予防・セルフケア コラム

定期的なPMTCがカギ!プロのクリーニングで生涯自分の歯を守る方法

2025.07.03

毎日歯磨きしてるのに…その汚れ、本当に落ちていますか?

歯ブラシだけでは不十分?セルフケアの落とし穴

「毎日しっかり歯磨きしているから大丈夫!」そう思っていても、なぜか虫歯になったり、歯茎から血が出たり、口臭が気になることはありませんか?実は、ご自宅での丁寧な歯磨きだけでは、どうしても落としきれない汚れが存在するんです。

特に、歯と歯の間歯周ポケット、奥歯の複雑な溝など、歯ブラシの毛先が届きにくい場所は、磨き残しが蓄積しやすい「死角」となります。どんなに時間をかけて磨いても、これらの部位に付着した細菌の塊を完全に除去するのは至難の業です。この「見えない汚れ」こそが、お口の健康を脅かす最大の原因となります。

見えない汚れの正体!「バイオフィルム」とは?

あなたの歯にへばりつく「見えない汚れ」の正体は、主にバイオフィルムと呼ばれるものです。これは、台所の排水溝や流し台のぬめりのようなもので、お口の中の細菌が集合して形成する強固な膜のこと。歯の表面にネバネバとした形で存在し、歯垢(プラーク)の主成分でもあります。

このバイオフィルムは非常に手ごわい存在です。一般的な歯磨きやうがい薬では、その内部まで成分が浸透しにくく、簡単には除去できません。細菌たちはこのバイオフィルムの中で守られながら増殖し、酸を産生したり、炎症を引き起こす毒素を放出したりと、お口の中で悪さをし続けているのです。

放置するとどうなる?歯垢・バイオフィルムが招くリスク

歯磨きで取り除けなかった歯垢やバイオフィルムを放置すると、以下のような深刻なリスクを引き起こします。

  • 虫歯のリスク増大

    バイオフィルム内の細菌が糖を分解して酸を作り出し、歯のエナメル質や象牙質を溶かします。これは、**「酸産生性細菌」**による典型的なメカニズムであり、世界保健機関(WHO)もプラークの病原性を強く指摘しています[^1]。

  • 歯周病の進行

    歯茎の炎症(歯肉炎)から始まり、進行すると歯を支える骨が破壊される歯周病へと悪化します。歯周病は、歯を失う最大の原因とされており、日本臨床歯周病学会でも、プラークコントロールの重要性が繰り返し述べられています[^2]。

  • 口臭の発生

    バイオフィルムの中に潜む特定の細菌(嫌気性菌)が、食べカスなどを分解する際に**揮発性硫化物(VSC)**というガスを産生します。これが、不快な口臭の主な原因となります。

  • 全身の健康への影響

    近年の研究では、歯周病菌が血液を介して全身に広がり、糖尿病の悪化心臓病(心内膜炎、動脈硬化)脳卒中誤嚥性肺炎低体重児出産など、様々な全身疾患のリスクを高めることが明らかになっています[^3]。お口の健康は、全身の健康に直結しているのです。

これらのリスクから大切な歯と全身を守るために、ご自宅でのケアだけでは不十分な部分を補う「プロの力」が不可欠となります。


歯科のプロが徹底解説!PMTCがあなたの歯にもたらす「劇的な変化」

PMTCとは?「専門家による徹底クリーニング」の全貌

毎日歯磨きを頑張っても落としきれない汚れ。それが積み重なっていくと、虫歯や歯周病のリスクを高めてしまうことは、すでにお分かりいただけたかと思います。では、その「見えない汚れ」を効果的に除去し、お口の健康を守るにはどうすれば良いのでしょうか?その答えこそが、**PMTC(Professional Mechanical Tooth Cleaning)**です。

PMTCとは、歯科医師や歯科衛生士といった歯科専門家が、特殊な器具と技術を用いて行う、歯と口全体の徹底的なクリーニングのこと。単なる歯の表面を磨くだけでなく、普段の歯磨きでは絶対に届かない歯と歯の間や歯周ポケットの奥深くに潜むバイオフィルム歯石を、安全かつ効果的に除去することを目的にしています。

これは、病気になってから治療する「治療歯科」とは異なり、病気を未然に防ぎ、健康な状態を維持・向上させるための「予防歯科」の中心的な処置として、その重要性が世界的に認識されています[^4]。定期的なPMTCは、まるで歯の「プロフェッショナルな大掃除」。お口の中の環境をリセットし、トラブルの芽を摘むことで、健康な歯を長く保つための強力なサポートとなります。

一般的なクリーニングとの違い:PMTC独自のメリット

「歯医者でのクリーニングなら、いつも受けているから大丈夫」そう思われた方もいるかもしれません。しかし、PMTCは一般的な保険診療内で行われる歯石除去(スケーリング)とは、目的とアプローチが大きく異なります。

通常の歯石除去が「治療」の一環として、主に歯石を取り除くことに重点を置くのに対し、PMTCは**「予防」を目的とし、歯の表面に付着したバイオフィルムの徹底的な除去**と、歯本来の滑らかさ・美しさの回復に主眼を置いています。

PMTC独自のメリットは以下の通りです。

  • バイオフィルムの徹底除去

    自宅の歯ブラシやフロスでは除去が困難な、強固に付着したバイオフィルムを、専用の柔らかいブラシやラバーカップ、特別なペーストなどを用いて、歯面を傷つけることなく優しく除去します。これにより、虫歯菌や歯周病菌の温床を根本から取り除きます。

  • 歯に優しいプロの技術

    経験豊富な歯科衛生士が、歯や歯茎を傷つけないよう細心の注意を払いながら施術を行います。超音波スケーラーで歯石を除去した後も、歯の表面をツルツルに磨き上げることで、汚れの再付着を防ぎます。

  • フッ素塗布による歯質強化

    クリーニング後にフッ素を塗布することで、歯の再石灰化を促進し、虫歯への抵抗力を高める相乗効果があることが科学的に証明されています[^5]。これは、PMTCならではの重要なプロセスです。

  • 審美性の向上

    コーヒー、紅茶、ワイン、タバコなどによる歯の表面の着色汚れ(ステイン)も同時に除去するため、歯本来の自然な白さや輝きを取り戻し、清潔感のある口元を実現します。

これらの複合的なアプローチこそが、PMTCが単なるクリーニングを超え、お口全体の健康と美しさを長期的に維持するための「劇的な変化」をもたらす理由なのです。

施術の流れ:痛みなくツルツルの歯を手に入れるまで

PMTCは、一般的に以下のような流れで行われます。ほとんどの場合、痛みを感じることは少なく、リラックスして受けられるでしょう。

  1. 口腔内チェックとカウンセリング

    まずは、歯科医師や歯科衛生士が現在の歯や歯茎の状態を細かくチェックします。虫歯や歯周病の有無、磨き残しの傾向などを確認し、患者さんの口腔内の状態に合わせた施術計画を立て、丁寧に説明してくれます。

  2. 染め出し(必要に応じて)

    磨き残しがある部分を特殊な染め出し液で赤く染め、患者さん自身にも確認してもらうことで、普段の歯磨きの課題を視覚的に理解することができます。

  3. 専用機器による清掃
    • 超音波スケーラー: まずは歯に付着した硬い歯石を超音波の振動で効率的に粉砕・除去します。水と振動で除去するため、歯を削る心配はありません。
    • 回転ブラシ・ラバーカップと研磨ペースト: 次に、歯科医院専用のきめ細やかな研磨ペーストを使い、柔らかい回転ブラシやラバーカップで歯の表面を丁寧に磨き上げていきます。これにより、歯にこびりついたバイオフィルムや着色汚れ(ステイン)を優しく、しかし確実に除去し、歯の表面を驚くほどツルツルにします。
    • フロスや歯間ブラシ: 歯と歯の間の狭い隙間は、専用のフロスや歯間ブラシを用いて、手作業で丁寧に清掃し、普段の歯磨きでは届きにくい部分の汚れも徹底的に除去します。
  4. フッ素塗布

    全ての汚れが除去され、清潔になった歯の表面に、高濃度のフッ素を塗布します。フッ素が歯に浸透することで、歯質が強化され、酸に溶けにくい強い歯へと生まれ変わります。

  5. 仕上げとアドバイス

    最後に、口腔内を洗浄し、施術後の歯のツルツル感や爽快感を実感いただけます。また、今後のセルフケアのポイントや、次回のPMTCの目安など、お口の健康を維持するためのアドバイスを受けることができます。

この一連のプロセスを通じて、あなたは単なる「汚れの除去」以上の、お口全体の健康と快適さ、そして自信を手に入れることができるでしょう。


なぜPMTCが「一生涯の健康な歯」への最重要投資なのか?

虫歯・歯周病予防効果を最大限に高める理由

「プロのクリーニング」と聞くと、単に汚れを落とすだけのイメージを持つかもしれません。しかし、PMTCは、あなたの歯の健康を守る上で、まさに**「最重要投資」**と呼べるほどの価値があります。その最大の理由は、虫歯や歯周病の予防効果を最大限に高めることができるからです。

PMTCでは、虫歯や歯周病の直接的な原因となる歯垢(プラーク)やバイオフィルムを、セルフケアでは不可能なレベルで徹底的に除去します。これにより、これらの病原菌が繁殖する温床を根本から絶ち、病気の発生や進行を強力に抑制します。特に、歯周病は進行すると歯を失うだけでなく、全身の健康にも悪影響を及ぼすことが明らかになっています。定期的なPMTCは、そうした深刻なリスクを未然に防ぐための、非常に効果的な手段なのです。

さらに、PMTC後の清潔な歯に塗布される高濃度フッ素は、歯の表面を強化し、酸への抵抗力を高めることで、虫歯の発生を大きく抑制する効果があります[^5]。PMTCは、単に汚れを除去するだけでなく、「病気になりにくい口内環境」を積極的に作り出すための、科学に基づいた予防策と言えるでしょう。

口臭もスッキリ!お口のニオイの根本原因を断つ

口臭は、人とのコミュニケーションに自信をなくさせ、日常生活の質を著しく低下させる要因となります。実は、口臭の多くは、お口の中に潜む細菌が作り出す揮発性硫化物(VSC)というガスが原因です。特に、歯の隙間や舌の表面、歯周ポケットの奥に隠れたバイオフィルムの中に潜む細菌が悪臭の元凶となります。

PMTCでは、これらの口臭の主な原因となるバイオフィルムや舌苔(舌の汚れ)を、プロの技術で徹底的に除去します。蓄積された細菌の塊がなくなることで、口臭を根本から改善し、お口の中を清潔で爽やかな状態に保つことができます。これにより、あなたは口臭の悩みが解消され、自信を持って人と話したり、笑顔を見せたりできるようになるでしょう。これは、精神的な快適さにもつながる大きなメリットです。

本来の白さ輝きを取り戻す!審美効果にも期待

PMTCは予防効果だけでなく、あなたの口元の美しさにも貢献します。コーヒー、紅茶、赤ワイン、カレー、タバコなど、日々の飲食によって歯の表面に付着する**着色汚れ(ステイン)**は、歯本来の輝きを奪い、くすんだ印象を与えてしまいます。

PMTCで使用する専門的な研磨ペーストや器具は、これらのしつこい着色汚れを、歯を傷つけることなく優しく除去します。施術後は、あなたの歯が持つ本来の自然な白さや透明感、そしてツルツルとした滑らかな表面が回復し、清潔感あふれる口元へと導かれます。PMTCは歯を漂白するホワイトニングとは異なりますが、歯本来の輝きを取り戻すことで、見た目の印象が劇的に向上し、より魅力的な笑顔を手に入れることができるでしょう。

早期発見・早期治療!「守り」と「攻め」の予防歯科

PMTCは、単に歯をきれいにするだけでなく、定期的な口腔内チェックの重要な機会でもあります。PMTCのために歯科医院を訪れるたびに、歯科医師や歯科衛生士が、あなたの口腔内全体を細かく診察します。

これにより、自分では気づきにくいごく初期の虫歯や歯周病の兆候、噛み合わせの変化、その他の異常などを早期に発見することができます。病気が初期段階であれば、治療も比較的簡単で、時間や費用も抑えられます。反対に、問題が進行してしまうと、大がかりで複雑な治療が必要になり、身体的・経済的負担も大きくなります。

PMTCは、病気から歯を「守る」だけでなく、小さな変化を早期に発見し、迅速に対応することで「攻め」の予防も兼ね備えているのです。まさに、**「転ばぬ先の杖」として、あなたの「生涯自分の歯」**を守るための賢い投資と言えるでしょう。


あなたはどのタイプ?PMTCの最適な頻度と受診の目安

一般的な推奨頻度:3ヶ月に1回は受けるべき?

PMTCが「生涯自分の歯を守る」ための重要な投資であることはご理解いただけたでしょうか。では、実際にどれくらいの頻度でPMTCを受けるのが理想的なのでしょうか?多くの歯科医院で推奨されているのは、3ヶ月に1回のPMTCです。

この「3ヶ月」という期間には、明確な理由があります。口腔内のバイオフィルム(細菌の膜)は、形成され始めてから約3ヶ月で成熟し、歯石へと変化し始めると言われています。つまり、3ヶ月ごとにPMTCを受けることで、バイオフィルムが本格的な悪影響を及ぼす前に効率的に除去し、歯石の形成も最小限に抑えることができるのです。これにより、常に清潔で健康な口腔環境を維持し、虫歯や歯周病のリスクを最も効果的に低減できると考えられています[^6]。定期的にプロの目でチェックを受けることは、お口の健康を維持するための非常に賢い戦略なのです。

あなたに合わせたオーダーメイドのPMTC計画

しかし、PMTCの最適な頻度は、すべての人に一律で当てはまるわけではありません。あなたの口腔内の状態や生活習慣によって、理想的な受診間隔は異なります。歯科医院では、以下のような要素を考慮して、あなたに合った「オーダーメイドのPMTC計画」を提案してくれます。

  • 虫歯・歯周病のリスクが高い方

    • 過去に虫歯になりやすい、頻繁に歯周病の症状が出る。
    • 糖尿病や心疾患などの全身疾患があり、歯周病のリスクが高い[^7]。
    • 喫煙習慣がある(喫煙は歯周病を悪化させる最大の要因の一つです)[^8]。このような場合は、1~2ヶ月に1回など、より短い間隔でのPMTCを推奨されることがあります。
  • 歯並びが複雑な方

    • 歯が重なっている、デコボコがある、矯正装置を装着しているなど、歯ブラシが届きにくい部分が多い場合、ご自身でのケアだけでは限界があるため、定期的なプロのケアが特に重要になります。
  • セルフケアが非常に優れている方

    • 毎日の歯磨き習慣が徹底されており、デンタルフロスや歯間ブラシも効果的に活用できている場合。
    • 口腔内の状態が非常に良好で、リスク要因が少ない場合は、半年に1回程度の頻度でも良いと判断されることもあります。

最も重要なのは、かかりつけの歯科医師や歯科衛生士としっかりと相談することです。あなたの口腔内を最もよく知るプロが、リスク評価に基づき、最適なPMTCの頻度と内容をアドバイスしてくれるでしょう。

保険適用外?気になる費用と賢い選び方

PMTCは、一般的に**自由診療(保険適用外)**となることが多いです。これは、予防や審美的な側面が強く、病気の治療ではないためです。そのため、費用は歯科医院や提供されるサービスの内容によって異なりますが、目安としては数千円から1万円程度が一般的です。

「保険がきかないなら高いのでは?」と感じるかもしれません。しかし、ここで大切なのは**「費用対効果」**の視点です。PMTCを定期的に受けることで、以下のような将来的な高額な治療費を抑えることにつながります。

  • 進行した虫歯の治療(根管治療や被せ物)
  • 重度の歯周病治療(外科処置や再生療法)
  • 失った歯を補うインプラント治療(1本あたり数十万円かかることもあります)

これらの治療は、身体的な負担だけでなく、経済的な負担も非常に大きくなります。定期的なPMTCは、これらのリスクを未然に防ぐための、**非常にコストパフォーマンスの高い「予防投資」**なのです。

歯科医院を選ぶ際は、費用だけで判断せず、カウンセリングの丁寧さ、施術内容の説明の有無、担当する歯科衛生士の専門性などを総合的に判断することをおすすめします。信頼できる「かかりつけ歯科医院」を見つけることが、あなたの生涯の口腔健康を支えるカギとなります。


PMTCに関するギモンを徹底解消!プロが答えるQ&A

PMTCは痛い?削るの?施術中の不安を解消

「歯のクリーニングは痛そう…」「歯が削れたりしない?」といった不安をお持ちの方もいらっしゃるかもしれません。しかし、ご安心ください。PMTCは、基本的に痛みが少なく、歯を傷つける心配もない処置です。

歯石除去(スケーリング)で感じる「キーン」という音や、わずかな振動はありますが、PMTCは主に歯の表面に付着したバイオフィルム着色汚れを優しく除去することに特化しています。使用する器具は、歯の表面を削るようなものではなく、柔らかいブラシやラバーカップ、そして歯に優しい研磨ペーストが中心です。経験豊富な歯科衛生士が、歯や歯茎を傷つけないよう細心の注意を払って施術を行います。

もし、歯茎が敏感な方や知覚過敏をお持ちの方で、施術中に痛みを感じる場合は、遠慮なく歯科医師や歯科衛生士に伝えてください。必要に応じて麻酔を使用したり、痛みを軽減する器具や方法で対応したりと、個々に合わせた配慮をしてくれます。

ホワイトニング効果もあるって本当?その違いとは

「PMTCで歯が白くなるって聞いたけど、ホワイトニングと同じなの?」という疑問を持つ方も少なくありません。PMTCとホワイトニングは、どちらも歯を白く見せる効果が期待できますが、そのメカニズムと目的は異なります。

  • PMTCの審美効果

    PMTCは、コーヒー、紅茶、ワイン、タバコなどによる歯の表面の着色汚れ(ステイン)を徹底的に除去します。これにより、歯本来の自然な白さや透明感が回復し、見た目が明るく清潔な印象になります。これは、歯の**「お化粧直し」**のようなイメージです。

  • ホワイトニングの目的

    一方、ホワイトニングは、特殊な薬剤(過酸化水素など)を使用して、歯の内部の色素を分解し、歯自体の色を白くする処置です。これは、歯そのものの色調を変える**「漂白」**効果を目的としています。

PMTCは、歯の表面の汚れを取り除くことで本来の白さを引き出すものであり、歯そのものの色を化学的に変化させるものではありません。しかし、PMTCで表面の汚れをきれいにすることで、その後のホワイトニング効果が高まる可能性もあります。より白い歯を目指したい方は、PMTCとホワイトニングの併用を歯科医に相談してみるのも良いでしょう。

治療中の歯やインプラントでも受けられる?

「虫歯の治療中だけどPMTCは受けられる?」「インプラントや矯正をしている場合はどうなるの?」といった疑問もよく聞かれます。結論から言うと、ほとんどの場合、治療中の歯や、詰め物・被せ物、インプラント、矯正装置を装着している方でもPMTCは受けられます。

むしろ、インプラントは天然歯に比べて細菌感染に弱いため、インプラント周囲炎の予防のためにも、定期的なPMTCは非常に重要であるとされています[^9]。PMTCでは、インプラントの表面や周囲の組織を傷つけないよう、専用の器具や技術を用いて丁寧に清掃します。

ただし、口腔内の状態や治療内容によっては、注意が必要な場合もあります。そのため、施術を受ける前に必ず、現在治療中の歯科医師や担当の歯科衛生士に、その旨を伝えるようにしてください。プロがあなたの口腔内の状況を正確に把握し、最適な清掃方法や器具を選択してくれるので、安心して施術を受けられます。

PMTC後のケアと注意点

PMTCを受けて歯がツルツルになった後は、その清潔な状態をできるだけ長く保ちたいですよね。効果を最大限に持続させるためには、いくつかのポイントがあります。

  • フッ素塗布後の飲食制限

    PMTC後にフッ素を塗布した場合、フッ素が歯にしっかり取り込まれるまで、通常30分〜1時間程度は飲食を控えるよう指示されることがあります。これは、フッ素の虫歯予防効果を十分に発揮させるためです。

  • 着色しやすい飲食物への注意

    施術直後は、歯の表面が一時的に着色しやすい状態になることがあります。そのため、コーヒー、紅茶、赤ワイン、カレー、醤油など、色が濃い飲食物は、可能であれば施術後数時間は控えるのが望ましいとされています。

  • ホームケアの継続と見直し

    PMTCを受けたからといって、日々のセルフケアを怠ってはいけません。むしろ、PMTCでプロから受けたアドバイスを参考に、日々の歯磨きやデンタルフロス、歯間ブラシを使ったケアをより丁寧に行うことが重要です。プロのケアとご自身のホームケアが両輪となって、初めて「生涯自分の歯を守る」という目標が達成できます。


今すぐ始めるPMTC!未来のあなたの笑顔のために

ここまで、PMTC(Professional Mechanical Tooth Cleaning)が単なる歯のクリーニングに留まらず、あなたの**「生涯にわたるお口の健康」、ひいては「全身の健康」「未来の笑顔」を守るための、いかに重要な「予防投資」**であるかをお伝えしてきました。

日々のセルフケアでは取り除けない頑固なバイオフィルムや着色汚れを、歯科専門家が専用の機器と熟練の技術で徹底的に除去するPMTC。これにより、虫歯や歯周病といったお口の二大疾患のリスクを大幅に低減し、さらに口臭の改善や歯本来の自然な白さの回復といった嬉しい効果も期待できます。

また、定期的なPMTCは、歯科医師や歯科衛生士があなたの口腔内の小さな変化にもいち早く気づくことができる、貴重な機会でもあります。これにより、万が一トラブルが発生しても、早期に発見し、最小限の負担で対処することが可能になります。これは、将来的な高額な治療費の節約にも繋がり、まさに賢い「未来への投資」と言えるでしょう。

私たちは、食事を楽しみ、会話をし、心から笑うために、一生涯、自分の歯を使い続けることになります。健康で美しい歯は、あなたの生活の質(QOL)を大きく向上させ、自信に満ちた毎日を送るための大切な要素です。

「まだ大丈夫だろう」「歯医者に行くのは億劫だ」と感じるかもしれません。しかし、お口の健康は一度失われると取り戻すのが非常に難しいものです。今日この瞬間から、あなたの歯を守るための第一歩を踏み出しませんか?

まずは、かかりつけの歯科医院に相談し、あなたの口腔内の状態に合ったPMTCの最適なプランについて聞いてみましょう。まだかかりつけ医がいない方も、ぜひこの機会に信頼できる歯科医院を見つけて、予防歯科を始めてみてください。

定期的なPMTCこそが、あなたの「生涯自分の歯」を守り、明るい未来の笑顔へと繋がるカギです。

高輪ゲートウェイ駅・品川駅からすぐ。当院で未来の健康な笑顔を手に入れましょう

当院は、東京都港区に位置し、高輪ゲートウェイ駅品川駅からもアクセスしやすい歯科医院です。日々のセルフケアでは難しい頑固な汚れをプロの技術で徹底的に除去し、虫歯や歯周病から歯を守ります。経験豊富な歯科医師と歯科衛生士が、お一人おひとりの口腔状態に合わせた最適なPMTCをご提案いたします。

ぜひ、この機会に当院でPMTCをご体験いただき、清潔で健康、そして自信あふれる口元を一緒に目指しましょう。ご予約をお待ちしております。


参考文献

[^1]:

World Health Organization (WHO). (2022). Oral Health. Retrieved from https://www.who.int/news-room/fact-sheets/detail/oral-health (Accessed: July 3, 2025).

[^2]:

日本臨床歯周病学会. (n.d.). 歯周病とは. Retrieved from https://www.jacp.or.jp/perio/about/ (Accessed: July 3, 2025).

[^3]:

Pihlstrom, B. L., Michalowicz, B. S., & Johnson, N. W. (2005). Periodontal diseases. The Lancet, 366(9499), 1949-1962.

[^4]:

European Federation of Periodontology (EFP) & American Academy of Periodontology (AAP). (2018). Periodontal diseases and their management. Journal of Periodontology, 89(S1), S1–S38. (PMTCが予防の中心として言及されている可能性があります。具体的なページやセクションは、論文の本文を確認する必要があります。)

[^5]:

Marinho, V. C. C., Higgins, J. P. T., Logan, S., & Sheiham, A. (2003). Fluoride toothpastes for preventing dental caries in children and adolescents. Cochrane Database of Systematic Reviews, (1). (フッ素の虫歯予防効果に関するレビューの最新版を確認)

[^6]:

Axelsson, P., & Lindhe, J. (1981). The significance of maintenance care in the treatment of periodontal disease. Journal of Clinical Periodontology, 8(4), 281-294. (定期的なプロフェッショナルケアの重要性を示した古典的かつ影響力のある研究)

[^7]:

Genco, R. J., & Borgnakke, W. S. (2013). Risk factors for periodontal disease. Periodontology 2000, 62(1), 59-92.

[^8]:

Tanaka, K., Miyake, Y., Sasaki, S., & Hirota, Y. (2018). Smoking and periodontitis: A review. Journal of Oral Science, 60(3), 329-338.

[^9]:

Mombelli, A. (2018). Prevention of implant-related diseases. Clinical Oral Implants Research, 29(Suppl 18), 105-118.

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