column 歯周病

歯周病治療の基本を知る!スケーリングで歯周病菌とサヨナラ

2025.07.29

歯周病はなぜ「国民病」?気づかぬうちに忍び寄るサイレントキラー

日本人の8割が罹患?あなたの歯も危ない歯周病の現状

「歯周病」と聞くと、どこか他人事のように感じるかもしれません。しかし、驚くべきことに、日本人の成人の約8割が何らかの歯周病にかかっていると言われています[1]。特に30歳以上になるとその割合は顕著に高まり、まさに「国民病」と呼ぶにふさわしい状況です。これは、決して珍しい病気ではなく、誰もが罹患する可能性のある、非常に身近な病気なんです。

多くの方が「自分は大丈夫」と思いがちですが、歯周病は初期段階ではほとんど自覚症状がないため、気づかないうちに静かに進行していくことが最大の危険性です。この「サイレントキラー」は、水面下で着実に歯を蝕み、気づいた時には手遅れ、というケースも少なくありません。

痛みがないから見過ごしがち!歯周病の初期症状とは

歯周病が「サイレントキラー」と呼ばれるゆえんは、その症状にあります。初期段階では、歯茎が少し腫れたり、歯磨きの時に軽く出血したりする程度で、痛みを感じることは稀です。そのため、「そのうち治るだろう」と軽く見てしまいがちですが、これこそが歯周病の罠。

もし、以下のようなサインに心当たりがあれば、それはすでに歯周病が始まっている証拠かもしれません。

歯周病の主な初期症状

  • 歯磨き中に歯茎から血が出る
  • 歯茎が赤く腫れている
  • 口臭が気になる
  • 歯茎が下がってきたように感じる

これらのサインは、体からのSOSです。痛みがないからといって放置せず、早期に歯科医院を受診することが、大切な歯を守り、健康な未来を築くための最初のステップとなります。

泉岳寺駅前歯科クリニックの歯周病治療について、さらに詳しくお知りになりたい方は、こちらのページをご覧ください。

歯周病治療 | 泉岳寺駅前歯科クリニック


あなたの歯周病、その原因は「歯石」だった!

歯垢(プラーク)が「石」に変わるメカニズム

では、なぜ歯周病は進行するのでしょうか?その最大の元凶の一つが「歯石」です。毎日の歯磨きで「磨いたつもり」になっていても、どうしても磨き残しは発生します。この磨き残された細菌の塊が「歯垢(プラーク)」です。プラークは、お口の中でネバネバとした白い塊として存在し、歯磨きで取り除くことが可能です。

しかし、このプラークが歯に付着したまま時間が経つと、唾液中に含まれるカルシウムやリン酸といったミネラルと結合し、石のように硬く変化してしまいます。これが「歯石」です。一度歯石になってしまうと、ご自身の歯ブラシでは決して取り除くことができません。 硬くこびりついた歯石を除去するには、歯科医院での専門的な処置が不可欠となります。

歯石が歯周病菌の「隠れ家」になる理由

この歯石のやっかいな点は、その表面が非常にザラザラとしていることです。想像してみてください、なめらかな面よりも、デコボコした面の方が汚れがつきやすいですよね?歯石も同じで、その粗い表面には、さらに多くのプラークや、歯周病の原因となる細菌(歯周病菌)が容易に付着し、繁殖しやすくなります。

特に、歯と歯茎の境目にある「歯周ポケット」の奥深くに歯石が形成されると、そこは歯ブラシの毛先が届かない絶好の隠れ家となってしまいます。歯周病菌は、この隠れ家の中で強力な集団(バイオフィルム)を形成し、ますます勢いを増していきます[2]。歯石は、まさに歯周病菌にとっての「難攻不落の要塞」であり、炎症を悪化させ、歯周病を進行させる根本的な原因となるのです。

放置するとどうなる?歯周病が引き起こす深刻なダメージ

歯石が引き起こす歯周病は、単なる口の中の炎症に留まりません。歯周ポケットの奥深くで増殖した歯周病菌は、毒素を放出し、体はその毒素に対抗しようと炎症反応を起こします。この炎症が慢性化すると、歯を支える土台である歯槽骨(しそうこつ)や歯根膜といった歯周組織が徐々に破壊されていきます[3]。

歯周病進行による主なダメージ

  • 歯茎の炎症と出血: 歯茎が赤く腫れ上がり、歯磨きや少しの刺激で簡単に出血するようになります。
  • 歯周ポケットの深化: 歯周組織の破壊が進むと、歯と歯茎の間の溝がさらに深くなり、細菌がさらに蓄積しやすい悪循環に陥ります。
  • 歯のぐらつき: 歯槽骨が溶かされると、歯を支える力が弱まり、歯がぐらつき始めます。
  • 最終的な抜歯: 最終的には、歯が自然に抜け落ちてしまったり、抜歯せざるを得ない状況になったりするリスクが高まります。

さらに、近年では、歯周病菌が歯茎の血管から全身に運ばれ、糖尿病の悪化心臓病・脳卒中のリスク上昇、さらには誤嚥性肺炎早産・低体重児出産といった全身疾患にも影響を及ぼすことが明らかになっています[4][5][6][7][8]。歯周病は、まさに全身の健康を脅かす深刻な病気なんです。


歯周病治療の第一歩!「スケーリング」で歯石を徹底除去

スケーリングってどんな治療?その目的と基本

歯周病の恐ろしさ、そしてその元凶である歯石の存在を理解いただけたでしょうか。では、その歯周病からお口を守り、健康を取り戻すために不可欠な治療こそが、スケーリングです。

スケーリングは、単なる歯のクリーニングとは一線を画します。歯周病が進行し、歯茎の下の歯周ポケットが深くなると、日常の歯磨きでは歯石やプラーク、そして歯周病菌の塊であるバイオフィルムを完全に除去することはできません。スケーリングは、歯科医師や歯科衛生士が専門的な技術と器具を使って、この手の届かない深部の歯石とプラーク(バイオフィルム)を物理的に徹底除去する専門的な治療なんです。

スケーリングの主な目的

  • 歯石とプラーク(バイオフィルム)の徹底除去: 歯周病菌が繁殖する足場である歯石と、その上に付着するプラークを根こそぎ取り除きます。
  • 歯周ポケットの清掃: 歯周ポケット内の細菌や毒素を除去し、清潔な状態にします。
  • 歯周組織の回復の土台作り: 炎症を鎮め、歯茎が歯根に再び付着しやすい環境を整えます[9]。

まさに、歯周病治療の基本中の基本であり、これを行うことで歯周病菌の温床をなくし、炎症を鎮め、歯周組織の健康を取り戻すための土台を築きます[9]。

超音波スケーラーと手用スケーラー:プロの技で徹底アプローチ

スケーリングの際には、患者さんの状態や歯石・プラークの付着状況に合わせて、主に以下の2種類の専門器具を使い分けながら治療を行います。

使用する主な器具

  • 超音波スケーラー
    • 先端が超音波の振動を発生させ、水と共に歯石やプラークに当てることで、硬くこびりついた歯石や、歯面に付着したプラークを効率的に砕き、洗い流します。
    • 比較的大量の歯石やプラークを迅速に除去できるのが特徴で、振動と水流によってこれらが歯面から剥がれやすくなります。
    • 主に歯茎より上や、比較的浅い歯周ポケット内の歯石・プラーク除去に用いられます。
  • 手用スケーラー(キュレット)
    • 鎌状やフック状の小さな器具で、歯科衛生士が手で操作し、歯周ポケットの奥深く、特に超音波スケーラーでは届きにくい部分の歯石やプラークを、手探りで丁寧に除去します。
    • 歯根の複雑な形状に合わせて、一つ一つの歯石やプラークを確実に剥がしていくため、熟練した技術と繊細な感覚が求められます。
    • 歯根面の状態を確認しながら、歯石・プラークの取り残しがないかを入念にチェックします。

これら二つの器具を併用することで、歯周ポケットのあらゆる箇所の歯石とプラークを確実に除去し、治療の精度を最大限に高めることが可能になります。

なぜスケーリングが「歯周病治療の基本」なのか?

歯周病の治療を考える上で、スケーリングが「基本中の基本」とされるのには明確な理由があります。歯周病は、歯石と、それに付着したプラーク、そして歯周病菌が原因で引き起こされる炎症です。この根本原因である歯石やプラークを除去しない限り、どんな治療を施しても、歯周病の進行を止めることはできません。

スケーリングによって歯周病菌の隠れ家である歯石とプラークがなくなり、炎症の元が取り除かれることで、歯茎は自ら回復しようとする力を取り戻します。これにより、歯茎の腫れや出血が治まり、健康な状態へと向かう土台が築かれるのです[9]。

歯周病が進行した場合は、スケーリングだけでは不十分で、歯周外科処置が必要になることもあります。しかし、そういったより高度な治療に進む際も、必ずスケーリングによる初期治療が前提となります。まさに、歯周病を克服するための第一歩であり、最も重要な基礎となる治療と言えるでしょう。


スケーリングの驚くべき効果!歯周病菌と炎症にサヨナラ

悪玉菌を激減!スケーリングが変える口腔内細菌バランス

スケーリングは、単に歯石を取り除く処置ではありません。その最大の目的は、歯周ポケット内に深く潜む歯周病菌を徹底的に排除し、口腔内の細菌バランス(細菌叢)を健康な状態へと導くことにあります。

歯周病菌、特に酸素を嫌う嫌気性菌(例えば、Porphyromonas gingivalis菌などは歯周病の主要な病原菌として知られています)は、歯石という足場にバイオフィルムという強固な膜を形成し、その中で強力な集団を形成しています[2]。これは、まるで難攻不落の要塞のように、歯ブラシやうがい薬ではなかなか破壊できません。しかし、スケーリングは、この強固なバイオフィルムを物理的に除去することで、歯周病菌の数を大幅に減少させます[9, 10]。

スケーリングによって悪玉菌が減少し、善玉菌が増えることで、口腔内の環境は劇的に改善されます。特に、清潔で酸素が行き渡りやすい環境になることは、嫌気性菌の繁殖を抑制する上で非常に効果的です。これにより、歯周病の進行が食い止められ、健康な口腔内環境への第一歩となるんです。

腫れと出血が劇的に改善!炎症鎮静のメカニズム

歯周病が進行すると、歯茎は赤く腫れ上がり、歯磨きや少しの刺激で簡単に出血するようになります。これは、歯周病菌が放出する毒素や、それに対する体の**過剰な免疫反応(炎症)**が過剰に働いているためです。

スケーリングによって、歯周病の直接的な原因である歯石や細菌が口腔内から除去されると、これらの炎症を引き起こす物質がなくなります。すると、まるで火事の原因を取り除くように、過剰な免疫反応が鎮静化し、炎症の元がなくなることで、歯茎の腫れや出血は徐々に治まっていきます[9]。

多くの研究で、スケーリングが歯茎の炎症を顕著に軽減し、健康なピンク色の引き締まった歯茎へと改善させる効果が示されています[9, 11]。これは、スケーリングが歯周病の根本原因にアプローチする、非常に有効な治療法であることの証拠です。

気になる口臭も解決!スケーリングがもたらす清々しさ

歯周病のもう一つの大きな悩みとして挙げられるのが「口臭」です。歯周病が原因の口臭は、主に歯周病菌が口腔内のタンパク質を分解する際に発生させる**揮発性硫黄化合物(VSC)**という物質が原因です。特に「卵が腐ったような」「生ゴミのような」と表現される不快な臭いは、このVSCによるものが多いとされています[12]。

スケーリングによって歯周病菌の数が減少すると、それに伴い、歯周病菌の代謝産物であるVSCの産生も抑えられます。その結果、口臭が大幅に改善されるメカニズムです[13]。多くの患者さんがスケーリング後に「口臭が気にならなくなった」と実感されるのは、口腔内の環境が根本的に改善された明確なサインと言えるでしょう。

口臭はデリケートな問題であり、日常生活における自信や人間関係にも影響を与えることがあります。スケーリングによって口臭が根本から改善される可能性が高いため、この悩みを抱えている方はぜひ歯科医院で相談してみてください。


スケーリングだけでは終わらない!歯周病を再発させないために

歯周病治療成功のカギ!SRP後の正しいセルフケア

スケーリングは、歯周病治療において非常に効果的な処置であり、歯周病菌を「サヨナラ」させるための強力な一歩です。しかし、これで治療がすべて完了したわけではありません。スケーリングはあくまで、歯周病をコントロールするための「スタートライン」なんです。せっかく回復した歯茎の健康を維持し、歯周病の再発を防ぐためには、その後の適切なケアと予防策が不可欠となります。

スケーリングで専門家が徹底的に除去した歯周病菌や歯石も、日々のケアを怠れば再び増殖し、歯周病が再発してしまう可能性は十分にあります。だからこそ、毎日のセルフケアが、スケーリングの効果を最大限に引き出し、持続させるための最も重要なカギとなります。

効果を最大限に引き出す歯磨き術

  • 適切な歯ブラシの選択: 毛先が細く、柔らかめの歯ブラシを選びましょう。歯周ポケットの奥まで毛先が届きやすいものが理想的です。
  • 正しいブラッシング方法: 歯と歯茎の境目に毛先を45度の角度で当て、軽い力で小刻みに動かす「バス法」などが効果的です。力を入れすぎると歯茎を傷つけたり、歯を削ってしまったりする原因になるので注意が必要です。
  • 歯間ケアの徹底: 歯ブラシだけでは、歯と歯の間や、歯並びの悪い部分の汚れは十分に落とせません。
    • 歯間ブラシ: 歯と歯の隙間に合わせてサイズを選び、丁寧に清掃します。特に歯周病で歯茎が下がっている方は、歯間が広くなりがちなので必須アイテムです。
    • デンタルフロス: 歯と歯が密着している部分のプラーク除去に非常に効果的です。歯周ポケットの深い部分の清掃にも役立ちます。

これらを毎日活用することで、歯周病菌の隠れ家をなくし、お口の中を常に清潔に保つことができます。

電動歯ブラシと手磨きの比較については、こちらのコラムも参考にしてください。

電動歯ブラシ vs 手磨き:歯周病予防に効果的なのは? | 泉岳寺駅前歯科クリニック

歯間ブラシの選び方については、こちらのコラムで詳しく解説しています。

歯間ブラシの選び方完全ガイド:あなたの歯に合ったサイズを見つけよう | 泉岳寺駅前歯科クリニック

プロの目でチェック!定期検診とPMTCの重要性

どんなに丁寧なセルフケアを毎日行っていても、どうしても磨き残しは発生してしまうものです。また、一度歯石になってしまったものは、ご自身の歯ブラシでは除去できません。そこで重要になるのが、歯科医院での定期的なプロフェッショナルケアです。

定期検診の必要性

スケーリング後も、歯科医院での定期検診は欠かせません。歯科医師や歯科衛生士が、歯周ポケットの深さ、歯茎の状態、プラークの付着状況などを詳細にチェックします[14]。これにより、歯周病の再発や新たな問題の兆候を早期に発見し、対処することが可能になります。早期に発見できれば、簡単な処置で済む場合も多く、歯周病の再進行を防ぐ上で極めて重要です。

PMTC(プロフェッショナル・メカニカル・トゥース・クリーニング)の役割

定期検診と合わせて行われるのが、PMTCです。これは、歯科医師や歯科衛生士が専用の器具を使用し、歯の表面や歯周ポケットの浅い部分に付着したプラーク、バイオフィルム、そして茶渋などの着色汚れを徹底的に除去する処置です。スケーリングでは対応できない微細な汚れや、日常生活で付着した汚れを取り除くことで、虫歯や歯周病の予防効果をさらに高めます。

一般的に、スケーリング後は3ヶ月から6ヶ月に一度の定期的な検診とPMTCが推奨されます[14]。この継続的なプロフェッショナルケアこそが、歯周病で得た治療効果を長期間維持するための最も効果的な方法なんです。

泉岳寺駅前歯科クリニックの予防歯科について、詳しくはこちらをご覧ください。

予防歯科・メンテナンス | 泉岳寺駅前歯科クリニック


今すぐ行動を!スケーリングで健康な歯と未来を手にしよう

これまで、歯周病がいかに身近で深刻な「国民病」であるか、そしてその最大の原因が歯石であり、歯周病菌の温床となるメカニズムについて詳しく解説してきました。そして、歯周病治療の基本であるスケーリングが、この歯石とプラークを徹底的に除去し、口腔内の健康を取り戻す上でいかに不可欠であるかをご理解いただけたかと思います。

スケーリングは、単に歯をきれいにするだけでなく、歯周病菌の数を減らし、歯茎の炎症や出血を改善し、さらには長年の悩みであった口臭までも解決へと導く、驚くべき効果をもたらします。まさに、健康な歯と、清々しい毎日を取り戻すための重要な第一歩なんです。

歯周病は、放置すると歯を支える骨が溶けてしまい、最終的には大切な歯を失ってしまう原因となります。しかし、初期の段階では自覚症状が少ないため、気づかないうちに病気が進行してしまうことがほとんどです。だからこそ、早期発見・早期治療が何よりも重要になります。

もし、歯茎からの出血、腫れ、口臭、または歯がグラグラするといった症状に心当たりがあるなら、それは歯周病のサインかもしれません。また、たとえ自覚症状がなくても、前回の歯科検診から時間が経っている場合は、一度お口の状態をチェックしてもらうことを強くお勧めします。

スケーリングを含む適切な歯周病治療は、あなたの歯の寿命を延ばし、そして口腔内環境の改善を通じて全身の健康を守る上でも非常に大きな意味を持ちます。専門家による精度の高い歯石除去と、その後の適切なセルフケア、そして定期的なメンテナンスを継続することで、歯周病の再発を防ぎ、健康な口腔内環境を長期的に維持することができるでしょう。

大切な歯を守るための一歩は、今すぐ行動することから始まります。ぜひお近くの歯科医院に相談し、ご自身の口腔内の状態に合わせた最適な治療計画を立ててもらってください。専門家があなたの不安に寄り添い、歯周病のない健康な未来をサポートしてくれるはずです。


歯周病治療とスケーリングに関するよくある質問(FAQ)

Q1. スケーリングは痛いですか?

A1. スケーリング中の痛みは、歯周病の進行度合いや歯石の付着量、個人の痛みの感じ方によって異なります。軽度の場合はほとんど痛みを感じないことがありますが、歯周病が進行して歯周ポケットが深い場合や、歯石が多く付着している場合は、一時的にチクチクとした痛みや不快感を感じることがあります。痛みに敏感な方や不安がある方には、麻酔を使用して痛みを軽減することも可能ですので、遠慮なく歯科医師や歯科衛生士にご相談ください。

Q2. スケーリングは何回くらい通院が必要ですか?

A2. スケーリングの回数は、お口全体の歯周病の進行度合いや歯石の付着状況によって大きく異なります。

  • 比較的軽度の歯肉炎であれば、1~2回の通院で完了することが多いです。
  • 歯周病が進行し、お口全体に歯石が広範囲に付着している場合は、複数回(例えば2~4回)に分けて、上下の歯や左右の歯など、数ブロックに分けて治療を進めるのが一般的です。これは、一度に全ての歯の歯石を除去すると、患者さんの負担が大きいことや、より丁寧な処置を行うためです。治療計画については、初診時の検査に基づいて歯科医師から詳しく説明がありますのでご安心ください。

Q3. スケーリングで歯周病は完治しますか?

A3. スケーリングは歯周病治療の最も基本となる重要な処置であり、歯周病の進行を食い止め、歯茎の炎症を改善する上で非常に効果的です。しかし、スケーリングだけで「完治」と表現することは難しい場合があります。

歯周病は生活習慣病の一面も持ち、再発のリスクがあるため、スケーリング後の適切なセルフケア(毎日の丁寧な歯磨きや歯間ケア)と、歯科医院での定期的な検診・クリーニング(PMTCなど)を継続することが非常に重要です。これらを組み合わせることで、歯周病を長期的にコントロールし、健康な状態を維持していくことが可能になります。

Q4. スケーリングの費用はどのくらいかかりますか?

A4. スケーリングは、歯周病治療の一環として健康保険が適用される処置です。そのため、費用は全国一律で定められており、患者さんの負担割合(1割、2割、3割など)によって異なります。

具体的な費用は、歯周病の進行度合いや、処置を行う部位数、麻酔の有無などによって変動します。治療前に概算の費用について、歯科医院で詳しく説明がありますのでご不明な点はお気軽にお尋ねください。


泉岳寺駅前歯科クリニックのご案内

東京都港区にある泉岳寺駅前歯科クリニックでは、歯周病治療の基本であるスケーリングをはじめ、患者さん一人ひとりに合わせた最適な口腔ケアを提供しています。

歯周病は、早期発見・早期治療が何よりも重要です。歯茎の出血や腫れ、口臭など、少しでも気になる症状がある方はもちろん、自覚症状がなくても「最近歯医者に行っていないな」という方も、ぜひ一度当院へご相談ください。経験豊富な歯科医師と歯科衛生士が、丁寧なカウンセリングと精密な検査に基づき、あなたの歯と歯茎の健康を全力でサポートいたします。

当院は、都営浅草線・京急本線の泉岳寺駅A3出口から徒歩1分と、非常にアクセスしやすい立地です。JR線の高輪ゲートウェイ駅品川駅からもアクセスが良く、お仕事帰りや買い物ついでにもお立ち寄りいただけます。

清潔で安心できる環境と、患者さんの負担を最小限に抑える治療を心がけておりますので、歯周病でお悩みの方も、予防を始めたい方も、どうぞお気軽にご来院ください。

皆様のご来院を心よりお待ちしております。


参考文献

[1] 厚生労働省. 平成28年歯科疾患実態調査結果の概要. Available at: https://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/0000185203.html (Accessed July 24, 2025).

[2] Socransky, S. S., & Haffajee, A. D. (2002). Dental biofilms: difficult therapeutic targets. Periodontology 2000, 28(1), 12-55.

[3] Pihlstrom, B. L., Michalowicz, B. S., & Johnson, N. W. (2005). Periodontal diseases. The Lancet, 366(9499), 1809-1820.

[4] Genco, R. J., & Williams, R. C. (2010). Periodontal disease and systemic health: current evidence and research directions. Journal of Periodontology, 81(1), 1-13.

[5] Taylor, G. W., & Borgnakke, W. S. (2008). Periodontal disease and diabetes mellitus: a two-way relationship. Journal of Periodontology, 79(9 Suppl), 1735-1741.

[6] Kinane, D. F., & Bouchard, P. (2007). Periodontal diseases and health in the general population. The Lancet, 369(9568), 1184-1191.

[7] Offenbacher, S., et al. (1996). Periodontal infection as a risk factor for preterm low birth weight. Journal of Periodontology, 67(10 Suppl), 1103-1110.

[8] Beck, J. D., & Offenbacher, S. (2005). Systemic effects of periodontal diseases. Periodontology 2000, 38(1), 108-120.

[9] American Academy of Periodontology. (2001). Parameter on plaque-induced gingivitis. Journal of Periodontology, 72(8), 1109-1112.

[10] Slots, J. (1979). Subgingival microflora and periodontal disease. Journal of Clinical Periodontology, 6(5), 351-382.

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[12] Tonzetich, J. (1977). Production and origin of oral malodor: a review of mechanisms and methods of analysis. Journal of Periodontology, 48(1), 13-20.

[13] Rosenberg, M., Kulkarni, G. V., & McCulloch, C. A. G. (1991). The effect of toothbrushing on oral malodor. Journal of Dental Research, 70(11), 1369-1372.

[14] Axelsson, P., & Lindhe, J. (2004). Long-term effect of a plaque control program on tooth mortality, caries and periodontal disease in adults. Results after 30 years of maintenance. Journal of Clinical Periodontology, 31(9), 749-757.

監修

院長

山脇 史寛Fumihiro YAMAWAKI

  • 略歴

    2009年
    日本大学歯学部卒業
    2009年
    日本大学歯学部附属病院研修診療部
    2010年
    東京医科歯科大学歯周病学分野
    2010年
    やまわき歯科医院 非常勤勤務
    2015年
    酒井歯科クリニック
    2021年
    泉岳寺駅前歯科クリニック 開院
  • 所属学会・資格

    • 日本歯周病学会 認定医
    • 日本臨床歯周病学会
    • アメリカ歯周病学会
    • 臨床基礎蓄積会
    • 御茶ノ水EBM研究会
    • Jiads study club Tokyo(JSCT)
    • P.O.P.(歯周-矯正研究会)
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