column 包括的歯科治療

歯を失ったまま放置すると、なぜ「ドミノ倒し」が起きるのか?

2025.07.17

「一本くらいなくても、大丈夫だろう…」という危険な落とし穴

「奥歯だから見えないし、噛むのには困らないだろう」

歯を1本失ったとき、そのままでも大丈夫だと考えてしまう方は少なくありません。しかし、その「放置」という選択が、お口全体に**「ドミノ倒し」のように次々と問題を引き起こす**ことをご存知でしょうか。

今回は、歯を失ったまま放置することの危険性について、そのメカニズムを詳しくお話しします。

「ドミノ倒し」の始まり:3つの危険な連鎖

歯は、それぞれが支え合うことで、お口全体のバランスを保っています。しかし、1本でも欠けると、そのバランスは崩れ、次のような連鎖的な問題が始まります。

  1. 隣の歯が倒れ始める
    • 抜けた歯のスペースを埋めようと、両隣の歯が少しずつ傾いてきます。これにより、歯並びが乱れ、見た目が悪くなるだけでなく、歯の隙間に汚れが溜まりやすくなります。
    • この問題がどのように連鎖するか、第2回コラム「ドミノ倒しの危険性」でも解説していますので、ぜひご覧ください。
  2. 噛み合う相手の歯が伸びる
    • 歯を失った部分の、上下の噛み合う相手の歯は、支えを失って徐々に伸びてきます。これにより、噛み合わせがさらにずれて、**顎や全身の不調**につながることがあります。
  3. 顎の骨が痩せていく
    • 歯は、噛む力を顎の骨に伝えることで、骨に刺激を与え、その状態を保っています。しかし、歯を失うと刺激が伝わらなくなり、骨は徐々に吸収され、痩せてしまいます。これにより、将来的に治療が難しくなるだけでなく、顔の輪郭にも影響が出ることがあります。

ドミノ倒しを止めるために、今できること

「歯を失った」という問題は、**「失った歯をどう補うか」というだけでなく、「ドミノ倒しをどう止めるか」**という視点が重要です。

当院では、患者様のお口全体を精密に検査し、今起きている問題だけでなく、将来的なリスクまで見据えた治療計画をご提案します。

失われた歯を補う治療法として、インプラント、ブリッジ、入れ歯があります。それぞれのメリット・デメリットを比較し、**あなたに最適な治療法**を一緒に見つけていきましょう。

「もうすでに放置してしまっている…」という方も、諦めないでください。まずは一度、お口全体の状態をチェックし、これ以上悪化させないための第一歩を踏み出しましょう。

これまでの連載はこちらから

次回は、「歯周病は、歯ぐきの腫れや出血だけじゃない」について詳しくお話しします。

監修

院長

山脇 史寛Fumihiro YAMAWAKI

  • 略歴

    2009年
    日本大学歯学部卒業
    2009年
    日本大学歯学部附属病院研修診療部
    2010年
    東京医科歯科大学歯周病学分野
    2010年
    やまわき歯科医院 非常勤勤務
    2015年
    酒井歯科クリニック
    2021年
    泉岳寺駅前歯科クリニック 開院
  • 所属学会・資格

    • 日本歯周病学会 認定医
    • 日本臨床歯周病学会
    • アメリカ歯周病学会
    • 臨床基礎蓄積会
    • 御茶ノ水EBM研究会
    • Jiads study club Tokyo(JSCT)
    • P.O.P.(歯周-矯正研究会)
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