column 包括的歯科治療

包括的な治療は『高額』?いいえ、それは『健康寿命を伸ばす選択』です

2025.08.26

包括的な治療は『高額』?いいえ、それは『健康寿命を伸ばす選択』です

「歯科治療は、痛いところだけ、悪いところだけ治せばいい」とお考えの方もいらっしゃるかもしれません。もちろん、目の前の問題を解決することは大切です。しかし、その場限りの治療を繰り返すと、歯の健康は少しずつ損なわれ、やがては全身の健康にも影響を及ぼす可能性があります。

私たちが大切にしている包括的な歯科治療は、ただ単に歯を治すだけでなく、患者様一人ひとりの「健康寿命」を伸ばすための選択です。

歯の健康は、全身の健康に直結しています

「お口の健康が、全身の健康とどう関係するの?」と不思議に思われるかもしれません。実は、密接な関係があることが多くの研究で明らかになっています。

  • 糖尿病との関係 歯周病菌が血糖値を下げるインスリンの働きを妨げ、糖尿病を悪化させる一因となることがあります。
  • 心臓病・脳卒中との関係 歯周病菌が血液の流れに乗って全身をめぐり、動脈硬化を進行させ、心筋梗塞や脳梗塞のリスクを高めると言われています。
  • 認知症との関係 健康な歯が少なくなり、十分に噛むことができなくなると、脳への刺激が減少し、認知機能の低下につながる可能性が指摘されています。

このように、お口のトラブルは、単に「歯が痛い」という問題に留まらず、全身の病気と深く関わっているのです。

包括的な治療が「健康寿命」を延ばす理由

包括的な歯科治療は、お口全体の健康を根本から改善することで、これらのリスクを低減させ、患者様の健康寿命を伸ばすことにつながります。

  1. 根本原因の徹底的な解決 虫歯や歯周病、咬み合わせの乱れなど、お口のすべての問題を総合的に診断し、その根本原因を特定します。その上で、治療計画を立てることで、将来的なリスクを未然に防ぎ、悪循環を断ち切ります。
  2. ご自身の歯を長く守る 包括的な治療は、ご自身の歯を一本でも多く、長く残すことを目指します。入れ歯やインプラントも優れた治療法ですが、ご自身の天然の歯に勝るものはありません。健康な歯が多ければ多いほど、しっかりと噛むことができ、食事が美味しく感じられるだけでなく、脳への適切な刺激を保つことができます。
  3. 生涯にわたるQOL(生活の質)の向上 健康な歯は、美味しい食事を楽しむ、人とのおしゃべりを楽しむ、心から笑うといった、日々の生活の質を大きく向上させます。また、咬み合わせのバランスを整えることで、頭痛や肩こりの改善も期待できます。これは、単に治療の費用や期間といった側面だけでは測れない、かけがえのない価値です。

包括的な治療は、決して贅沢な治療ではありません。それは、将来の自分への最高の投資であり、**「健康寿命を伸ばすための賢明な選択」**です。私たちは、患者様がいつまでも健やかで豊かな人生を送れるよう、全力でサポートいたします。

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次回は、「保険診療と自費診療、歯科医が考える本当の違いとは」について、お話しします。

監修

院長

山脇 史寛Fumihiro YAMAWAKI

  • 略歴

    2009年
    日本大学歯学部卒業
    2009年
    日本大学歯学部附属病院研修診療部
    2010年
    東京医科歯科大学歯周病学分野
    2010年
    やまわき歯科医院 非常勤勤務
    2015年
    酒井歯科クリニック
    2021年
    泉岳寺駅前歯科クリニック 開院
  • 所属学会・資格

    • 日本歯周病学会 認定医
    • 日本臨床歯周病学会
    • アメリカ歯周病学会
    • 臨床基礎蓄積会
    • 御茶ノ水EBM研究会
    • Jiads study club Tokyo(JSCT)
    • P.O.P.(歯周-矯正研究会)
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