「歯周病は、ただの口の病気じゃない!?」
「歯周病と診断されたけれど、まさか全身の病気と関係があるなんて…」
多くの方が、歯周病は「歯ぐきから血が出る」といったお口だけの問題だと思いがちです。しかし、近年の研究で、歯周病がお口の中だけでなく、心臓病、糖尿病、肺炎など、全身のさまざまな病気と深く関わっていることが明らかになっています。
今回は、歯周病がなぜ「万病のもと」とも呼ばれるのか、その意外な関係についてお話しします。
歯周病菌が引き起こす「負の連鎖」
歯周病が進行すると、歯ぐきの血管から歯周病菌や炎症物質が血液に乗って全身を巡ります。
- 糖尿病: 歯周病菌が出す毒素が、血糖値を下げる「インスリン」の働きを妨げ、糖尿病を悪化させることがわかっています。逆に、糖尿病になると免疫力が下がり、歯周病も悪化しやすくなるという相互関係にあります。歯周病と糖尿病について、詳しくはこちら
- 心臓病・動脈硬化: 歯周病菌が血管に侵入すると、血管の壁に炎症を起こし、動脈硬化を促進します。これが、心筋梗塞や脳梗塞のリスクを高める原因の一つと考えられています。
- 誤嚥性肺炎: 高齢者の場合、お口の中の歯周病菌が、食べ物や唾液と一緒に誤って気管に入り、肺で炎症を起こす誤嚥性肺炎の原因となることがあります。
歯科と医科の連携が、健康な未来を創る
このように、歯周病は全身の健康状態を映す鏡のようなものです。当院では、お口の中の健康だけでなく、患者様一人ひとりの全身の健康状態も考慮に入れた治療を行っています。
- 精密な検査で、歯周病の進行度を正確に診断します。
- 必要に応じて、かかりつけの内科医と連携し、総合的な健康管理をサポートします。
「たかが歯周病」と軽視せず、お口の健康を保つことが、全身の健康を守るための第一歩です。気になる方は、ぜひ一度ご相談ください。
これまでの連載はこちらから
- 第13回:親知らずの抜歯:本当に必要なの?
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- 第12回:口臭の原因と対策:エチケットを超えた健康のサイン
- 第11回:セラミック治療のメリット・デメリットと選び方
- 第10回:噛み合わせの重要性:全身の不調を改善する可能性
- 第9回:痛みの少ない治療を目指す当院の取り組み
- 第8回:治療の選択肢:インプラント・ブリッジ・入れ歯の選び方
- 第7回:歯周病は沈黙の病気?自覚症状のないまま進行する怖さ
- 第6回:治療後のアフターケア:メンテナンスが『最後の治療』である理由
- 第5回:治療費への不安を解消する『当院の料金体系』
- 第4回:治療のゴールを共有するカウンセリングの重要性
- 第3回:包括的な治療の第一歩:精密な診断がすべてを変える
- 第2回:部分的な治療が招くドミノ倒しの危険性
- 第1回:なぜ、歯の治療は繰り返すのでしょうか?
次回は、「歯周病治療の『次のステップ』:再発を防ぐための大切なこと」について詳しくお話しします。