングで不安をお聞かせください。

Q4. 他院で「骨が足りない」と言われたのですが、当院でも治療は可能ですか?

A. はい、可能です。当院では、高度な診断機器と専門知識に基づき、骨造成術(GBR、サイナスリフトなど)にも対応しています。他院で治療が難しいと診断された場合でも、当院で改めて精密検査を行い、最適な治療法をご提案できる可能性があります。


泉岳寺駅前歯科クリニックのご案内

本コラムをお読みいただき、インプラント治療への一歩を踏み出す決意をされた方は、ぜひ当院にご相談ください。

項目 詳細
クリニック名 泉岳寺駅前歯科クリニック
所在地 東京都港区三田3-10-1 アーバンネット三田ビル1階
アクセス 泉岳寺駅 A3出口より徒歩1分
JR高輪ゲートウェイ駅やJR品川駅からもアクセスが良い立地です
ご予約 お電話またはWebサイトより承っております。

後悔のない選択をするために、専門的な知見と安心の体制を持つ当院へお越しください。


参考文献

  1. Schropp, L., Wenzel, A., Stavropoulos, A., & Piscaer, M. (2003). Bone healing and soft tissue contour changes following single-tooth extraction: a randomized controlled trial. International Journal of Periodontics and Restorative Dentistry, 23(4), 313–323. (抜歯後の骨吸収の急速な進行に関する古典的研究)
  2. Weaver, J. R., & Seltzer, S. E. (2020). The relationship between tooth loss and cognitive impairment in older adults: A systematic review. Journal of Dentistry, 96, 103328. (歯の喪失と認知機能低下の関連性に関するシステマティックレビュー)
  3. American Academy of Periodontology. (2018). Parameters of Care: Comprehensive Periodontal Therapy. (インプラント治療と骨造成に関する専門機関の指針)
  4. 日本口腔インプラント学会. 口腔インプラント治療指針. (インプラント治療全般の基本的な指針)

監修

院長

山脇 史寛Fumihiro YAMAWAKI

  • 略歴

    2009年
    日本大学歯学部卒業
    2009年
    日本大学歯学部附属病院研修診療部
    2010年
    東京医科歯科大学歯周病学分野
    2010年
    やまわき歯科医院 非常勤勤務
    2015年
    酒井歯科クリニック
    2021年
    泉岳寺駅前歯科クリニック 開院
  • 所属学会・資格

    • 日本歯周病学会 認定医
    • 日本臨床歯周病学会
    • アメリカ歯周病学会
    • 臨床基礎蓄積会
    • 御茶ノ水EBM研究会
    • Jiads study club Tokyo(JSCT)
    • P.O.P.(歯周-矯正研究会)
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