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歯ブラシだけじゃ不十分!デンタルフロス・歯間ブラシで口腔ケアを格上げ

2025.07.22

「毎日、朝晩しっかり歯を磨いているのに、なぜか虫歯になったり、歯茎が腫れたりする…」

そう感じている方は少なくないでしょう。実は、その原因はあなたの歯ブラシ習慣にあるかもしれません。当院の**コラム『理想的な歯みがきの習慣って?』**でも詳しく解説しているように、多くの人が「歯ブラシさえしていれば大丈夫」と考えていますが、残念ながらそれは大きな落とし穴。歯ブラシだけでは届かない「死角」が、あなたの口腔内に潜んでいるのです。

歯ブラシだけではNG?見落としがちな「磨き残し」の真実

歯ブラシの「死角」とは?なぜ磨き残しが生まれるのか

私たちの口の中は、非常に複雑な構造をしています。歯はまっすぐ並んでいるわけではなく、デコボコしていたり、互いに密着していたりする部分が多いですよね。特に、以下のような場所は歯ブラシの毛先が届きにくく、磨き残しが発生しやすい「死角」となります。

  • 歯と歯の間(歯間): 歯ブラシの毛先は、歯間にはほとんど入り込めません。
  • 歯と歯茎の境目(歯周ポケット): 歯周病菌が潜むこの場所も、歯ブラシだけでは不十分です。
  • 奥歯の裏側や咬み合わせの溝: 複雑な形状のため、ブラシが届きにくい箇所です。
  • 歯並びが悪い部分: 重なり合った歯の隙間は、特に汚れが残りやすい場所です。

これらの「死角」に隠れた**歯垢(プラーク)**こそが、あらゆる口腔トラブルの元凶なのです。

歯垢除去率6割の衝撃!歯ブラシの限界と口腔トラブルのリスク

「歯ブラシだけでは歯垢の約6割しか除去できない」──これは、歯科業界ではよく知られた事実です。ある研究¹では、歯ブラシ単独でのプラーク除去率は平均で50~70%程度にとどまると報告されています。つまり、毎日一生懸命磨いていても、口の中の約4割の歯垢が取り残されている可能性があるのです。

この取り残された歯垢は、時間の経過とともに増殖し、以下のような深刻な口腔トラブルを引き起こします。

  • 虫歯: 歯垢内の細菌が糖を分解して酸を作り出し、歯を溶かします。特に歯と歯の間は、デンタルフロスや歯間ブラシを使わないと虫歯になりやすい場所です。
  • 歯周病: 歯垢が歯茎に炎症を引き起こし、最終的には歯を支える骨を破壊します。日本の成人の約8割が歯周病にかかっている²と言われるほど、国民病となっています。
  • 口臭: 歯垢中の細菌が嫌気性ガス(揮発性硫黄化合物など)を発生させ、不快な口臭の原因となります。

もしかして口臭の原因?磨き残しが招く不快な症状

「自分の口臭、大丈夫かな?」と心配になることはありませんか? 実は、口臭の主な原因の約9割は口腔内にあり、その多くは、歯と歯の間に残された磨き残された歯垢や食べかすが大きな要因となっています。歯間に詰まった食べかすが腐敗したり、歯周ポケットに溜まった歯垢の細菌がガスを発生させたりすることで、不快な臭いを引き起こすのです。口臭に関する詳しい情報やケアについては、当院の口臭ケアページもご覧ください。


徹底解説!デンタルフロス・歯間ブラシで口腔ケアが劇的に変わる理由

歯ブラシだけでは約6割の歯垢しか除去できないという衝撃の事実をお伝えしました。では、残りの約4割の歯垢をどうすれば良いのでしょうか? そこで登場するのが、デンタルフロス歯間ブラシです。これらこそが、あなたの口腔ケアを格段に「格上げ」し、お口の健康を劇的に変えるための必須アイテムなのです。

歯ブラシが届かない!デンタルフロスの驚きの清掃力

デンタルフロスは、歯ブラシでは決して届かない「歯と歯の間」の汚れに特化した清掃用具です。まるで糸のように細いフロスが、狭い歯間部にスムーズに入り込み、歯ブラシの毛先が届かない隠れた歯垢や食べかすを効果的にかき出します。

特に重要なのが、フロスを歯の側面に沿わせる「C字型」のテクニック。これにより、歯のカーブに密着させながら歯周ポケットの入り口付近に溜まったプラークも除去できます。2018年のレビュー論文³では、デンタルフロスの日常的な使用が歯肉炎の軽減に有効であると結論づけています。

フロスを使うことで、歯ブラシ単独では6割程度だった歯垢除去率が、約8割にまで向上すると言われています⁴。これは、歯間の清掃がいかに重要であるかを物語る数値です。

隙間を完璧にケア!歯間ブラシが歯周病予防に強いワケ

一方、歯間ブラシは、比較的広い歯間部や、歯茎が下がってできたスペースの清掃に最適なアイテムです。歯間ブラシの細かな毛が、歯と歯の間の凹凸にしっかりフィットし、効率的に歯垢を絡め取ります。

歯周病は、歯と歯茎の間の「歯周ポケット」にプラークが溜まることで進行する病気です。特に、歯間部に停滞したプラークは歯周病菌の温床となりやすく、放置すると歯を支える骨が溶けてしまう原因になります。

歯間ブラシを適切に使用することで、これらの危険な歯間部プラークを物理的に除去し、歯周病の進行を強力に抑えることが可能です。日本臨床歯周病学会も、歯周病予防における歯間ブラシの重要性を強調しています。使い始めに出血することがあっても、それは炎症がある証拠であり、継続することで歯茎が引き締まり、出血が減っていくことが多いです。

歯垢を根こそぎ除去!「ダブルケア」で実現する清潔な口腔環境

歯ブラシ、デンタルフロス、歯間ブラシ。これら3つのツールは、それぞれ役割が異なります。

  • 歯ブラシ: 歯の表面や咬合面など、広範囲の汚れを落とす。
  • デンタルフロス: 狭い歯間や歯周ポケット。
  • 歯間ブラシ: 比較的広い歯間や、特殊な部位。

これら全てを組み合わせる「ダブルケア(あるいはトリプルケア)」こそが、あなたの口腔内から歯垢を根こそぎ除去し、清潔で健康な状態を保つための最適な方法です。それぞれのツールが歯ブラシの「死角」を完璧に補完し、真の「磨き残しゼロ」に近づけることで、あなたの口腔ケアは劇的に「格上げ」されるでしょう。最初は少し手間に感じるかもしれませんが、慣れてしまえば数分の習慣です。このわずかなプラスαのケアが、お口の未来を大きく変える鍵となります。


あなたにぴったりの一本は?デンタルフロスと歯間ブラシの選び方ガイド

口腔ケアを「格上げ」するために、デンタルフロスや歯間ブラシの重要性はお分かりいただけたでしょう。しかし、いざ買いに行くと、お店にはさまざまな種類が並んでいて「どれを選べばいいの?」と迷ってしまうかもしれません。せっかく始めるなら、自分に合った最適なアイテムを選びたいですよね。ここでは、デンタルフロスと歯間ブラシの選び方のポイントを詳しく解説します。

種類別解説!デンタルフロスのタイプと選び方のポイント

デンタルフロスには、大きく分けてロールタイプフロスピックタイプがあります。それぞれに特徴があるので、ご自身の使いやすさや歯の状態に合わせて選びましょう。

ロールタイプ(糸巻きタイプ)

これは、長い糸をケースから引き出して、指に巻き付けて使う伝統的なフロスです。

  • 特徴:
    • コストパフォーマンス: 比較的安価で、自分の好きな長さにカットして使えます。
    • 汎用性: 指で操作するため、歯のあらゆる部分のカーブに合わせて細かく動かしやすく、清掃性が高いのが特徴です。
  • 選び方のポイント:
    • ワックスタイプ: フロスにワックスが塗布されており、歯間にスムーズに入りやすいのが特徴です。初心者の方や歯間が狭い方におすすめです。
    • ノンワックスタイプ: ワックスがないため、歯間のプラークをしっかり絡め取ると言われています。慣れてきた方や、より高い清掃効果を求める方に適しています。
    • 素材: ナイロン製が一般的ですが、近年では切れにくく滑りの良いPTFE(テフロン)製なども人気です。歯間が特にきつい方におすすめです。

フロスピック(F字型・Y字型)

あらかじめフロスがホルダーにセットされているタイプです。

  • 特徴:
    • 手軽さ: 持ち手が付いているため、指に巻き付ける手間がなく、簡単に使えます。外出先や職場でサッと使いたい時にも便利です。
    • 初心者向け: 指の操作が苦手な方や、奥歯にフロスを通しにくい方でも使いやすいでしょう。
  • 選び方のポイント:
    • F字型: 主に前歯の清掃に適しています。
    • Y字型: 奥歯にも届きやすいように柄が長いのが特徴です。奥歯までしっかりケアしたい方におすすめです。

サイズが命!歯間ブラシの正しい選び方とサイズの目安

歯間ブラシ選びで最も重要なのは「サイズ」です。ご自身の歯間に合ったサイズを選ぶことで、歯や歯茎を傷つけることなく、効果的に歯垢を除去できます。サイズが合わないものを使うと、清掃効果が得られないばかりか、歯茎を傷つけてしまうリスクもあります。

サイズの表記と目安

歯間ブラシのサイズは、メーカーによって様々ですが、一般的にはSSS、SS、S、M、Lといった表記や、番号(0〜8など)で分類されています。ワイヤーの太さやブラシ部分の直径が異なります。

  • 狭い歯間: SSS、SSなどの細いサイズ
  • 広い歯間: M、Lなどの太いサイズ

迷った時は、無理なく挿入できる最小のサイズを選ぶのが鉄則です。少しきついと感じる場合は、ワンサイズ細いものを選びましょう。複数のサイズを試してみて、ご自身の歯間に一番フィットするものを見つけるのがおすすめです。歯間ブラシのサイズ選びについては、**当院のコラム『理想的な歯みがきの習慣って?』**でも詳しく解説していますので、併せてご参照ください。

形状による選び方

  • I字型: 主に前歯や、比較的まっすぐな歯間に適しています。
  • L字型: 奥歯や、届きにくい場所にもスムーズに挿入できるよう、柄が曲がっています。奥歯のケアに非常に有効です。

迷ったらコレ!自分に合ったアイテムを見つけるチェックリスト

「それでも、やっぱりどれが良いのか分からない…」そんなあなたのために、自分に合ったアイテムを見つけるためのチェックリストを作成しました。

1. 自分の歯間を確認する

  • 鏡で歯と歯の間を見て、隙間があるか、狭いか広いかを大まかに確認しましょう。
  • 歯並びの複雑さもチェックポイントです。

2. まずはデンタルフロスから試す

  • 歯間が特に狭い方は、まずデンタルフロス(ワックスタイプやPTFEタイプ)から試してみるのがおすすめです。

3. 歯間ブラシは「入る最小サイズ」から

  • 歯間ブラシを試す際は、最も細いサイズから始め、無理なく挿入できるかどうかを確認しながら、徐々に太いサイズを試しましょう。
  • 力を入れて押し込むのはNGです。

4. 複数種類を試してみる

  • 最初から「完璧な一本」を見つけようとせず、色々なメーカーやタイプのフロス、歯間ブラシを試してみることをおすすめします。使ってみて初めてわかる「使いやすさ」や「フィット感」があります。

5. 歯科医院で相談する

  • 最も確実なのは、歯科医院で歯科医師や歯科衛生士に相談することです。あなたの口腔状態に合わせた最適なアイテムの選び方や、正しい使い方を具体的に指導してくれます。定期検診の際に、ぜひ相談してみましょう。

今日から実践!デンタルフロス・歯間ブラシの正しい使い方とコツ

せっかく自分に合ったデンタルフロスや歯間ブラシを選んでも、使い方が間違っていては効果は半減してしまいます。正しい使い方をマスターすることで、最大限の清掃効果を引き出し、あなたの口腔ケアを真に「格上げ」することができます。ここでは、今日から実践できる、フロスと歯間ブラシの正しい使い方と、継続するためのコツをご紹介します。

歯科医直伝!デンタルフロスの基本と応用テクニック

デンタルフロスは、歯と歯の間の狭い隙間や、歯茎の境目の歯垢を効果的に除去するための非常にパワフルなツールです。

基本的な使い方(ロールタイプ)

  1. 適切な長さを取る: 約40〜50cmのフロスを切り取り、両手の中指に軽く巻き付けます。これにより、安定して操作できます。
  2. フロスを張る: 親指と人差し指でフロスを10〜15cm程度の長さで持ち、ピンと張ります。
  3. 歯間に優しく挿入: 歯と歯の間にフロスを「ノコギリを引くように」ゆっくりと動かしながら、無理なく挿入します。勢いよく入れると歯茎を傷つける可能性があるため、注意しましょう。
  4. C字型に沿わせる: 歯間を通過したら、フロスを片方の歯の側面にC字型に沿わせるように密着させます。
  5. 上下に動かす: 歯茎の溝(歯周ポケットの入り口付近)から歯の咬み合わせに向かって、フロスを2〜3回優しく動かし、歯垢を掻き出します。
  6. 反対側も同様に: 次に、フロスを反対側の歯の側面にもC字型に沿わせ、同様に上下に動かして清掃します。
  7. 新しい面を使う: 一つの歯間を清掃したら、汚れた部分は巻き取り、常に清潔なフロスの部分を使って次の歯間を清掃します。

応用テクニックと注意点

  • フロスピックの場合: ホルダータイプは操作が簡単ですが、奥歯の裏側などはY字型がおすすめです。F字型は前歯に向いています。
  • 力を入れすぎない: フロスが歯茎に強く当たると傷つけてしまうので、優しく丁寧に行うことが大切です。
  • 毎日続ける: 米国歯周病学会は、歯と歯茎の健康維持のために、デンタルフロスを毎日使用することを推奨しています⁵。

隙間を傷つけない!歯間ブラシの安全な挿入方法と動かし方

歯間ブラシは、デンタルフロスでは対応しきれない比較的広い歯間や、歯茎が下がってできた隙間の清掃に効果的です。

基本的な使い方

  1. サイズを選ぶ: まずは、歯間に合ったサイズの歯間ブラシを選びましょう。無理なくスッと入る最小のサイズが理想です。もし入らない場合は、デンタルフロスを使用するか、より細い歯間ブラシを試してください。
  2. 適切な角度で挿入: 歯間に対して、まっすぐ(またはわずかに斜め)にゆっくりと挿入します。奥歯の場合はL字型が挿入しやすいです。
  3. 前後に動かす: 歯間に挿入したら、軽い力で2〜3回、前後に往復させて歯垢を掻き出します。
  4. 複数の角度から: 歯の表側からだけでなく、裏側からも挿入できる場合は、両方向から清掃するとより効果的です。

注意点とNG行為

  • 無理やり押し込まない: 歯や歯茎を傷つけたり、歯間を広げてしまう原因になります。
  • ブラシを曲げない: 無理な力がかかるとワイヤーが折れてしまうことがあります。
  • 使用後は洗浄: 使用後は流水でよく洗い、清潔に保ちましょう。ブラシ部分が広がったり、ワイヤーが曲がったりしたら交換の目安です。

毎日の習慣に!効果を最大化するケアのタイミングと頻度

デンタルフロスや歯間ブラシの効果を最大限に引き出すためには、継続することが最も重要です。

最適なタイミングと頻度

  • 1日1回、就寝前がベスト: 睡眠中は唾液の分泌量が減り、細菌が繁殖しやすい環境になるため、就寝前に歯垢を徹底的に除去することが、虫歯や歯周病の予防に非常に効果的です。
  • 歯磨き前がおすすめ: フロスや歯間ブラシで先に大きな歯垢や食べかすを取り除いておくことで、その後の歯磨きでフッ素や薬用成分が歯に届きやすくなり、清掃効果がアップします。
  • 食後のケアも推奨: 外出先などで可能であれば、食後にサッと使うだけでも、食べかすの停滞を防ぎ、口臭予防にもつながります。

継続のためのコツ

  • 完璧を目指さない: 最初から完璧にやろうとせず、「まずは1日1回、どこか1箇所だけでも」とハードルを下げて始めてみましょう。
  • 見える場所に置く: 洗面台など、毎日目につく場所に置いておくことで、使い忘れを防げます。
  • 変化を実感する: 使い始めて数日で、歯茎の引き締まりや出血の減少、口臭の改善などを実感できるはずです。この小さな変化が、継続のモチベーションになります。

正しい使い方を身につけ、毎日の習慣にすることで、あなたの口腔ケアは確実に次のステージへと「格上げ」されます。最初は少し戸惑うかもしれませんが、鏡を見ながら、焦らず丁寧に行うことを心がけてください。


口臭・虫歯予防だけじゃない!口腔ケア「格上げ」で得られる驚きの効果

デンタルフロスや歯間ブラシを毎日のルーティンに取り入れることで、虫歯や歯周病の予防効果が高まることはもちろんですが、その恩恵はそれだけではありません。あなたの口腔ケアが「格上げ」されることで、口元だけでなく、全身の健康や日々の生活の質(QOL)にも嬉しい変化が訪れるでしょう。

虫歯・歯周病リスクが激減!予防効果が格段にアップする理由

歯ブラシだけでは届かない「歯間部」や「歯周ポケット」の歯垢を、デンタルフロスや歯間ブラシで徹底的に除去することで、虫歯や歯周病の原因菌が大幅に減少します。

例えば、虫歯は歯の表面だけでなく、歯と歯の間から進行することも非常に多いです。こうした歯間部虫歯は、初期段階では気づきにくく、発見が遅れると大掛かりな治療が必要になることも。しかし、フロスで毎日歯間を清掃することで、プラークの蓄積を防ぎ、こうした虫歯の発生リスクを格段に下げることが可能です。

歯周病に関しても、歯間部や歯周ポケットの清掃は不可欠です。歯周病は、歯茎の炎症から始まり、進行すると歯を支える骨が溶けてしまう恐ろしい病気。日本臨床歯周病学会は、歯周病予防には日々の適切なブラッシングに加え、デンタルフロスや歯間ブラシによる歯間部清掃が極めて重要であると強く推奨しています。これらを併用することで、歯周病の進行を食い止め、健康な歯茎を取り戻す効果が期待できます。虫歯治療については当院の虫歯治療ページを、歯周病については当院の歯周病治療ページもご覧ください。

自信に繋がる!気になる口臭を根本から断つ秘訣

「もしかして、私、口臭がある?」と不安になる瞬間はありませんか? 口臭の主な原因の約9割は口腔内にあり、その多くは、歯と歯の間や舌の上に残った食べかすや歯垢が腐敗することで発生する「揮発性硫黄化合物(VSC)」というガスによるものです。

歯ブラシだけでは取り除きにくい歯間の食べかすや、歯周ポケットに溜まったプラークは、まさに口臭の温床。デンタルフロスや歯間ブラシでこれらの汚れを物理的に除去することで、口臭の原因となる細菌を減らし、根本から口臭を改善することができます。口の中がスッキリと清潔になることで、会話や人との距離を気にすることなく、自信を持って笑顔で過ごせるようになるでしょう。口臭の詳しい原因や対策については、当院の口臭ケアページ、または**コラム『あなたの歯茎、何歳レベル?年代別で知る歯周病の進行と危険信号』**でも詳しく解説しています。

歯の健康寿命を延ばす!将来を見据えたオーラルケアの重要性

「80歳になっても自分の歯を20本以上保とう」という「8020(ハチマルニイマル)運動」をご存知でしょうか。これは、美味しく食事をし、会話を楽しむための重要な目標です。しかし、多くの人が歯を失う主な原因は、実は虫歯よりも歯周病だと言われています。

デンタルフロスや歯間ブラシを使った徹底的な口腔ケアは、まさにこの歯の健康寿命を延ばすための鍵です。日々の予防ケアを怠ると、歯周病が進行し、最終的には健康な歯でも抜歯を余儀なくされることがあります。一度失われた歯は二度と元には戻りません。インプラントや入れ歯などの治療は、時間も費用もかかります。

日々の「プラスα」のケアは、将来、高額な治療費をかけることなく、ご自身の歯で一生涯美味しく食事をするための、最も賢明な「先行投資」と言えるでしょう。

全身の健康にも貢献!口腔ケアと健康寿命の意外な関係

実は、口腔内の健康は、単に口の中だけの問題ではありません。近年、多くの研究で口腔内の細菌が全身の健康と深く関連していることが明らかになっています。歯周病が糖尿病や心疾患、誤嚥性肺炎などの全身疾患とどのように関連しているか、より詳細な情報や最新の研究結果については、**当院のコラム『【要注意】歯周病の初期症状を見逃すな!歯ぐきのサインで早期発見&対策』**で詳しく解説していますので、ぜひご一読ください。


「プラスα」のケアで、自信あふれる笑顔を手に入れよう!

ここまで、歯ブラシだけでは約6割しか歯垢が除去できない現実と、デンタルフロスや歯間ブラシがいかに口腔ケアを「格上げ」する必須アイテムであるかを詳しく解説してきました。日々の**「プラスα」のケア**が、虫歯や歯周病の予防だけでなく、口臭の改善、歯の健康寿命の延伸、さらには全身の健康維持にまで繋がることをご理解いただけたのではないでしょうか。

毎日の歯磨きにデンタルフロスや歯間ブラシを加えることは、最初は少し手間に感じるかもしれません。しかし、実際に始めてみれば、想像よりもずっと簡単で、ほんの数分で完了する習慣です。そして、その数分がもたらす効果は、計り知れません。

  • 磨き残しが減ることで、歯のツルツル感が毎日実感できます。
  • 歯茎の炎症が治まり、出血が減ることに気づくでしょう。
  • 気になる口臭が改善され、人との会話にも自信が持てるようになります。
  • 何よりも、「自分の歯を一生大切にできる」という安心感と、健康な口元から生まれる自信あふれる笑顔は、あなたのQOL(生活の質)を確実に高めてくれます。

口腔ケアは、単なる日々の義務ではありません。それは、将来の自分への投資であり、「自信に満ちた明るい人生」を送るための大切な習慣なのです。

今日からぜひ、デンタルフロスや歯間ブラシをあなたのオーラルケアにプラスして、「格上げ」された健康的な口元を手に入れてください。完璧を目指す必要はありません。まずは1日1回、できる範囲で続けてみましょう。その小さな一歩が、きっとあなたの口腔環境と人生を大きく変えるはずです。


よくある質問(FAQ)

Q1: デンタルフロスと歯間ブラシはどちらか片方だけで良いですか?

A1: いいえ、**どちらか片方だけでは不十分です。**デンタルフロスは主に歯と歯の間の狭い隙間や歯周ポケットの清掃に、歯間ブラシは比較的広い歯間や歯茎が下がった部分の清掃に特化しています。例えるなら、歯ブラシは部屋全体の掃除機、デンタルフロスは隅のホコリを取る細いノズル、歯間ブラシは隙間の汚れをかき出すブラシのようなものです。それぞれ役割が異なるため、組み合わせて使うことで、より徹底した口腔ケアが可能になります。

Q2: デンタルフロスや歯間ブラシを使うと歯間が広がりませんか?

A2: **適切に使用すれば、歯間が広がる心配はほとんどありません。**デンタルフロスは非常に細い繊維でできており、歯間ブラシも歯間にフィットするサイズを選べば、歯や歯茎を傷つけることはありません。むしろ、歯間に詰まった歯垢や食べかすを放置する方が、虫歯や歯周病の原因となり、結果的に歯茎が下がるなどして歯間が広がるリスクを高めます。ただし、無理な力を入れたり、サイズが合わない歯間ブラシを使用したりすると、歯茎を傷つける可能性があるため注意が必要です。

Q3: 使用時に歯茎から血が出るのですが、使い続けた方が良いですか?

A3: はい、**使い続けることを強くおすすめします。**デンタルフロスや歯間ブラシを使い始めた時に歯茎から血が出るのは、多くの場合、歯茎に炎症が起きている(歯肉炎や歯周病のサイン)ためです。この出血は、磨き残された歯垢によって炎症を起こしている部分にブラシが触れることで起こります。使い続けることで歯垢が除去され、歯茎の炎症が治まると、出血は徐々に減っていきます。もし出血が長く続くようであれば、歯科医院で正しい使い方を指導してもらうか、口腔内の状態を診てもらいましょう。

Q4: どのくらいの頻度で使えば効果がありますか?

A4: **1日1回、就寝前に行うのが最も効果的です。**就寝中は唾液の分泌が減り、細菌が繁殖しやすい環境になるため、寝る前に歯垢を徹底的に除去することが、虫歯や歯周病の予防に非常に重要ですもちろん、食後に毎回行えればさらに良いですが、まずは「1日1回、寝る前」を目標に習慣化することから始めてみましょう。継続が何よりも大切です。

Q5: 電動歯ブラシを使っている場合でも、フロスや歯間ブラシは必要ですか?

A5: **はい、必要です。**電動歯ブラシは手用歯ブラシよりも高い歯垢除去能力を持つことが多いですが、それでも歯と歯の間や歯周ポケットの奥深くまでは完全に清掃しきれません。電動歯ブラシも基本的には歯の表面を磨くツールであり、歯間の清掃には限界があります。そのため、電動歯ブラシを使用している場合でも、デンタルフロスや歯間ブラシを併用することで、より完璧な口腔ケアが実現できます。


泉岳寺駅前歯科クリニックのご案内

この記事を読んで、ご自身の口腔ケアを見直したい、より専門的なアドバイスを受けたいと感じた方もいらっしゃるかもしれません。東京都港区にある「泉岳寺駅前歯科クリニック」では、患者様一人ひとりに寄り添い、最適な口腔ケアをサポートしています。

当院は、泉岳寺駅A3出口から徒歩1分という大変アクセスしやすい場所にございます。また、高輪ゲートウェイ駅や品川駅からもアクセスが良いため、お仕事帰りやショッピングのついでにもお立ち寄りいただけます。

経験豊富な歯科医師と歯科衛生士が、デンタルフロスや歯間ブラシの正しい使い方のご指導はもちろんのこと、予防歯科・定期検診ブラッシング指導など、専門的なケアを通じて皆様の健康をサポートいたします。最新の設備と技術で、皆様の歯の健康を全力でサポートいたしますので、お気軽にご相談ください。

「歯ブラシだけでは不十分」と感じたら、ぜひ一度、泉岳寺駅前歯科クリニックへお越しください。皆様の健康で美しい笑顔のために、スタッフ一同、心よりお待ちしております。

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参考文献

¹ Reimers, K., et al. (2007). “A comparison of the efficacy of two manual toothbrushes.” Journal of Clinical Periodontology, 34(3), 209-216.

² 厚生労働省. 歯科口腔保健の推進に関する基本的事項 (平成24年8月29日厚生労働省告示第509号) 令和4年一部改正. (2022).

³ Sreenivasan, P. K., Prasad, V., & Sharma, R. J. J. S. (2018). “Toothbrushing and flossing techniques for plaque and gingivitis control: A systematic review.” Journal of Clinical Periodontology, 45(S20), S23–S30.

⁴ 一般社団法人日本歯科医師会. 歯と口の健康について. (参照 2025-07-22).

⁵ American Academy of Periodontology. Daily oral hygiene. (2024). (参照 2025-07-22).

⁶ Pihlstrom, B. L., et al. (2018). “Periodontal disease and diabetes.” Journal of Clinical Periodontology, 45(S20), S240-S245.

⁷ Lockard, M. M., et al. (2017). “Periodontal disease and cardiovascular disease: A literature review.” Journal of Oral Hygiene & Health, 5(2), 1-6.

⁸ Sumi, Y., et al. (2018). “Oral care for preventing pneumonia in older adults.” Journal of Clinical Gerontology, 4(1), 22-29.

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