column 審美歯科

長期的な「歯の寿命」を考える:ジルコニア治療がもたらす究極の費用対効果

2025.09.20

その「安価な治療」、本当に満足していますか?

繰り返される「再治療の連鎖」がもたらす見えない悩み

「せっかく治療した銀歯がまた取れてしまった…」「白い詰め物にしたのに、しばらく経つと再び虫歯になってしまった…」

このような経験は、多くの方が一度は体験されたことがあるのではないでしょうか。保険診療で用いられる銀歯やレジンといった素材は、初期費用を抑えられるというメリットがある一方で、残念ながら長期的な耐久性には限界があるのが現状です。その結果、数年おきに再治療を繰り返すことになり、そのたびに健康な歯を少しずつ削らなければなりません。

目先の費用は安くても、このような「再治療の連鎖」は、私たちの歯の寿命をじわじわと削り、やがては抜歯へと繋がるリスクをはらんでいます。

なぜ、せっかく治した歯が再び悪くなるのか?

その原因は、素材の特性にあります。例えば、銀歯は経年劣化により金属が溶け出すことで、歯と詰め物の間にわずかな隙間が生じやすくなります。この隙間から細菌が侵入し、内部で虫歯が再発してしまうのです。また、銀歯やレジンは表面にプラーク(歯垢)が付着しやすく、日々の歯磨きだけでは汚れを完全に除去しきれないことがあります。これが、歯周病や新たな虫歯を引き起こす原因ともなります。

では、この負のサイクルを断ち切り、一度治療した歯を長く守るための根本的な解決策はないのでしょうか?答えは「はい」です。その新しい選択肢こそが、ジルコニア治療なのです。

なぜジルコニアが「再治療の連鎖」を断ち切るのか

人工ダイヤモンドが叶える、圧倒的な耐久性

ジルコニアは、人工関節にも使用されるほど強度の高い素材です。その強度は、天然のダイヤモンドにも匹敵するといわれ、「人工ダイヤモンド」とも称されます。

この圧倒的な強度が、奥歯のような強い力がかかる部位でも割れたり欠けたりするリスクを大幅に減らします。2017年の研究では、ジルコニア製の補綴物(詰め物や被せ物)が、従来のセラミックよりも優れた耐摩耗性を示すことが報告されています。また、ジルコニアは長期的な臨床成功率が非常に高いことが複数の研究で証明されており、5年間の追跡調査では高い生存率が確認されています]。これにより、一度治療すれば長期間にわたって安定した状態を保つことができ、再治療のために健康な歯を削る必要がなくなるのです。ご自身の歯を最大限に残すという観点からも、ジルコニアは非常に有効な選択肢といえます。

プラークを寄せ付けない表面構造の秘密

ジルコニアは表面が非常に滑らかで、プラーク(歯垢)が付着しにくいという特性を持っています。これは、細菌が定着する足場を物理的に作りにくくするため、虫歯や歯周病の再発リスクを低減させることに直結します。

最新の研究でも、ジルコニアがプラークの付着を抑制する効果が高いことが示されており、これは長期的な口腔内の健康維持に大きく貢献します[。日常の歯磨きもより効果的になり、セルフケアの質を向上させることができます。

長期的な口腔内の健康を支える「生体親和性」

ジルコニアは金属を一切使用していないため、金属アレルギーの心配がありません。また、歯ぐきとの馴染みが非常に良いため、銀歯のように歯ぐきが黒ずむ「ブラックマージン」の心配も不要です。これにより、見た目の美しさを保ちつつ、歯ぐきの健康も守ることができます。

ジルコニアの高い生体親和性は、身体に優しい素材として国際的にも認められており、長期にわたって安心してご使用いただけます[

見えないコストを減らす:ジルコニアがもたらす長期的な費用対効果

初期費用だけではない、歯科治療の「本当のコスト」

多くの方が歯科治療の費用を考える際、まず頭に浮かぶのは「初期費用」ではないでしょうか。保険治療は数千円から数万円で治療が完了するため、一見すると非常に安価に思えます。

しかし、前章で述べたように、その素材の特性から再治療を繰り返す可能性が高いのが事実です。治療のたびに費用がかかり、最終的にはトータルコストが当初の予想をはるかに上回ってしまうケースは少なくありません。

一方で、ジルコニア治療は保険適用外のため初期費用は高くなりますが、一度治療すれば長期間にわたって安定した状態を保てるため、結果として再治療にかかる費用を大幅に削減できます。長期的な視点で見ると、ジルコニア治療の方が経済的であると結論づけることができます[

時間、痛み、そして精神的ストレスを削減する未来への選択

再治療のたびに必要な**「通院時間」「治療の痛み」、そして「また治療するのか…」という「精神的ストレス」**も、私たちにとって大きなコストです。

ジルコニアは、これらの見えないコストを削減する**「未来への選択」**です。治療回数が減ることで、貴重な時間を他のことに使うことができます。また、治療の痛みやストレスから解放されることで、より快適で質の高い日々を送ることが可能になります。

歯の健康は、人生の質を高めるための「資産」

私たちは「歯の健康」を、単なる身体の一部として捉えがちです。しかし、健康な歯は**「美味しく食事ができる喜び」「人前で自信を持って笑えること」、ひいては「健康寿命」**にまで深く関わっています。

ジルコニア治療という未来を見据えた選択は、このかけがえのない価値を守り、高めるための行動です。それは、単なる医療費ではなく、将来のQOL(生活の質)を向上させるための「資産」なのです。

泉岳寺駅前歯科クリニックが目指す「再治療のない未来」

当院が最も大切にしていること、それは**「再治療のない未来」**を患者様と共に創り上げていくことです。私たちは、ただ痛い部分を治療するだけではなく、なぜその歯が悪くなったのかという根本原因を徹底的に追求します。

虫歯や歯周病の原因を突き止め、患者様一人ひとりのライフスタイルに合わせた最適な治療計画をご提案します。ジルコニア治療は、この当院の理念を具現化する上で、欠かせない選択肢の一つです。高い耐久性と生体親和性を持つジルコニアは、治療した歯を長期間にわたって守り、再治療のリスクを最小限に抑えます。

まとめ:未来の笑顔のために、今、賢い選択を

本コラムでは、ジルコニア治療がもたらす長期的な費用対効果について解説しました。目先の安さに惑わされず、時間やストレスといった「見えないコスト」も含めたトータルで歯科治療を考えることの重要性をご理解いただけたのではないでしょうか。

ジルコニアという未来を見据えた選択は、ご自身の歯の寿命と、未来の笑顔を守るための賢い選択です。もし今、お口の悩みがあり、それを根本から解決したいと願うのであれば、ぜひ一度、泉岳寺駅前歯科クリニックにご相談ください。あなたの未来の健康と笑顔のために、私たちがお手伝いさせていただきます。

よくあるご質問

Q1. ジルコニア治療はどのような人におすすめですか? A1. 銀歯が目立って笑うことに抵抗がある方、治療した歯が何度も欠けたり取れたりして悩んでいる方、将来的な再治療のリスクを減らしたいと考えている方におすすめです。

Q2. ジルコニア治療の費用はどのくらいですか? A2. ジルコニアは保険適用外の自由診療となります。治療内容やお口の状態によって費用は異なりますので、まずは一度ご来院いただき、詳細なカウンセリングを受けていただくことをおすすめします。

Q3. 治療期間はどのくらいかかりますか? A3. お口の状態や治療する本数によって異なりますが、ジルコニアの型取りから装着までは比較的短期間で完了することが多いです。正確な期間については、カウンセリング時にご説明いたします。

泉岳寺駅前歯科クリニックのご案内

当院は、東京都港区に位置し、高輪ゲートウェイ駅や品川駅からもアクセスしやすい場所にございます。特に、都営浅草線・京急線「泉岳寺駅」のA3出口からは徒歩1分と、非常に便利です。お仕事帰りや買い物のついでにもお気軽にお立ち寄りいただけます。

参考文献

Al-Dwairej B, et al. In vitro evaluation of wear resistance and fracture strength of monolithic zirconia and porcelain-fused-to-metal crowns. J Prosthodont. 2017.

Butz F, et al. Long-term survival and clinical performance of zirconia-based all-ceramic restorations. J Dent. 2019.

Lohbauer U, et al. Zirconia in dentistry: an overview. J Oral Sci. 2021.

Raigrodski AJ. Clinical and laboratory considerations for zirconia-based restorations: an update. Dent Clin North Am. 2013.

Zaruby K, et al. Cost-effectiveness of CAD/CAM-fabricated zirconia crowns versus conventional porcelain-fused-to-metal crowns. J Prosthet Dent. 2017.

監修

院長

山脇 史寛Fumihiro YAMAWAKI

  • 略歴

    2009年
    日本大学歯学部卒業
    2009年
    日本大学歯学部附属病院研修診療部
    2010年
    東京医科歯科大学歯周病学分野
    2010年
    やまわき歯科医院 非常勤勤務
    2015年
    酒井歯科クリニック
    2021年
    泉岳寺駅前歯科クリニック 開院
  • 所属学会・資格

    • 日本歯周病学会 認定医
    • 日本臨床歯周病学会
    • アメリカ歯周病学会
    • 臨床基礎蓄積会
    • 御茶ノ水EBM研究会
    • Jiads study club Tokyo(JSCT)
    • P.O.P.(歯周-矯正研究会)
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