column 包括的歯科治療

歯周病治療は本当に痛い?

2025.09.17

「歯周病治療は痛い」「歯医者に行くのが怖い」というイメージをお持ちの方も少なくありません。特に、歯ぐきの奥深くを治療すると聞くと、不安に感じるのは当然です。

今回は、そんな不安を少しでも和らげるために、当院がどのように患者さんの痛みに配慮しているかをお話しします。

痛みの原因と、その軽減策

歯周病治療で痛みを伴う主な原因は、歯周ポケットの奥にこびりついた歯石やプラーク(歯垢)を取り除く処置です。炎症を起こした歯ぐきは敏感になっており、少しの刺激でも痛みを感じやすい状態にあります。

しかし、当院では患者さんの痛みを最小限に抑えるための工夫をしています。

  • 丁寧なヒアリング: まずは患者さんの痛みの感じ方や、過去の治療で嫌だったことなどをしっかりお聞きします。
  • 麻酔の活用: 必要に応じて、麻酔を使用します。麻酔注射の前に表面麻酔を塗ることで、注射針が刺さる際の痛みを和らげます。
  • 器具の選定: 患者さんの歯ぐきの状態や歯石のつき具合に合わせて、最適な器具を選び、丁寧に処置を行います。

「痛い」と感じる原因を一つひとつ丁寧に取り除き、患者さんが安心して治療を受けられるように心がけています。

痛みを我慢しないことが大切

治療中に痛みを感じた場合は、我慢せずにすぐにお知らせください。私たちは、無理に治療を進めることはありません。麻酔を追加したり、いったん休憩を挟んだりしながら、患者さんのペースに合わせて進めます。

「痛みを我慢すれば早く終わる」と考える方もいますが、我慢によって体がこわばると、かえって痛みを感じやすくなったり、治療がスムーズに進まなかったりすることがあります。痛みを感じたら、遠慮なくお声がけいただくことが、結果的にスムーズな治療につながります。

歯周病治療は「健康への第一歩」

歯周病治療は、単に痛い処置ではありません。歯ぐきの炎症を抑え、歯を健康な状態に戻すための大切な一歩です。そして、その先の「おいしく食事を楽しむこと」「人前で自信を持って笑うこと」につながる、未来への投資でもあります。

痛みや不安を感じて、治療をためらっている方は、ぜひ一度ご相談ください。私たちは、患者さんの声に耳を傾け、一人ひとりに合った治療方法をご提案します。

これまでの連載はこちらから

次回は、「最新の歯周病治療:痛みを抑え、再発を防ぐアプローチ」について、お話しします。

監修

院長

山脇 史寛Fumihiro YAMAWAKI

  • 略歴

    2009年
    日本大学歯学部卒業
    2009年
    日本大学歯学部附属病院研修診療部
    2010年
    東京医科歯科大学歯周病学分野
    2010年
    やまわき歯科医院 非常勤勤務
    2015年
    酒井歯科クリニック
    2021年
    泉岳寺駅前歯科クリニック 開院
  • 所属学会・資格

    • 日本歯周病学会 認定医
    • 日本臨床歯周病学会
    • アメリカ歯周病学会
    • 臨床基礎蓄積会
    • 御茶ノ水EBM研究会
    • Jiads study club Tokyo(JSCT)
    • P.O.P.(歯周-矯正研究会)
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