この記事のポイント(要約)
- インプラント治療後の「歯ぐき下がり」は、土台周辺の骨吸収(骨が減ること)が主な原因です。
- プラットフォームスイッチングとは、インプラント体と土台の接合部に段差を設け、骨と歯ぐきへのダメージを防ぐ最新の設計概念です。
- この技術により、長期間にわたって天然歯のような美しい歯ぐきのライン(審美性)と、インプラント周囲炎の予防(安定性)が両立しやすくなります。
- 東京・港区(高輪ゲートウェイ駅近く)の泉岳寺駅前歯科クリニックでは、患者様の生涯の笑顔を見据え、この先進技術を取り入れたインプラント治療を提供しています。
インプラント治療の成功は、単に「しっかりと噛めるようになること」だけではありません。天然歯のように自然で美しい見た目を長期間維持できること、つまり**「機能(噛める)」と「審美(美しい)」の両立**が求められます。
特に、東京・港区エリアで審美性の高いインプラント治療を検討されている患者様からは、次のようなご不安をよく伺います。
- 「時間が経つと歯ぐきが下がって、インプラントの金属部分が見えてしまうのでは?」
- 「天然歯とインプラントで、歯ぐきのラインが不自然にずれてしまわないか?」
このような「歯ぐきの下がり(退縮)」は、多くの場合、インプラント周囲の**「骨吸収(骨が減ること)」**によって引き起こされます。
従来のインプラント設計では、インプラント本体と人工歯の土台(アバットメント)の接続部分に生じるわずかな負荷や細菌の侵入により、周囲の骨が吸収されやすいという構造的な弱点がありました。これが歯ぐき退縮の直接的な原因となり、見た目を損なうだけでなく、インプラント周囲炎のサインを見逃してしまうリスクも高めてしまいます。
この問題を根本から解決するために開発されたのが、最新のインプラント設計概念である**「プラットフォームスイッチング」**です。
1. プラットフォームスイッチングとは?設計の秘密を解説
(左)従来の設計では接合部周辺の骨が吸収されやすい (右)プラットフォームスイッチングでは接合部の段差が骨の吸収を防ぐ
プラットフォームスイッチング(Platform Switching)とは、一言で言えば**「インプラント周囲の骨と歯ぐきを守るための特殊な段差設計」**のことです。
- 【構造の定義】 顎の骨に埋め込むインプラント体(本体)の直径よりも、その上に装着する人工歯の土台となるアバットメント(上部構造)の直径を、意図的に小さく設計する構造を指します。
この設計の最大の秘密は、インプラント体とアバットメントの接合部に「棚(プラットフォーム)のような段差」が生まれる点にあります。この段差こそが、従来のインプラントでは避けられなかった骨の吸収を防ぐための重要な「スイッチ」の役割を果たします。
従来の設計では、接合部が骨の辺縁ギリギリに位置していたため、噛む力による負荷や細菌の影響をダイレクトに受けていました。プラットフォームスイッチングは、**接続位置を骨から遠ざける(内側にずらす)**ことで、長期的な安定性を飛躍的に高めます。
2. 歯ぐきと骨を守る「3つの科学的メカニズム」
段差(プラットフォーム)が応力を分散し、細菌を骨から遠ざけ、健康な歯ぐきのスペースを確保します。
なぜ、接合部に段差を設けるだけで骨が守られ、歯ぐきが下がりづらくなるのでしょうか?プラットフォームスイッチングが長期安定性を実現する、3つの科学的な理由を解説します。
① 応力集中(ストレス)の分散と緩和
私たちが食べ物を噛む際に発生する「力(応力)」は、インプラントを通して顎の骨に伝わります。従来の設計では、この力が骨の辺縁に集中しやすく、過度なストレスで骨が溶ける原因になっていました。 プラットフォームスイッチングは、接続部分を内側にオフセット(ずらす)させることで、噛む力を内側へ分散・緩和させます。これにより、骨の表面が物理的なストレスから守られます。
② 細菌の侵入路の隔離(マイクロギャップの保護)
インプラント体と土台の接合部には、肉眼では見えないほどのわずかな隙間(マイクロギャップ)が存在し、細菌の温床になりやすい場所です。ここから細菌が骨に到達すると、炎症(骨吸収)が起きます。 段差を設けることで、接合部自体が骨から物理的に離れた位置(内側)に配置されます。細菌が骨に到達するまでの距離が長くなるため、炎症リスクが骨から隔離され、インプラント周囲炎の発生を強力に抑制します。
③ 生物学的幅径(Biological Width)の確保
インプラントの歯ぐきのラインを美しく保つには、「生物学的幅径」と呼ばれる「歯肉組織が健康に付着するための十分なスペース」が必要です。 プラットフォームスイッチングの段差により、インプラント周囲の軟組織(歯ぐき)が入り込み、健康に付着するための立体的なスペースが生まれます。結果として、インプラント周囲の歯ぐきがふっくらと厚みを持ち、退縮しにくい、高い位置で安定したラインを保つことができます。
3. プラットフォームスイッチングがもたらす長期的なメリット
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骨が守られることで歯ぐきの退縮を防ぎ、長期間にわたり自然で美しい口元を維持できます。
この先進的な設計技術は、患者様の未来の口腔環境に次のような大きなメリットをもたらします。
- 圧倒的な審美性の維持: 骨が守られることで歯ぐきが退縮せず、特に目立つ前歯において、天然歯と調和した美しい歯肉のラインを長期間キープできます。金属部分が露出するリスクが大幅に減ります。
- インプラント周囲炎(第2の歯周病)の予防: 細菌侵入のダメージを骨から遠ざけることで、インプラント最大の敵である「インプラント周囲炎」の発症リスクを抑え、口腔内の健康を守ります。
- インプラント寿命の大幅な延伸: 土台となる顎の骨が安定し続けることは、インプラントシステム全体の耐久性向上に直結します。過度な負荷や感染トラブルを防ぎ、「一生モノ」に近づけることが可能になります。
4. よくあるご質問(FAQ)
東京・港区エリアで当院を受診される患者様から、多く寄せられる疑問にお答えします。
Q. プラットフォームスイッチングのインプラントは誰でも受けられますか?
A. 多くの方が対象となりますが、患者様の顎の骨の厚みや状態によって最適なインプラントの種類は異なります。当院では精密検査(CT検査など)を行い、オーダーメイドの治療計画をご提案します。
Q. 治療費は通常のインプラントより高くなりますか?
A. 使用するインプラントのメーカーやシステムによって費用は変動します。当院では治療を始める前に明確な料金体系や費用の相場をご説明し、患者様にご納得いただいてから治療をスタートします。
Q. すでに歯ぐきが下がってしまっている場合でも治療できますか?
A. はい、可能です。骨造成(GBR)や歯肉移植術などの高度な歯周外科治療を併用することで、失われた骨や歯ぐきを再建し、美しい口元を取り戻すアプローチが可能です。
5. 学術的な参考文献
プラットフォームスイッチングの有効性は、世界中の歯科医学研究によって裏付けられています。本コラムは以下の学術的知見を参考に構成しています。
- Lazzara, R. J., & Porter, S. S. (2006). Platform switching: a new concept in implant dentistry for controlling postrestorative crestal bone levels. The International journal of periodontics & restorative dentistry, 26(1), 9-17.
- 山本ら (2020). 「プラットフォームスイッチングが近接埋入インプラント間の骨に与える影響について」 日本口腔インプラント学会誌, 33(1), 45-51.
6. まとめ:東京・港区でインプラントをお考えなら
インプラント治療の成功は、執刀医の高度な技術はもちろんのこと、**「どのような設計のインプラントシステムを選ぶか」**によっても大きく左右されます。 プラットフォームスイッチングは、単に「噛める」という機能回復にとどまらず、10年後、20年後の「美しさ」と「健康」を両立させるための、科学的根拠に基づいた重要な選択です。
「将来、歯ぐきが下がって見た目が悪くならないか心配」「せっかくなら長持ちするインプラントを入れたい」とお考えの方は、ぜひ一度、高輪ゲートウェイ駅からも好アクセスの泉岳寺駅前歯科クリニックへご相談ください。私たちは、患者様の未来の笑顔と健康を見据え、最新の知見と設備を用いた高品質なインプラント治療を提供いたします。
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当院のご案内:泉岳寺駅前歯科クリニック
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- クリニック名: 泉岳寺駅前歯科クリニック
- 公式ウェブサイト: https://sengakuji-ekimae-dental.com/
- 住所: 〒108-0073 東京都港区三田3-10-1 アーバンネット三田ビル1階
- アクセス:
- 都営浅草線・京急本線「泉岳寺駅」A3出口より徒歩1分
- JR山手線・京浜東北線「高輪ゲートウェイ駅」や「品川駅」からもアクセス良好です。

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骨が守られることで歯ぐきの退縮を防ぎ、長期間にわたり自然で美しい口元を維持できます。