家族に歯周病患者がいても大丈夫!遺伝リスクを理解し、あなたのお口を守る
「私の親も歯周病で苦労したから、きっと私も歯周病になりやすいんだ…」
もしあなたの家族に歯周病の経験者がいるなら、そう感じたことがあるかもしれません。実際、泉岳寺駅前歯科クリニックにご来院される患者様の中にも、ご家族の口腔状態を心配し、ご自身の歯周病リスクについて不安を抱えている方は少なくありません。
特に、若くして歯周病を発症したり、重症化したりしたご家族がいる場合、「遺伝」という言葉が頭をよぎるのは自然なことです。漠然とした不安を抱えたままでは、適切な歯周病予防や治療に踏み出せないこともあるでしょう。
しかし、ご安心ください。このコラムでは、歯周病と遺伝の関係性について最新の科学的知見をもとに分かりやすく解説し、その不安を解消します。そして、あなたのお口の健康を生涯守るためのオーダーメイド予防法について、具体的なヒントをお届けします。
遺伝だけじゃない?歯周病発症の複合的な要因
歯周病は、しばしば「国民病」とも呼ばれるほど多くの人が罹患する病気です。そして、その原因は「遺伝」だけではありません。歯周病は、複数の要因が複雑に絡み合って発症・進行する多因子疾患であることが、現在の歯科医療の共通認識です。
主な要因としては、口腔内の細菌感染が挙げられます。歯と歯茎の間に溜まる**プラーク(歯垢)**の中の細菌が、歯周病の直接的な引き金となります。しかし、同じように細菌がいても歯周病になる人とならない人がいるのはなぜでしょうか?
ここで関わってくるのが、細菌以外の要因です。例えば、以下のようなものが挙げられます。
- 生活習慣: 喫煙、食生活(特に糖質の過剰摂取)、ストレス、睡眠不足など
- 全身疾患: 糖尿病、骨粗しょう症など
- 服用している薬: 唾液分泌を抑制するものなど
- 免疫力: 個々人の持つ免疫反応の強さ
そして、近年特に注目されているのが、遺伝的な体質、つまり遺伝的素因です。このコラムでは、遺伝的素因がどのように歯周病リスクに影響するのかを深掘りし、それを踏まえた上で、あなた自身ができる効果的な対策について詳しくご紹介していきます。遺伝は変えられなくても、他の要因をコントロールすることで、歯周病予防の効果を最大限に高めることができるのです。
「歯周病は遺伝する」は本当?最新科学が解き明かす、遺伝と歯周病の関係性
歯周病体質は遺伝する?知っておきたい遺伝的素因
「歯周病は遺伝する」という言葉を耳にすると、「親が歯周病だから、自分も必ずなるのか…」と不安に感じるかもしれません。しかし、結論から言えば、歯周病そのものが遺伝するわけではありません。正確には、「歯周病になりやすい体質」、つまり歯周病への感受性が遺伝的な要因によって影響を受ける可能性があるというのが最新の科学的知見です。
これは、炎症反応の強さや調節に関わる特定の遺伝子を持つ人が、そうでない人に比べて歯周病菌に対する免疫反応が過剰に働いたり、炎症が起こりやすかったりする傾向があることを意味します。例えば、炎症性サイトカインの産生に関わる遺伝子などが、歯周病の進行に関与することが研究で示唆されています。このような遺伝的素因を持つ場合、たとえ同じようにプラークが付着していても、より重症化しやすかったり、若年で歯周病を発症したりするケースが見られることがあります。
ただし、遺伝的素因はあくまで「リスク要因」の一つであり、発症を決定づけるものではありません。大切なのは、ご自身がどのようなリスクを持っているかを理解し、それに応じた適切な歯周病予防と口腔ケアを行うことです。
特定の遺伝子が歯周病リスクを高めるメカニズム
では、具体的にどのようなメカニズムで特定の遺伝子が歯周病リスクを高めるのでしょうか? 歯周病は、口腔内の細菌(歯周病菌)が引き起こす感染症ですが、その後の病気の進行には、私たちの体の免疫応答が深く関わっています。
遺伝子の中には、この免疫応答の強さや、炎症反応の調節に関わるものがあります。例えば、一部の遺伝子多型を持つ人は、歯周病菌が侵入した際に、炎症性物質(サイトカインなど)を過剰に産生しやすい傾向があることが分かっています。これにより、歯周組織の破壊が通常よりも早く進んでしまったり、骨の吸収が促進されたりする可能性があります。
また、骨の代謝に関わる遺伝子も、歯周病による歯槽骨の吸収のしやすさに影響を与えることが示唆されています。このように、遺伝的要因は、私たちの体が歯周病菌に対してどのように反応し、病気がどのように進行するかに影響を与える**「体質」**の部分を形成しているのです。
ご自身の体質を知ることは、より効果的なオーダーメイド予防法を確立するための第一歩となるでしょう。
遺伝だけで決まらない!環境要因と生活習慣の重要性
遺伝的素因が歯周病リスクに影響を与えることは事実ですが、だからといって「遺伝だから仕方ない」と諦める必要は全くありません。むしろ、歯周病は**「生活習慣病」としての側面が非常に強く**、遺伝的要因以上に、環境要因や生活習慣が発症や進行に大きく影響することが分かっています。
例えば、以下のような要因は、遺伝的素因の有無にかかわらず、歯周病のリスクを大幅に高めます。
- 喫煙: 歯茎への血流を悪化させ、免疫力を低下させ、歯周病の進行を加速させます。詳細は「歯周病と喫煙の深い関係性:喫煙者が知るべきリスクと対策」コラムもご覧ください。
- 不適切な口腔ケア: 歯磨き不足やフロス・歯間ブラシの不使用は、歯周病菌の温床となるプラークや歯石の蓄積を招きます。
- 食生活: 糖質の多い食事は口腔内の細菌を活性化させ、歯周病リスクを高めます。歯周病と食生活の関係については、「歯周病と食生活の深い関係:予防と改善のための食事ガイド」コラムをご覧ください。
- ストレス: 免疫力の低下を招き、歯周病を悪化させる可能性があります。ストレスが歯周病に与える影響については「歯周病はストレスが原因?心と体の健康を守るセルフケアと予防法」コラムをご覧ください。
- 全身疾患: 糖尿病は歯周病を重症化させやすく、歯周病も糖尿病を悪化させるという相互関係があります。
遺伝的素因を持つ方でも、これらの環境要因や生活習慣を適切に管理することで、歯周病の発症を抑えたり、進行を遅らせたりすることが十分に可能です。泉岳寺駅前歯科クリニックでは、遺伝的リスクを考慮しつつ、患者様一人ひとりのライフスタイルに合わせたオーダーメイドの予防戦略をご提案しています。遺伝は変えられませんが、日々の習慣を変えることで、あなたのお口の健康は大きく改善できるのです。
あなたのリスクは?家族の「歯周病サイン」から学ぶ、未来の予防法
親や兄弟の歯周病歴が示す「あなたの隠れたリスク」
ご自身の歯周病リスクを知る上で、最も身近で重要な手がかりの一つが**「家族歴」**です。親、祖父母、兄弟姉妹といった血縁者に歯周病の経験者がいるかどうかは、あなたの潜在的なリスクを推測する上で非常に役立ちます。
もしご家族に歯周病患者がいる場合、その方の歯周病がどのようなタイプだったか、いつ頃発症したか、進行の速さはどうだったか、といった情報を把握することが、あなたの歯周病予防に活かせます。例えば、若年で重度の歯周病を発症した家族がいる場合、あなたも同様の遺伝的素因を持っている可能性があり、より注意深い口腔ケアと定期的な検診が必要になるかもしれません。
これは、特定の遺伝子が歯周病への感受性に関与しているためです。ご家族の経験は、決して「自分もなる」という宿命ではなく、「自分はリスクが高いから、より積極的に歯周病対策をしよう」という前向きな歯周病サインとして捉えることが大切です。
家族共通の生活習慣が引き起こす落とし穴
歯周病リスクは、遺伝だけでなく、家族間で共有される生活習慣にも大きく影響されます。例えば、以下のような習慣は、知らず知らずのうちに家族全員のお口の健康を脅かしている可能性があります。
- 不十分な口腔ケア習慣: 家族全員が「これで十分」と思っている歯磨き方法が、実は歯周病菌を十分に除去できていないケース。
- 食生活: 糖分を多く含む食事や、不規則な食事が習慣化している場合、口腔内の細菌が増殖しやすい環境を作り出します。歯周病と食生活の関係については、「歯周病と食生活の深い関係:予防と改善のための食事ガイド」コラムをご覧ください。
- 喫煙習慣: 家族の中に喫煙者がいると、受動喫煙も含め、口腔内の健康に悪影響を及ぼす可能性があります。例えば、親が喫煙者である場合、受動喫煙だけでなく、歯磨きの習慣自体が家族間で共有され、全体的に口腔ケアへの意識が低くなりがち、といったケースも見受けられます。
- ストレスへの対処法: 家族全体でストレスを抱え込みやすい環境にある場合、免疫力の低下を通じて歯周病リスクが高まることもあります。
これらの生活習慣は、遺伝的素因と相まって、歯周病の発症・進行を加速させる落とし穴となり得ます。家族の歯周病を単なる「遺伝」と片付けるのではなく、共通の生活習慣の中に改善点がないかを見直すことが、あなたの歯周病予防、ひいては家族全体の口腔健康を守る上で非常に重要でするでしょう。
泉岳寺駅前歯科クリニックでは、ご家族の状況も踏まえ、患者様一人ひとりのライフスタイルに合わせた具体的な口腔ケア指導や生活習慣改善のアドバイスを行っています。詳しくは当院の予防歯科ページもご参照ください。
家族の経験から学ぶ、早期発見・早期対策の重要性
ご家族に歯周病患者がいることは、あなたにとって**「早期発見・早期対策」の重要性**を教えてくれる貴重な「歯周病サイン」です。
歯周病は初期段階では自覚症状がほとんどなく、気づかないうちに進行してしまうことが多いため、「サイレントキラー」とも呼ばれます。しかし、ご家族の経験を知ることで、あなたはまだ症状が出ていなくても、ご自身が歯周病リスクの高いグループに属している可能性を認識できます。
この認識こそが、歯周病の進行を食い止め、将来的に歯を失うリスクを大幅に減らすための鍵となります。
- 定期的な歯科検診の習慣化: 症状がなくても、家族歴がある場合は特に、3ヶ月~半年に一度の定期検診を強くお勧めします。泉岳寺駅前歯科クリニックでは、専門家があなたのお口の健康状態を詳細にチェックし、初期の歯周病サインを見逃しません。
- プロフェッショナルクリーニング(PMTC): ご自宅でのセルフケアだけでは除去しきれない歯石やバイオフィルムは、専門家によるPMTCで徹底的に除去することが不可欠です。これにより、歯周病菌の活動を抑え、炎症の発生を防ぎます。
- 専門的なブラッシング指導: ご家族の経験を踏まえ、あなたの口腔ケアが本当に適切か、専門家から個別に指導を受けることで、より効果的な歯周病予防が可能になります。
ご家族の「苦労」を反面教師とし、ご自身のお口の健康を守るための具体的な行動へと繋げましょう。泉岳寺駅前歯科クリニックは、あなたの歯周病予防を全力でサポートいたします。
遺伝的素因に負けない!あなただけの「オーダーメイド予防法」で健康な口腔へ
遺伝リスクを考慮した自宅でできる「セルフケア術」
歯周病予防の基本は、日々のセルフケアにあります。特に遺伝的リスクが高い方は、通常のケアに加えて、より丁寧で戦略的なアプローチが求められます。
まず、最も重要なのは**「正しい歯磨き」の徹底**です。単に歯の表面を磨くだけなく、歯と歯茎の境目(歯周ポケットの入り口)に毛先を45度の角度で当て、細かく振動させるように磨く「バス法」などを意識しましょう。歯ブラシは、毛先が柔らかく、ヘッドが小さめのものを選ぶと、細部まで届きやすくなります。
次に、歯ブラシだけでは届かない歯と歯の間の汚れを除去するために、デンタルフロスや歯間ブラシの使用は必須です。ご自身の歯間サイズに合ったものを選び、毎日欠かさず使用することで、歯周病菌の温床となるプラークを効果的に除去できます。
さらに、遺伝的素因により炎症が起こりやすい体質の方は、以下のような一歩進んだケアも検討しましょう。
- 薬用歯磨き粉・洗口液の活用: 炎症を抑える成分(例:イソプロピルメチルフェノール(IPMP)、塩化セチルピリジニウム(CPC)など)や、歯茎の健康をサポートする成分が配合された製品を選ぶと良いでしょう。
- 舌クリーニング: 舌の表面に付着する舌苔(ぜったい)も細菌の温床となるため、舌ブラシで優しく清掃することで、口腔全体の細菌数を減らし、口臭予防にも繋がります。
また、全身の健康状態も歯周病に大きく影響します。
- 禁煙: 喫煙は歯周病の最大のリスク因子であり、免疫力を低下させ、治療効果も著しく阻害します。歯周病予防のためには、禁煙が最も効果的な生活習慣改善の一つです。詳細については「歯周病と喫煙の深い関係性:喫煙者が知るべきリスクと対策」コラムもご覧ください。
- バランスの取れた食事: ビタミンCやDは歯茎の健康維持や骨の代謝に重要です。また、糖質の過剰摂取は口腔内の酸性度を高め、細菌の増殖を促すため、控えめにすることが賢明です。歯周病と食生活の関係については、「歯周病と食生活の深い関係:予防と改善のための食事ガイド」コラムをご覧ください。
- ストレス管理と十分な睡眠: ストレスは免疫力を低下させ、歯周病を悪化させる要因となり得ます。適切なストレス解消法を見つけ、質の良い睡眠を確保することも、お口の健康を守る上で不可欠です。ストレスと歯周病の関係については「歯周病はストレスが原因?心と体の健康を守るセルフケアと予防法」コラムをご覧ください。
これらのセルフケア術と生活習慣改善を日々のルーティンに取り入れることで、遺伝的リスクに負けない強い口腔環境を築き上げることが可能です。
泉岳寺駅前歯科クリニックが提供する「精密検査と個別カウンセリング」
ご自身の遺伝的リスクやライフスタイルを考慮したオーダーメイド予防法を確立するためには、専門家による精密検査が不可欠です。泉岳寺駅前歯科クリニックでは、患者様一人ひとりの口腔内の状態を詳細に把握するために、多角的な検査を実施しています。
通常の歯周ポケット検査やレントゲン撮影に加え、以下のような検査を通じて、よりパーソナルな歯周病リスクを特定します。
- 唾液検査: 唾液の量や質、口腔内の細菌の種類や活動性を分析し、虫歯や歯周病のリスクを数値化します。
- 細菌検査: 歯周ポケット内の細菌の種類や数を特定することで、より効果的な治療戦略を立てる手助けとなります。
これらの精密検査の結果に基づき、泉岳寺駅前歯科クリニックでは、経験豊富な歯科医師や歯科衛生士が、患者様と一対一で個別カウンセリングを行います。
カウンセリングでは、検査結果を分かりやすくご説明し、ご自身の遺伝的リスク、現在の口腔内の状態、そして日々の生活習慣を総合的に評価します。そして、あなたの疑問や不安に丁寧にお答えしながら、あなたにとって最も効果的で継続しやすい歯周病予防・治療計画を共に立案していきます。例えば、唾液検査や細菌検査の結果から、あなたのお口の細菌の種類に応じた適切な殺菌方法や、唾液の質に合わせた口腔ケア製品の選定など、具体的なアプローチをご提案します。
「なぜ歯周病になったのか」「どうすれば治るのか」「再発を防ぐにはどうすれば良いのか」といった根本的な疑問に対し、科学的根拠に基づいた明確な答えを提供し、あなたが納得してお口の健康に取り組めるようサポートいたします。
あなたに最適な予防計画を立てる「プロフェッショナルケア」
自宅でのセルフケアは非常に重要ですが、それだけでは歯周病予防として十分ではないのが現実です。どんなに丁寧に歯磨きをしても、ご自身では除去しきれないプラークや歯石が、歯周ポケットの奥深くや歯並びの複雑な部分には必ず存在します。これらの残存する細菌の塊こそが、歯周病を進行させる最大の原因となります。
そこで不可欠となるのが、泉岳寺駅前歯科クリニックが提供するプロフェッショナルケアです。
- プロフェッショナルクリーニング(PMTC): 歯科医師や歯科衛生士が、専用の器具を用いて歯の表面や歯周ポケット内のプラーク、歯石、そして細菌の集合体である「バイオフィルム」を徹底的に除去します。特にバイオフィルムは、歯磨きでは破壊しにくいため、プロによる機械的な除去が非常に効果的です。これにより、歯周病菌の活動を抑え、歯茎の炎症を鎮めることができます。詳しくは当院の予防歯科ページ内にある「歯周病予防の強い味方!PMTCで健康な歯茎を保つメリットと流れ」コラムもご覧ください。
- 定期的なチェックと早期介入: 定期的にプロの目で口腔内をチェックすることで、ご自身では気づきにくい歯周病の初期サインや、虫歯の兆候を早期に発見し、迅速に介入することが可能になります。これにより、病気の進行を未然に防ぎ、より簡単な治療で済ませることができます。
- 専門的なブラッシング指導: 患者様一人ひとりの口腔内の特徴(歯並び、歯茎の状態など)や、遺伝的リスクを考慮した上で、より効果的なブラッシング方法や補助器具(フロス、歯間ブラシなど)の使い方を丁寧に指導します。これにより、日々のセルフケアの質を飛躍的に向上させることができます。
泉岳寺駅前歯科クリニックでは、これらのプロフェッショナルケアと、ご自宅でのセルフケアを組み合わせることで、遺伝的素因を持つ方であっても、最大限に歯周病のリスクを低減し、健康な口腔環境を維持するための最適なオーダーメイド予防計画をご提案しています。詳しくは当院の予防歯科ページもご覧ください。
根本解決を目指す泉岳寺駅前歯科クリニックの歯周病治療とは
歯周病治療は「原因除去」が最も重要
歯周病は、歯茎の腫れや出血、口臭といった不快な症状を伴いますが、これらの症状を一時的に抑えるだけの対症療法では、根本的な解決にはなりません。泉岳寺駅前歯科クリニックが目指すのは、「根本解決」です。
歯周病の真の原因は、口腔内の歯周病菌と、それによって引き起こされる慢性的な炎症です。歯周病が進行すると、歯を支える歯槽骨が溶けてしまい、一度溶けた骨は自然には元に戻りません。この不可逆的な変化を防ぎ、お口の健康を取り戻すためには、原因となっている細菌を徹底的に除去し、炎症をコントロールすることが不可欠です。
当クリニックでは、この**「原因除去」を治療の最重要ポイントと位置づけています。具体的には、歯の表面や歯周ポケットの奥深くに潜むプラーク(歯垢)や歯石を徹底的に除去するスケーリングやルートプレーニング**を行います。これらは、歯周病菌の温床を取り除き、歯周組織が健康な状態に戻るための土台を築く、非常に重要な処置です。
単に症状を抑えるのではなく、病気の根源にアプローチすることで、歯周病の進行を止め、再発しにくい口腔環境を作り出すことを目指します。
進行度別に見る泉岳寺駅前歯科クリニックの治療アプローチ
歯周病の進行度は患者様によって様々であり、そのため泉岳寺駅前歯科クリニックでは、精密検査の結果に基づき、一人ひとりの状態に合わせたオーダーメイドの治療計画を立案しています。
- 初期・中等度歯周病へのアプローチ歯茎の炎症が中心で、骨の吸収が軽度から中程度の場合、主に非外科的治療で対応します。
- スケーリング・ルートプレーニング: 歯の表面や歯根に付着したプラークや歯石を徹底的に除去し、歯根面を滑らかにすることで、細菌の再付着を防ぎます。
- ブラッシング指導: 患者様ご自身による日々のセルフケアの質を高めるため、個別のブラッシング指導を丁寧に行います。これらの処置と適切な口腔ケアにより、多くのケースで歯茎の炎症が治まり、歯周病の進行を食い止めることが可能です。
- 重度歯周病へのアプローチ歯槽骨の吸収が著しく、歯周ポケットが深く、非外科的治療だけでは改善が難しい場合、より専門的な治療が必要となります。
- 歯周外科手術(フラップ手術など): 歯茎を切開し、歯根や骨の深い部分に付着した歯石や病巣を直接目で確認しながら除去します。これにより、歯周ポケットを浅くし、清掃しやすい環境を整えます。
- 歯周組織再生療法: 溶けてしまった歯槽骨や歯周組織を回復させることを目指す治療です。エムドゲイン®などの薬剤を使用したり、骨補填材を移植したりすることで、失われた組織の再生を促します(参考:Hammarström, L. (1997). Regeneration of periodontal tissues. Periodontology 2000, 15(1), 7-16.)。
泉岳寺駅前歯科クリニックでは、これらの高度な歯周外科治療にも対応しており、重度の歯周病でお悩みの方にも、歯を残すための最善のアプローチを提案いたします。また、糖尿病などの全身疾患をお持ちの方には、医科との連携も視野に入れ、全身の健康状態を考慮した治療計画を立てることで、より安全で効果的な治療を提供します。詳細については当院の歯周病治療ページをご覧ください。
治療後も安心!再発を防ぐための継続的メインテナンス
歯周病は、一度治療しても、適切なケアを怠ると再発しやすい慢性疾患です。そのため、治療が終了した後も**「メインテナンス」を継続すること**が、健康な口腔環境を維持し、再発を防ぐ上で最も重要となります。
泉岳寺駅前歯科クリニックでは、患者様一人ひとりの歯周病リスクや治療後の状態に応じた、オーダーメイドのメインテナンスプログラムをご提案しています。
メインテナンスでは、主に以下の内容を行います。
- 定期的な口腔内チェック: 歯周ポケットの深さ、歯茎の状態、プラークの付着状況などを定期的に確認し、歯周病の再発の兆候を早期に発見します。
- プロフェッショナルクリーニング(PMTC): ご自宅での歯磨きでは取り除きにくい、歯周ポケット内の細菌やバイオフィルム、新たな歯石を専門的に除去します。これにより、歯周病の再発を防ぎ、口腔内を常に清潔な状態に保ちます。詳しくは当院の予防歯科ページもご参照ください。
- ブラッシング指導の再確認: 日々のセルフケアの習慣が乱れていないかを確認し、必要に応じて再度、効果的なブラッシング方法や補助器具の使い方を指導します。
- フッ素塗布: 虫歯予防だけでなく、歯周病によって露出した歯根面の知覚過敏の抑制にも効果が期待できます。
当クリニックでは、担当の歯科衛生士が患者様の口腔内の変化を継続的に把握し、きめ細やかなサポートを提供することで、患者様が安心してお口の健康を維持できるよう寄り添います。
継続的なメインテナンスは、ご自身の歯を長く健康に保ち、将来的な抜歯やインプラントなどの大規模な治療を避けるための最善の**「投資」**です。泉岳寺駅前歯科クリニックは、あなたのお口の健康の「生涯のパートナー」として、長期的な視点でサポートさせていただきます。詳しくは当院の予防歯科ページをご参照ください。
諦めないで!遺伝リスクを乗り越え、健康な歯を保つための第一歩
これまで、歯周病と遺伝の複雑な関係性、そしてご家族の経験から学ぶべき歯周病サインについて詳しく解説してきました。ご自身の歯周病リスクに不安を感じていた方も、このコラムを通じて、その不安が少しでも解消されたことを願っています。
大切なことは、遺伝的素因があったとしても、決して歯周病を諦める必要はない、ということです。遺伝は変えられませんが、日々の口腔ケアや生活習慣、そして専門家による適切な予防と治療によって、そのリスクを大幅にコントロールし、健康な口腔環境を維持することは十分に可能です。
泉岳寺駅前歯科クリニックが提唱するオーダーメイド予防法は、まさにこの考えに基づいています。あなたの遺伝的背景、ライフスタイル、そして現在のお口の健康状態を詳細に分析し、あなたにとって最適な歯周病対策を共に考えていくアプローチです。
- 精密検査で、ご自身の隠れたリスクを明確にする。
- 個別カウンセリングで、疑問や不安を解消し、納得して予防に取り組む。
- プロフェッショナルケアで、ご自宅ではできない徹底的な口腔清掃と専門的な指導を受ける。
- 継続的なメインテナンスで、歯周病の再発を防ぎ、健康な歯を生涯守り続ける。
これら全てが連携することで、あなたは遺伝的リスクを乗り越え、歯周病の根本解決へと向かうことができるのです。
「現状のお口のトラブルを根本的に解決したい」「将来にわたって健康な歯で美味しい食事を楽しみたい」と願うあなたへ。まずは一歩踏み出し、泉岳寺駅前歯科クリニックにご相談ください。
泉岳寺駅前歯科クリニックは、東京都港区に位置し、泉岳寺駅直結という抜群のアクセスを誇ります。高輪ゲートウェイ駅や品川駅からもアクセスが良く、お仕事帰りや買い物のついでにもお立ち寄りいただけます。
私たちは、あなたのお口の健康の「生涯のパートナー」として、専門知識と最新の技術をもって、あなたの不安を解消し、健康な未来を共に築き上げていくお手伝いをさせていただきます。
あなたのお口の健康は、あなたの未来を豊かにする大切な要素です。どうぞお気軽にご来院ください。
泉岳寺駅前歯科クリニックへのアクセスはこちら
よくあるご質問(FAQ)
Q1. 家族に歯周病患者がいますが、私も必ず歯周病になりますか?
いいえ、必ずしも歯周病になるわけではありません。歯周病は遺伝的素因が影響することはありますが、それだけで発症が決まる病気ではありません。口腔内の細菌感染や生活習慣(喫煙、不適切な口腔ケアなど)といった環境要因が大きく関わります。ご家族に歯周病患者がいる場合は、ご自身もリスクが高い可能性があると認識し、より積極的な予防と定期的な歯科検診を行うことが重要です。当院の予防歯科ページでも詳しくご案内しています。
Q2. 遺伝子検査で歯周病のリスクがわかりますか?
当院では現在、特定の遺伝子検査は実施しておりません。しかし、歯周病への感受性に関わる遺伝的素因は、ご家族の歯周病歴や、当院で行う精密検査(唾液検査、細菌検査など)の結果から総合的に評価することが可能です。ご自身の体質やリスクについてご心配な場合は、ぜひ一度ご相談ください。詳しくは当院の歯周病治療ページもご参照ください。
Q3. 遺伝的リスクがある場合、自宅でのケアで特に気をつけることはありますか?
はい、遺伝的リスクがある方は、特に「炎症を抑える」ことを意識したケアが重要です。具体的には、正しい歯磨きとデンタルフロス・歯間ブラシの使用を徹底し、プラークを徹底的に除去すること。また、炎症を抑える成分が配合された薬用歯磨き粉や洗口液の活用も効果的です。さらに、禁煙やバランスの取れた食生活、ストレス管理など、全身の健康を保つことも歯周病予防に大きく貢献します。より詳しいセルフケアの方法は当院の予防歯科ページでもご紹介しています。
Q4. 歯周病の治療後も定期的なメインテナンスが必要なのはなぜですか?
歯周病は、一度治療しても再発しやすい慢性疾患だからです。治療によって一時的に口腔内の歯周病菌を減らし、炎症を抑えることはできますが、日々のセルフケアだけでは完全に細菌の増殖を抑え込むことは困難ですし、ご自身では除去しきれないプラークや歯石が再び蓄積する可能性があります。定期的なメインテナンスでは、プロによるPMTCでこれらを取り除き、口腔内を常に清潔な状態に保ちます。これにより、歯周病の再発を防ぎ、健康な歯を長く維持することができます。詳しくは当院の予防歯科ページもご参照ください。
Q5. 泉岳寺駅前歯科クリニックの歯周病治療の特徴は何ですか?
泉岳寺駅前歯科クリニックでは、歯周病の**「根本解決」**を目指しています。単に症状を抑える対症療法ではなく、精密検査に基づき、患者様一人ひとりの歯周病の原因と進行度を正確に把握します。そして、遺伝的リスクや生活習慣も考慮した上で、オーダーメイドの治療計画を立案します。スケーリングやルートプレーニングといった基本的な治療に加え、必要に応じて歯周外科手術や歯周組織再生療法といった高度な治療も提供し、治療後も継続的なメインテナンスで患者様のお口の健康を生涯にわたってサポートいたします。当院の歯周病治療について、より詳しい情報はこちらをご覧ください。
参考文献
- Albandar, J. M. (2014). Aggressive and advanced periodontal diseases. Periodontology 2000, 65(1), 7-32.
- Hammarström, L. (1997). Regeneration of periodontal tissues. Periodontology 2000, 15(1), 7-16.
- Souto, G. R., & Queiroz, S. B. (2019). Periodontal disease: a genetic perspective. Brazilian Oral Research, 33.
- Kinane, D. F., & Preshaw, P. M. (2019). Expert view: What is the extent of the role played by genetic factors in periodontitis?. European Federation of Periodontology.
- Del Pinto, R., et al. (2025). Dental Caries, Periodontal Status, and Lifestyle Connections: Examining the Moderating Effects of Sleep, Smoking, Diet, and Mealtime Routines. Nutrients, 17(6), 1079.
- Chapple, I. L. C., et al. (2019). How Lifestyle Factors Affect Periodontal Disease. SUNSTAR GUM Professional.
- Wang, Y., et al. (2025). Literature Review on the Clinical Application Effects of Professional Mechanical Tooth Cleaning Technology. Journal of Medical and Life Sciences, 1(1).
- Narang, S., et al. (2019). Periodontitis and Systemic Diseases: A Review. Journal of Orofacial Research, 8(1), 1-4.
- Martins, S., et al. (2025). Relationship between periodontitis and systemic diseases: A bibliometric and visual study. ResearchGate.