column 審美歯科

ジルコニアの「真の魅力」とは? プラークを寄せつけない滑沢性がつくる、未来の健康な口腔環境

2025.09.08

「また、同じ歯が虫歯になってしまった…」

過去に治療したはずの歯が、なぜか何度も再発してしまう。そんなお悩みを抱えていらっしゃいませんか?

多くの患者様は、詰め物や被せ物を選ぶ際、「見た目の自然さ」や「丈夫さ」を重視されます。もちろんこれらも大切ですが、実は見過ごされがちな**「素材そのものが持つ性質」**が、その後の口腔環境を大きく左右するのです。

治療を繰り返す「負の連鎖」を断ち切る鍵は、素材選びにあった

従来の歯科治療では、保険適用の「銀歯」や「レジン(プラスチック)」が広く使われてきました。これらは一時的に虫歯を治療しますが、時間の経過とともにその限界が見えてきます。

一見問題ないように見えても、こうしたミクロの隙間や凹凸こそが、プラーク(歯垢)の絶好の隠れ家となり、再発の温床となってしまうのです。これが、いくら丁寧にブラッシングしても虫歯や歯周病を繰り返してしまう「負の連鎖」の始まりです。

私たちは、この「プラークの温床」という根本的な問題を解決することが、真の予防につながると考えています。そして、その鍵を握るのが、歯科治療の未来を変えると言われる新素材ジルコニアです。

なぜプラークが付かない? ジルコニアが持つ「滑沢性」の科学

「ジルコニアはなぜプラークが付きにくいのですか?」

この疑問の答えは、肉眼では見えないミクロの世界に隠されています。

従来の保険診療で使われる銀歯やレジンは、表面がざらざらとしていて、無数の微細な凹凸が存在します。これらの凹凸は、まるでプラーク菌が隠れるための「岩肌」のようなもので、歯ブラシの毛先が届きにくいため、いくら丁寧に磨いても菌が残りやすい環境を作り出してしまいます。

一方、ジルコニアの表面は、まるで氷の上のように極めて滑らかです。これは、ジルコニアの結晶構造が非常に高密度で均質であるためです。2020年に発表されたシステマティックレビュー論文でも、ジルコニアは他の歯科材料と比較して、細菌の付着が著しく少ないことが科学的に証明されています¹。

この**「プラークを寄せつけない滑沢性」**こそが、ジルコニアがもたらす最大のメリットの一つなのです。

滑沢性がもたらす、虫歯・歯周病リスクの根本的解決

ジルコニアの滑沢性は、口腔内全体の健康を長期的に守る上で非常に重要な役割を果たします。特に、虫歯や歯周病のリスクを根本から解決するという点において、その真価が発揮されます。

歯周病は、プラークに潜む歯周病菌が歯茎に炎症を引き起こし、最終的には歯を支える骨を溶かしてしまう病気です。一度進行すると元に戻すのが難しく、糖尿病や心臓病といった全身疾患のリスクを高めることも最新の研究で明らかになっています。

従来の被せ物のようにプラークが付着しやすい環境は、この歯周病の「負のサイクル」を加速させてしまいます。しかし、プラークが付着しにくいジルコニアは、このサイクルの最初のステップを断ち切る強力な武器となります。2024年に発表された最新の研究レビューでも、ジルコニアの表面が他の修復物よりもプラークの付着を抑制し、歯周組織の健康を維持する上で優れていることが改めて示されました²。

単なる素材では終わらせない。当院が追求するジルコニア治療の真価

ジルコニアは確かに優れた素材です。しかし、どれほど良い材料であっても、それを扱う歯科医師の技術力が伴わなければ、その真のポテンシャルを最大限に引き出すことはできません。

当院は、単にジルコニアを使うだけでなく、その滑沢性を最大限に活かし、長期的な口腔健康を守るための精密な治療を追求しています。マイクロスコープなどの精密機器を用いて、ミクロン単位の正確さで歯を形成し、プラークの侵入を許さない理想的な適合性を実現します。また、口腔内で丁寧に最終調整と研磨を行うことで、ジルコニア本来の滑沢性を最大限に引き出し、ジルコニア治療の真価を提供しています。

未来の口腔健康への「賢い投資」を、今。

ジルコニアによる治療は、単に「見た目が美しい」「丈夫で長持ちする」というだけでなく、虫歯や歯周病の原因となるプラークの付着を根本から抑制する、予防的な価値を持っています。

これは、治療後の再発リスクを大幅に低減し、将来にわたる口腔の健康を維持するための「賢い投資」と言えるでしょう。

「現状の治療に満足できない」「根本的な解決を求めている」という方は、ぜひ一度、泉岳寺駅前歯科クリニックにご相談ください。私たちは、あなたの生涯にわたるお口の健康パートナーとして、最適な治療法をご提案させていただきます。


よくあるご質問 (FAQ)

Q1. ジルコニアは保険適用になりますか? 残念ながら、現在、ジルコニアは保険適用外の自費診療となります。しかし、その優れた耐久性やプラーク付着抑制効果による再治療リスクの低減を考えると、長期的な視点では結果的に経済的なメリットが大きいと考えられます。

Q2. ジルコニアは割れたり欠けたりしませんか? ジルコニアは、人工ダイヤモンドとしても知られる非常に硬い素材です。従来のセラミックに比べて圧倒的に強度が高いため、奥歯など強い力がかかる部分にも安心してご使用いただけます。

Q3. 金属アレルギーの心配はありませんか? はい、ご安心ください。ジルコニアは金属を一切使用しない「メタルフリー」の素材です。そのため、金属アレルギーの心配がなく、どなたでも安心して治療を受けていただけます。


泉岳寺駅前歯科クリニックのご案内

当院は、東京都港区に位置する、泉岳寺駅の駅前歯科クリニックです。

  • 都営浅草線・京急線 泉岳寺駅A3出口より徒歩1分

また、JR山手線 高輪ゲートウェイ駅品川駅からもアクセスが良く、都内各所から便利にご来院いただけます。

お口の健康に関するお悩みや、ジルコニア治療について詳しく知りたい方は、お気軽にお問い合わせください。

当院のウェブサイトはこちらからご覧いただけます:https://sengakuji-ekimae-dental.com/


参考文献

  1. Al-Haj Husain, Y. N., et al. (2020). Bacterial Adhesion to Different Zirconia Surfaces: A Systematic Review and Meta-Analysis. Materials (Basel), 13(13), 2963.
  2. Abas, R. R., et al. (2024). Adhesion and Growth of Periodontal Pathogens on Zirconia Surfaces: A Recent Update. Journal of Clinical Medicine, 13(5), 1332.

監修

院長

山脇 史寛Fumihiro YAMAWAKI

  • 略歴

    2009年
    日本大学歯学部卒業
    2009年
    日本大学歯学部附属病院研修診療部
    2010年
    東京医科歯科大学歯周病学分野
    2010年
    やまわき歯科医院 非常勤勤務
    2015年
    酒井歯科クリニック
    2021年
    泉岳寺駅前歯科クリニック 開院
  • 所属学会・資格

    • 日本歯周病学会 認定医
    • 日本臨床歯周病学会
    • アメリカ歯周病学会
    • 臨床基礎蓄積会
    • 御茶ノ水EBM研究会
    • Jiads study club Tokyo(JSCT)
    • P.O.P.(歯周-矯正研究会)
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