column 歯周病

【要注意】歯周病の初期症状を見逃すな!歯ぐきのサインで早期発見&対策

2025.07.18

隠れた病気「歯周病」の真の恐ろしさとは?

歯を失うだけじゃない!全身に広がる歯周病の悪影響

歯周病は歯ぐきの病気」そう思っていませんか? もちろん間違いではありませんが、実は歯周病は、歯を失う原因の第一位でありながら、それ以上に**全身の健康を脅かす「サイレントキラー」**であることをご存じでしょうか。

日本臨床歯周病学会の発表によると、日本人の成人の約8割が歯周病、またはその予備軍と言われています[1]。歯周病は、進行すると歯を支える骨が溶けてしまい、最終的には歯が抜け落ちてしまう恐ろしい病気です。しかし、本当に怖いのはそれだけではありません。

近年、多くの研究によって、お口の中の歯周病菌が、血管を通じて全身を巡り、さまざまな病気を引き起こすことが明らかになっています。

  • 糖尿病との双方向の関係: 歯周病は糖尿病の合併症の一つであり、血糖コントロールを悪化させることが知られています。同時に、糖尿病であると歯周病も悪化しやすいという悪循環に陥りやすいことが指摘されています[2]。
  • 心臓病・脳卒中のリスク増加: 歯周病菌が血管内に侵入すると、炎症反応を引き起こし、動脈硬化を促進することで心筋梗塞や脳梗塞のリスクを高めることが報告されています[3,4]。
  • 誤嚥性肺炎: 特に高齢者では、口腔内の歯周病菌が誤って気管に入り込むことで、重篤な肺炎を引き起こす原因となります[5]。
  • 早産・低体重児出産: 妊婦さんの歯周病は、炎症性サイトカインの産生を促し、早産や低体重児出産のリスクを高める可能性が示唆されています[6]。

このように、歯周病は単なるお口の問題ではなく、命に関わるような全身疾患のリスクを高めることが分かっています。だからこそ、歯周病の早期発見早期対策が何よりも重要なのです。


なぜ気づきにくい?歯周病の初期症状が見過ごされる理由

「こんなに怖い病気なら、すぐに気づくはずでは?」と思うかもしれません。しかし、ここが歯周病の厄介な点です。歯周病の初期症状は、自覚しにくく、見過ごされがちな特徴があります。

最も大きな理由は、初期段階では「痛み」を感じにくいこと。虫歯のように「ズキズキ痛む」といった明確なサインがないため、「少し歯ぐきから血が出たけど、すぐに治まったから大丈夫だろう」「疲れているから歯ぐきが腫れているだけ」と自己判断し、放置してしまうケースが非常に多いのです。

また、歯周病の進行は非常にゆっくりで、歯ぐきの色や形、口臭の変化も徐々に現れるため、日々の生活の中でその異変に気づきにくいという側面もあります。鏡で自分の歯ぐきをじっくり見る機会が少ないことも、初期症状を見逃してしまう一因と言えるでしょう。

このような理由から、多くの方が歯周病がかなり進行してから、あるいは「歯がグラグラする」「歯ぐきが腫れて痛む」といった重い症状が出て初めて歯科医院を訪れることになります。


あなたの歯ぐきは大丈夫?この記事でわかる歯周病のサイン

「もしかして、自分の歯ぐき歯周病のサインが出ているのかも?」そう感じたあなたは、この記事を読み進める価値があります。

これからご紹介するのは、ご自身でチェックできる歯周病の初期サインです。これらのサインを知ることで、歯周病の早期発見に繋がり、対策を始めるきっかけになるでしょう。

歯ぐきは、あなたの口腔内、ひいては全身の健康状態を映し出す大切なバロメーターです。小さなサインを見逃さず、ご自身の健康を守るための一歩を踏み出しましょう。


【セルフチェック!】歯周病の初期サインを見逃さないで

健康な歯ぐきってどんな状態?理想と現実を比較

あなたの歯ぐきは、今どんな色をしていますか?鏡でじっくり見てみましょう。健康な歯ぐきは、実は特定の「色」と「形」をしています。これを知ることで、歯周病の初期サインをより早く見つけられるようになります。

健康な歯ぐきの特徴

  • : 明るいピンク色をしているのが理想です。日本人では、メラニン色素沈着によって、健康でもやや黒っぽい歯ぐきの方もいますが、重要なのは「炎症による赤みがないか」です。
  • : 歯と歯の間に、逆三角形の**引き締まった「歯間乳頭(しとく)」**があり、歯にぴったりと沿っています。歯と歯ぐきの境目もシャープで、隙間がありません。
  • 硬さ: 適度な弾力があり、指で触ってもブヨブヨせず、引き締まっている感触です。
  • 出血: 歯ブラシやデンタルフロスで適切にケアをしても、出血することは基本的にありません

さあ、あなたの歯ぐきは、これらの条件に当てはまるでしょうか? もし「うちの歯ぐきはちょっと違うな」と感じたら、それは歯周病のサインかもしれません。


要注意!歯ぐきの「色・形・出血」でわかる異変のサイン

それでは、具体的にどのような歯ぐきの変化があったら、歯周病の初期症状を疑うべきでしょうか。以下のポイントに注目して、セルフチェックしてみましょう。

歯ぐきの色の変化に注目

  • 赤みが強い、あるいは紫がかった色: 健康なピンク色ではなく、全体的または部分的に赤みが強くなっていたり、さらに進行すると暗い赤紫色に変色したりします。これは歯ぐきに炎症が起きている明確なサインです。
  • 歯ぐきが腫れている、ブヨブヨしている: 歯ぐきが丸みを帯びて腫れていたり、指で触るとブヨブヨとした弾力のない感触がしたりする場合も要注意です。健康な歯ぐきのような引き締まりが失われています。

出血は歯周病の危険信号

  • 歯みがきやデンタルフロスで出血する: 健康な歯ぐきは、たとえ強く磨いても簡単には出血しません。歯磨き時やフロスを通した際に少量の出血があったとしても、それは歯ぐきの炎症サインです。特に、何もしていないのに出血したり、朝起きた時に口の中に血の味がしたりする場合は、かなり炎症が進んでいる可能性があります。

口臭や歯の長さも関係あり?見落としがちなサイン

上記の分かりやすいサイン以外にも、実は歯周病の初期症状として見落とされがちなサインがあります。

慢性的な口臭に注意

  • 原因不明の口臭が気になる: 歯周病菌が歯周ポケットの奥で増殖し、特有のガス(揮発性硫黄化合物)を発生させるため、独特の腐敗臭を伴う口臭が発生します[7]。一時的な口臭と異なり、継続的に口臭が気になる場合は、歯周病が原因の可能性が高いです。

歯ぐき下がりと知覚過敏

  • 「歯が長くなった」と感じる: 歯周病が進行すると、歯ぐきが徐々に下がってしまい、歯の根元が見えることで、以前よりも歯が長くなったように見えることがあります。これは歯を支える骨が溶け始めているサインかもしれません。
  • 冷たいものがしみる(知覚過敏): 歯ぐきが下がることで、本来歯ぐきに覆われているはずの歯の根元(象牙質)が露出し、冷たい飲食物や歯ブラシの刺激で**「しみる」ことがあります。これは知覚過敏**の一種ですが、歯周病が原因で歯ぐきが下がっている可能性も考慮すべきです。

歯周病のサインを見つけたら!迷わず歯科医院へ

もし上記の歯ぐきのサインに一つでも当てはまるものがあれば、自己判断せずにすぐに歯科医院を受診することを強くおすすめします。

「まだ痛みがないから大丈夫」「もう少し様子を見よう」と先延ばしにすることは、歯周病の進行を許し、将来的に歯を失うリスクを高めてしまいます。

歯周病は、早期発見・早期治療が非常に重要な病気です。初期の段階であれば、比較的簡単な治療で進行を食い止め、健康な歯ぐきを取り戻すことが可能です。泉岳寺駅前歯科クリニックでは、歯周病治療を専門とした歯科医師(院長は日本歯周病学会認定医)が、専門的な検査で正確な診断を行い、あなたの歯ぐきの状態に合わせた最適な治療法を提案しています。

勇気を出して、今日から歯ぐきの健康のために一歩踏み出しましょう。


歯ぐきの異変はなぜ起こる?歯周病の進行メカニズムを解説

歯周病菌の温床「歯垢と歯石」の正体

なぜ、あなたの歯ぐきは赤く腫れたり、出血したりするのでしょうか? その根本的な原因は、お口の中に潜む**「細菌」**にあります。特に重要なのが、歯周病菌です。

歯垢(プラーク)と歯周病菌

食事をすると、食べかすが歯の表面に残りますよね。これを放置すると、お口の中の細菌が増殖し、歯の表面に**白くネバネバとした「歯垢(プラーク)」**を形成します[8]。歯垢は、細菌の塊そのものです。

この歯垢の中に、歯周病の原因菌が潜んでいます。歯周病菌は、歯と歯ぐきの隙間や、歯周ポケットの奥深くで酸素を嫌って増殖し、炎症を引き起こす**毒素(内毒素など)**を出し始めます。この毒素が、歯ぐきの炎症の始まりなのです。

歯垢は歯磨きで取り除くことができますが、ネバネバしているのでうがいだけでは落とせません。

歯石はさらなる細菌の温床に

歯垢が除去されずに長時間留まると、唾液中のカルシウムやリンといったミネラルと結びつき、やがて**石のように硬い「歯石」**に変化します[9]。

一度歯石になってしまうと、歯ブラシではもう取り除くことはできません。歯石の表面は非常にザラザラしているため、さらに新しい歯垢や歯周病菌が付着しやすくなります。こうして、歯石は**歯周病菌の格好の「すみか」**となり、歯周病の悪化を加速させてしまうのです。


歯周ポケットの奥で何が起こる?静かに進む破壊

歯ぐきの炎症が進行すると、見た目には気づきにくい場所で、さらに深刻な問題が起こり始めます。それが、「歯周ポケット」の形成と深化です。

歯周ポケットの形成

健康な歯ぐきは、歯にしっかりと密着しており、「歯肉溝」と呼ばれる浅い溝(通常1〜2mm程度)があるだけです。しかし、歯周病菌による炎症が続くと、歯ぐきが歯から剥がれるようにめくれ上がり、この溝が**深く広い「歯周ポケット」**へと変化します[9]。

ポケット内部の破壊と骨吸収

この深くなった歯周ポケットの内部は、酸素が少なく、歯周病菌が非常に繁殖しやすい環境です。ポケットの奥深くで増殖した歯周病菌は、さらに強力な毒素を放出し、私たちの体を守る免疫細胞も、この炎症を抑えようと過剰に反応します。

この細菌と免疫反応の戦いの結果、歯を支えている非常に重要な組織、つまり**「歯槽骨(しそうこつ)」と呼ばれるアゴの骨や、歯根膜(しこんまく)などの歯周組織が少しずつ破壊され、溶かされていってしまいます。**

恐ろしいことに、この骨が溶けるプロセスは、通常痛みを感じることなく静かに進行します。そのため、歯がグラつき始めたり、歯ぐきの腫れがひどくなったりするまで、歯周病が進行していることに気づかないケースがほとんどなのです。これが「サイレントキラー」と呼ばれるゆえんです。


進行するとどうなる?歯周病が引き起こす最悪のシナリオ

歯周病が進行し、歯を支える歯槽骨がどんどん破壊されると、以下のような深刻な状態へと陥ってしまいます。

歯の動揺と咀嚼機能の低下

  • 歯がグラつき始める: 骨の支えを失った歯は、次第にグラつき始めます。最初はごくわずかな揺れでも、進行すると指で触ってもはっきりと動くようになります。
  • 食べ物が噛めなくなる: 歯がグラつくと、硬いものが噛みづらくなったり、食事が苦痛になったりするなど、咀嚼(そしゃく)機能が著しく低下します。これは食事の楽しみを奪い、栄養摂取にも影響を及しかねません。

歯列の変化と最終的な抜歯

  • 歯並びの変化: 歯を支える骨が失われることで、歯が移動したり、歯と歯の間に隙間ができたりと、歯並びが乱れることもあります。見た目の問題だけでなく、さらに歯磨きがしにくくなり、歯周病が悪化するという悪循環に陥ります。
  • 最終的な「抜歯」のリスク: 歯周病が末期まで進行し、歯槽骨がほとんど溶けてしまうと、歯はもはや支えを失い、自然に抜け落ちてしまうか、やむを得ず抜歯せざるを得ない状況になります。泉岳寺駅前歯科クリニックでは、重度の歯周病に対しても、歯周組織再生療法など専門性の高い治療で対応しています。
  • QOL(生活の質)の低下: 抜歯による咀嚼機能の喪失、見た目の問題、入れ歯やインプラントなどの治療が必要になることで生じる生活への影響に触れ、歯周病の進行がいかに深刻な問題であるかを伝えます。歯を失った際の選択肢については、こちらのコラムも参考にしてください: 歯を失ったら? インプラント、ブリッジ、入れ歯を徹底比較! あなたに最適な選択肢は

早期発見が鍵!今日からできる歯周病対策と専門的ケアの重要性

これまでの章で、歯周病の恐ろしさ、そして見過ごされがちな初期症状について解説してきました。「もしかして自分も…?」と不安に感じた方もいるかもしれませんね。でも安心してください。歯周病は、早期発見して適切に対策すれば、進行を食い止め、健康な歯ぐきを維持できる病気です。

大切なのは、毎日のセルフケアと、歯科医院でのプロフェッショナルケアの両方を組み合わせること。今日からできる具体的な歯周病対策を見ていきましょう。

毎日実践!歯周病を防ぐ正しいセルフケア術

歯周病予防の基本は、やはり毎日の**「歯みがき」です。ただ磨けばいいというわけではありません。歯周病菌が潜む歯垢(プラーク)を効率的に除去するためには、正しい歯みがき方法を身につけることが重要ですし、これは歯周病の進行抑制に有効**であることが示されています[10]。

歯周病に効果的なブラッシング「バス法」をマスターしよう

特に歯周病予防に効果的とされるのが**「バス法」**です。

  • 歯ブラシの持ち方: 鉛筆のように軽く握り、力を入れすぎないようにします。ゴシゴシと強い力で磨くと、歯や歯ぐきを傷つけてしまう可能性があります。
  • 歯ブラシの当て方: 歯ブラシの毛先を、歯と歯ぐきの境目(歯周ポケット)に45度の角度で当てます。この境目に歯周病菌が多く潜んでいるため、ここを狙って磨くことがポイントです。
  • 動かし方: 軽い圧で、歯ブラシの毛先が歯周ポケットに少し入るイメージで、1~2mm程度の幅で小刻みに振動させるように動かしましょう。同じ場所を10~20回程度、丁寧に磨くのが目安です。
  • 磨き残しに注意: 奥歯の裏側や歯並びが複雑な部分、歯と歯の間など、磨き残しが多い場所を意識して丁寧に磨きましょう。

歯磨き粉の選び方

歯磨き粉は、フッ素(虫歯予防)やトラネキサム酸、IPMP(イソプロピルメチルフェノール)などの殺菌成分、グリチルリチン酸ジカリウムなどの抗炎症成分が配合された**「薬用歯磨き粉」**を選ぶと、歯周病予防効果が期待できます。ただし、歯磨き粉の泡立ちで磨いた気になりすぎないよう、少量を使うのがおすすめです。


歯ブラシだけじゃ不十分?フロス・歯間ブラシの選び方と使い方

「毎日しっかり歯を磨いているから大丈夫!」そう思っていても、実は歯ブラシだけでは、お口の中の汚れの約6割しか落とせていないことをご存じですか? 特に歯と歯の間は、歯ブラシの毛先が届きにくく、歯垢が残りやすい場所です。デンタルフロスや歯間ブラシの併用が、歯周病予防に不可欠であるとされています[11]。

デンタルフロスで歯と歯の間の歯垢を徹底除去

  • 役割: 歯と歯の隙間や、歯と歯ぐきの境目に詰まった**歯垢(プラーク)**を取り除くのに最適です。
  • 種類: 自分で糸を巻きつけて使う「糸巻きタイプ」と、ホルダーに糸がセットされた「ホルダータイプ」があります。使いやすい方を選びましょう。
  • 使い方: 歯の側面に沿わせて、ノコギリを引くようにゆっくりと挿入し、歯の形に沿わせて上下に数回動かして汚れをかき出します。無理に押し込むと歯ぐきを傷つけるので注意が必要です。

歯間ブラシで大きな隙間もきれいに

  • 役割: 歯と歯の間の隙間が大きい方や、歯ぐきが下がって隙間ができた部分、ブリッジの下などの清掃に有効です。当院では、歯間ブラシの正しい選び方や使い方について、さらに詳しいコラムもご用意していますので、ぜひご覧ください: 歯間ブラシの正しい使い方を解説!選び方や注意点もご紹介
  • 選び方: 歯間のサイズに合ったブラシを選ぶことが重要です。無理なく挿入できる、「少しきついかな?」と感じるくらいのサイズが目安です。歯科医院で相談し、適切なサイズを選んでもらいましょう。
  • 使い方: 歯と歯の隙間にまっすぐ挿入し、数回前後に動かして汚れを落とします。

デンタルフロスや歯間ブラシは、毎日の歯磨きとセットで習慣化することで、歯周病予防効果を格段に高められます。


プロの力を借りよう!歯科医院での定期検診とクリーニング

どんなに完璧なセルフケアをしていても、どうしても歯ブラシでは届かない場所や、自分では落とせない汚れがあります。それが、硬くなった**「歯石」**です。歯石は、歯周病菌の温床となるため、定期的に専門家によって除去してもらうことが不可欠です[9]。

定期的な歯科検診とプロフェッショナルクリーニング(PMTC)

  • 歯石の除去: 歯科医院では、超音波スケーラーなどの専用機器を使って、歯ブラシでは取れない歯石を徹底的に除去します。
  • PMTC(プロフェッショナル・メカニカル・トゥース・クリーニング): 歯科医師や担当の歯科衛生士が、専門的な器具を用いて歯の表面や歯周ポケット内の歯垢(バイオフィルム)を徹底的に除去し、歯をツルツルに磨き上げます[12]。これにより、新たな歯垢が付着しにくい状態を保てます。泉岳寺駅前歯科クリニックでは、専属の歯科衛生士が患者様の口腔健康を生涯にわたってサポートします。当院のPMTCに関する詳しい情報は、こちらのコラムをご覧ください: PMTCとは?歯科医院で行うプロフェッショナルクリーニングで歯周病・虫歯を徹底予防
  • 早期発見: 定期的な歯科検診を受けることで、自覚症状の少ない初期の歯周病や虫歯、その他の口腔内のトラブルを早期に発見し、早期に治療を開始できます。これにより、治療期間や費用、身体への負担を最小限に抑えられます。
  • 専門的なブラッシング指導: 歯科衛生士が、あなたの口腔内の状態や歯並びに合わせた、より効果的な歯磨き方法や補助清掃用具の使い方を丁寧に指導してくれます。

一般的に、3ヶ月~半年に一度の定期検診が推奨されています[16]。これは、歯石が溜まるペースや、歯周病の進行ペースを考慮した頻度です。


歯周病治療の第一歩!歯科医師が行う検査と診断

「もしかして歯周病かも?」と不安を感じて歯科医院を受診したら、どのような診察を受けるのでしょうか? 適切な治療を受けるためには、まず正確な検査と診断が不可欠です。

歯周病の検査内容

泉岳寺駅前歯科クリニックでは、精密な検査を行い、患者様一人ひとりに合った治療計画を提案しています。

  • 歯周ポケット測定: 専用の細い器具(プローブ)を使って、歯と歯ぐきの境目にある歯周ポケットの深さを測ります。この数値が大きいほど、歯周病が進行していることを示します(健康な歯ぐきは1~2mm)[9]。出血の有無も確認します。
  • レントゲン撮影(歯科用CTを含む): 歯を支えている骨(歯槽骨)の状態や、その吸収度合いを詳しく確認します。当院では歯科用CTも導入しており、3次元的なデータでより精度の高い診断が可能です[13]。骨の吸収は歯周病の進行度を知る上で非常に重要な情報です。
  • 口腔内写真撮影・視診: 口腔内全体の状態や、歯ぐきの色、腫れ、歯並びなどを視覚的に記録し、診断の参考にします。
  • プラークの付着状態のチェック: 磨き残しの傾向などを確認し、その後のブラッシング指導に役立てます。

これらの詳細な検査結果に基づき、日本歯周病学会認定医である院長が、あなたの歯周病の進行度合いを正確に診断し、一人ひとりに合わせた最適な治療計画を提案してくれます。歯周病治療は、原因である歯周病菌を徹底的に除去することから始まります。当院の歯周病治療については、こちらのページもご覧ください。


歯ぐきの健康は全身の健康へ!今すぐ行動を始めよう

ここまで、歯周病が単なるお口の中の問題ではなく、歯を失うだけでなく全身の健康にも深く関わる**「サイレントキラー」であること、そして見過ごされがちな初期症状やその進行メカニズム、効果的な対策**について詳しく解説してきました。

あなたの歯ぐきは、あなたの健康状態を教えてくれる大切なサインです。

「歯ぐきから少し血が出るけど、すぐ止まるから大丈夫」

「口臭が気になるけど、きっと気のせいだろう」

「歯ぐきがちょっと腫れているけど、そのうち治るだろう」

もし、今あなたがそう思っているなら、この記事で解説した歯周病の初期サインをもう一度確認してみてください。それらのサインは、あなたの身体が発している大切なSOSかもしれません。

歯周病は、早期発見・早期治療が本当に重要な病気です。初期の段階で適切な対策を始めれば、歯周病の進行を食い止め、大切な歯を守ることができます。そして、それは口腔内の健康だけでなく、糖尿病や心臓病、脳卒中といった全身疾患のリスクを低減することにも繋がるのです。

今日からできるセルフケア(正しい歯みがき、デンタルフロスや歯間ブラシの活用)を毎日の習慣にし、そして何よりも**「定期的な歯科検診」**を忘れないでください。泉岳寺駅前歯科クリニックでは、担当の歯科衛生士によるきめ細やかなサポートと、歯周病治療を専門とする歯科医師による質の高い治療を提供しています。プロによるクリーニングとチェックは、あなたが気づかない変化を見つけ、歯周病を未然に防ぎ、あるいは初期段階で治療を開始するための最も確実な方法です。

あなたの歯ぐきの健康は、あなたの豊かな食生活、そして充実した人生を送るための基盤です。少しでも気になるサインがあれば、迷わずに泉岳寺駅前歯科クリニックにご相談ください。

さあ、今日から歯ぐきの健康のために、一歩を踏み出しましょう!


よくある質問(FAQ)


Q1: 歯ぐきからの出血は、毎回歯科医院に行くべきですか?

はい、歯ぐきからの出血は、歯周病の初期サインである可能性が高いです。健康な歯ぐきは、歯みがきやフロスで適切にケアしても出血することはありません。出血は歯ぐきに炎症が起きている明確な証拠なので、たとえ少量でも、自己判断せずに一度歯科医院を受診して専門家の診断を受けることを強くおすすめします。


Q2: 歯周病は自然に治りますか?

残念ながら、歯周病が自然に治ることはありません。初期の歯肉炎の段階であれば、正しいセルフケアによって改善することもありますが、一度歯周病に進行してしまうと、歯周病菌が歯周ポケットの奥深くに侵入し、歯を支える骨を溶かし始めるため、歯科医院での専門的な治療が不可欠になります。放置すればするほど進行し、最終的には歯を失うリスクが高まります。


Q3: 歯周病の治療は痛いですか?

歯周病の治療は、進行度合いによって異なりますが、初期の治療では通常それほど強い痛みを感じることはありません。歯石除去(スケーリング)などでは、知覚過敏がある場合や歯ぐきの炎症が強い場合に、一時的にしみたり、チクチクとした痛みを感じたりすることがあります。しかし、必要に応じて麻酔を使用することも可能です。重度に進行して外科処置が必要な場合は麻酔を使用するため、痛みはほとんど感じません。心配な場合は、事前に歯科医師に相談してください。


Q4: 毎日歯を磨いているのに歯周病になると言われました。なぜですか?

毎日歯を磨いていても歯周病になると言われることは珍しくありません。主な原因として、以下の点が挙げられます。

  • 磨き残しがある: 歯ブラシだけでは届きにくい歯と歯の間や歯周ポケットの奥に**歯垢(プラーク)**が残り、歯周病菌が増殖している可能性があります。デンタルフロスや歯間ブラシの併用が必要です。
  • 磨き方が正しくない: 力を入れすぎている、磨く時間が短い、特定の場所ばかり磨いているなど、正しい歯みがき方法ができていない場合があります。
  • 歯石が除去されていない: 歯ブラシでは取れない歯石が蓄積し、歯周病菌の温床となっている可能性があります。これは歯科医院での専門的なクリーニングでしか除去できません。
  • 喫煙や全身疾患などのリスクファクターがある: 喫煙や糖尿病などの全身疾患は、歯周病のリスクを高め、進行を早めることが知られています。

歯科医院でブラッシング指導を受け、自分に合ったケア方法を見つけることが大切です。


Q5: 歯周病は遺伝しますか?

歯周病そのものが直接遺伝することはありません。しかし、歯周病になりやすい「体質」や「傾向」は遺伝する可能性があると言われています[15]。例えば、免疫システムの反応性や、歯ぐきの形態などが遺伝的に影響を受けることがあります。また、家族間で食生活やオーラルケアの習慣が似ていることで、結果的に家族全員が歯周病になりやすい環境にあることも考えられます。そのため、家族に歯周病の人がいる場合は、より一層注意して、早めの歯周病対策を心がけることが重要です。


泉岳寺駅前歯科クリニックのご案内

この記事をお読みになり、ご自身の歯ぐきの健康についてご不安を感じられた方もいらっしゃるかもしれません。泉岳寺駅前歯科クリニックでは、歯周病の早期発見適切な治療、そして予防に力を入れています。

当院は、東京都港区に位置し、泉岳寺駅A3出口から徒歩1分とアクセス抜群です。高輪ゲートウェイ駅品川駅からもアクセスが良く、お仕事帰りや買い物ついでにもお立ち寄りいただけます。

経験豊富な日本歯周病学会認定医である院長とスタッフが、患者様一人ひとりの口腔内の状態を丁寧に診察し、**最新の設備(歯科用CTやマイクロスコープなど)**も活用しながら、最適な治療計画をご提案いたします。歯周病に関するお悩みはもちろん、定期検診やクリーニング、その他お口に関するご相談がございましたら、どうぞお気軽にご来院ください。

泉岳寺駅前歯科クリニックは、皆様の歯と全身の健康をサポートするため、心を込めた診療を提供してまいります。

  • 泉岳寺駅前歯科クリニック
  • https://sengakuji-ekimae-dental.com/
  • アクセス: 泉岳寺駅A3出口より徒歩1分
  • (高輪ゲートウェイ駅、品川駅からもアクセス良好です)

皆様のご来院を心よりお待ちしております。


参考文献

[1] 日本臨床歯周病学会. 歯周病とは.

[2] Preshaw, P. M., et al. (2012). Periodontitis and diabetes: a two-way relationship. Diabetologia, 55(1), 21-31.

[3] Lockhart, P. B., et al. (2012). Periodontal disease and atherosclerotic cardiovascular disease: a scientific statement from the American Heart Association. Circulation, 125(25), 2530-2562.

[4] Desvarieux, M., et al. (2010). Periodontal bacteria and peripheral atherosclerosis. Circulation, 121(19), 2141-2149.

[5] Scannapieco, F. A., et al. (2003). Oral bacteria and pneumonia: the potential role of salivary pellicle. Journal of Periodontology, 74(12), 1735-1744.

[6] Offenbacher, S., et al. (1996). Periodontal infection as a possible risk factor for preterm low birth weight. Annals of Periodontology, 1(1), 558-570.

[7] Rosenberg, M. (1990). Clinical assessment of bad breath: current concepts. Journal of the American Dental Association, 121(3), 441-443.

[8] Socransky, S. S., & Haffajee, A. D. (2002). Dental biofilms: successful pathogens that resist host defenses and antimicrobial agents. Journal of Periodontal Research, 37(2), 113-118.

[9] Newman, M. G., Takei, H. H., Klokkevold, F. R., & Carranza, F. A. (Eds.). (2019). Carranza’s clinical periodontology. Elsevier. (General reference for periodontal concepts like plaque, calculus, pockets, and examination methods)

[10] Axelsson, P., & Lindhe, J. (1978). The effect of a preventive programme on dental plaque, gingivitis and caries in schoolchildren. Results after 1 and 2 years. Journal of Clinical Periodontology, 5(4), 241-258.

[11] Sambunjak, D., et al. (2011). Flossing for the management of periodontal diseases and dental caries in adults. Cochrane Database of Systematic Reviews, (12).

[12] Lang, N. P., et al. (1990). Maintenance of periodontal health by professional tooth cleaning with a dental floss or dental brush system. Journal of Clinical Periodontology, 17(8), 539-548.

[13] European Association for Osseointegration (EAO). (2018). EAO consensus conference proceedings: Clinical guidelines for the use of dental implants in periodontally compromised patients.

[14] Loos, B. G., & Van Dyke, T. E. (2020). The role of inflammation and genetics in periodontal disease. Periodontology 2000, 83(1), 26-39.

[15] Chapple, I. L. C., & Genco, R. (Eds.). (2020). Dynamics of inflammation and bone regeneration in periodontitis: from basic biology to clinical implications. Frontiers Media SA.

[16] Pihlstrom, B. L., et al. (2005). Periodontal disease. The Lancet, 366(9499), 1701-1712.

監修

院長

山脇 史寛Fumihiro YAMAWAKI

  • 略歴

    2009年
    日本大学歯学部卒業
    2009年
    日本大学歯学部附属病院研修診療部
    2010年
    東京医科歯科大学歯周病学分野
    2010年
    やまわき歯科医院 非常勤勤務
    2015年
    酒井歯科クリニック
    2021年
    泉岳寺駅前歯科クリニック 開院
  • 所属学会・資格

    • 日本歯周病学会 認定医
    • 日本臨床歯周病学会
    • アメリカ歯周病学会
    • 臨床基礎蓄積会
    • 御茶ノ水EBM研究会
    • Jiads study club Tokyo(JSCT)
    • P.O.P.(歯周-矯正研究会)
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