column 歯周病

「むせる」「食べこぼし」は危険サイン!70代の摂食嚥下障害と歯周病の関係。

2025.10.26

70代の要注意サイン!「むせる」「食べこぼす」が示す危険な警告とは

(1) その症状、加齢のせいだと諦めていませんか?

70代を迎え、「食事中にやたらとむせる回数が増えた」「気がつくと食べ物を口の端からこぼしている」といった症状に悩まされていませんか。多くの方が「年だから仕方ない」「これも老化現象の一つ」と諦めてしまいがちです。

しかし、この症状は単なる加齢による衰えではなく、**「摂食嚥下(せっしょくえんげ)障害」**の初期サインである可能性が非常に高い危険な警告です。

特に、この障害を放置すると、食べ物や唾液が誤って気管に入り込む**「誤嚥(ごえん)」を引き起こし、高齢者の生命を脅かす病気の一つ、「誤嚥性肺炎」**へとつながるリスクが急激に高まります。

ご自身の、またはご家族の「美味しく食べる喜び」を守るためにも、このサインを見逃さず、専門的なケアを検討することが重要です。

(2) 摂食嚥下障害と歯周病の切っても切れない関係

「むせる」症状と歯科が、なぜ関係があるのだろうかと疑問に感じるかもしれません。しかし、近年の研究により、摂食嚥下障害の進行と「歯周病」は、切っても切れない密接な関係があることがわかっています。

歯周病の進行は、「噛む力(咀嚼機能)」を低下させ、それが結果的に「飲み込む力(嚥下機能)」の衰えを招きます。さらに、口腔内の歯周病菌が誤嚥性肺炎の最大の原因となるという、非常に危険な悪循環を生み出しているのです。

当クリニックでは、この両者の連鎖に焦点を当てたトータルな口腔ケアを提供しています。

(3) 70代の口腔内で進行している「二つの老化」の正体

70代の方の口腔内では、**「歯周病による老化」「筋力低下による老化」という二つの異なる「老化」**が同時に進行しているケースが多々あります。

  • 歯周病による老化(咀嚼機能の低下):歯周病により歯を失うリスク。これにより噛む力が低下します。
  • 筋力低下による老化(嚥下機能の低下):舌や頬、喉の筋肉が衰え、食べ物を飲み込む力(嚥下機能)が低下するリスク。

どちらの老化も、東京 歯周病治療を専門とする歯科医院での定期的なプロケアと、適切なセルフケアによって進行を遅らせ、機能を維持・改善することが可能です。

正しく知ろう!「摂食嚥下障害」の仕組みと具体的な症状

(1) 「食べる」を支える複雑な動作:摂食嚥下(せっしょくえんげ)のメカニズム

私たちが無意識に行っている「食べる」という行為は、**「摂食嚥下(せっしょくえんげ)」**と呼ばれる非常に複雑で緻密なプロセスです。

摂食嚥下は、食べ物を認識してから胃に送り込むまで、主に以下の5つの段階を経て行われます。70代で問題になりやすいのは、主に**準備期(咀嚼)咽頭期(嚥下)**の機能低下です。

段階 役割 機能低下による症状
準備期 歯で噛み砕き、唾液と混ぜて食塊にする。 噛めない、食事に時間がかかる
咽頭期 飲み込み反射が起こり、食道へ送られる。 むせる、誤嚥が起こる

(2) 舌や喉の筋肉の衰えが引き起こす「むせ」と「こぼし」

**「むせる」「食べこぼす」**という症状は、上記のメカニズムがうまく機能していないことの直接的な表れです。

  • 「むせ」の原因嚥下反射のタイミングが遅れることで、気管に蓋をする「喉頭蓋」が完全に閉じず、飲食物が気管へ侵入しそうになる(誤嚥)のを防ぐために、咳き込む現象です。
  • 「食べこぼし」の原因:舌や唇、頬の口腔周囲筋の筋力が衰えることで、食べ物を口の中でまとめる力(食塊形成)や、こぼれないように保持する力が低下しているサインです。

これらの症状は、単に飲み込む力だけの問題ではなく、口周りの筋肉や、歯の状態など、口腔機能全体の問題として捉えるべきです。

(3) 見逃してはいけない!摂食嚥下障害のセルフチェックリスト

以下の項目に複数当てはまる場合は、専門的な診断を受ける目安となります。

  • 食後に声がかすれたり、ガラガラしたりすることが増えた
  • 固い食べ物だけでなく、お茶や汁物でもむせることがある
  • 食事に時間がかかるようになり、食べ疲れるようになった
  • 口の端から食べ物や唾液が食べこぼすようになった
  • 義歯(入れ歯)が合わず、噛むと痛い、または外れやすいと感じる

【驚愕の事実】歯周病が嚥下機能(飲み込む力)を低下させるメカニズム

(1) 歯周病による「噛めない状態」が嚥下機能に与える直接的な影響

歯周病が進行し歯を失うと、その影響はダイレクトに嚥下機能へと波及します。

【口腔機能の悪循環】

  1. 歯周病により歯を失う 噛み砕く力(咀嚼能力)が低下する。
  2. 咀嚼能力低下 飲み込みやすい食塊が作れず、不完全なまま飲み込もうとする。
  3. 喉への負担増 嚥下反射が弱まり、嚥下機能が衰える。

この悪循環を断ち切るためには、東京 歯周病治療を専門とする歯科医院で、まず「噛める状態」を取り戻すことが不可欠です。

(2) 歯周病菌が体内へ!命に関わる「誤嚥性肺炎」のリスク増大

誤嚥性肺炎は、高齢者の死亡原因の上位を占める重大な病気です。この病気の原因菌の多くは、口腔内に存在する歯周病菌であることが、数多くの研究([参考文献1])で示されています。

【誤嚥性肺炎発生のメカージェム】

  1. 嚥下機能の低下により誤嚥が起こる。
  2. 誤嚥された唾液や食べ物の中に、歯周ポケットに潜む大量の歯周病菌が含まれている。
  3. 肺に侵入した歯周病菌が炎症を起こし、肺炎を発症する。

口腔内を清潔に保つこと、すなわち歯周病の徹底的な治療と予防は、誤嚥性肺炎のリスクを減らすための最も重要な「命綱」となります。

(3) 悪循環を断ち切れ!歯周病治療が嚥下機能改善の第一歩となる理由

「噛めない状態」を改善することは、喉の筋肉を使うリハビリテーションの効果を最大限に高め、嚥下機能回復への最短ルートです。

泉岳寺駅前歯科クリニックでは、まず炎症の原因となる歯周病菌の徹底的な除去と、グラグラの歯の安定化、そして適切な義歯(入れ歯)の調整・作製を最優先します。この治療が、食事の効率を上げ、悪循環を断ち切るための「第一歩」となるのです。

誤嚥性肺炎を遠ざける!泉岳寺駅前歯科クリニックが提供する対策と治療

専門家による歯周病の根本治療と口腔機能維持のためのアプローチ

当クリニックの摂食嚥下障害対策は、口腔機能の土台となる歯周病治療を最優先に行います。

【当院の具体的なアプローチ】

  • 歯周病の根本治療: 炎症の原因菌を徹底的に除去し、誤嚥時に気管へ侵入する歯周病菌の数を激減させます。
  • 口腔機能訓練(リハビリ): 専門の歯科衛生士の指導のもと、舌や唇、頬の筋肉を鍛える**口腔体操(パタカラ体操など)**を行い、嚥下機能を維持・向上させます。
  • 担当歯科衛生士による継続的なサポート:治療後の状態を維持し、機能の再低下を防ぐため、長期的な視点での定期検診とプロによる専門的なクリーニングを行います。

適切な義歯調整と口腔リハビリで「飲み込む力」をサポート

合わない義歯(入れ歯)は、咀嚼機能を著しく低下させ、嚥下機能へ悪影響を及ぼします。

当クリニックでは、噛み合わせの専門的な知識に基づき、嚥下機能を考慮して義歯を調整・作製することで、「噛む」と「飲み込む」の両方を改善します。しっかりと噛める義歯は、スムーズな食塊形成を可能にし、**「飲み込む力」**を間接的にサポートする重要な装置です。

「美味しく食べる喜び」をずっと!口腔ケアと嚥下機能の未来

(1) 本記事のまとめ(再度、要点の確認)

「むせる」「食べこぼす」は、歯周病が関係する摂食嚥下障害のサインであり、放置すると誤嚥性肺炎のリスクを高めます。

この問題に対処するためには、歯周病治療による原因菌の除去と、嚥下機能を回復させるための口腔機能訓練が不可欠です。

(2) 泉岳寺駅前歯科クリニックへの来院を推奨

健康で活動的な**「人生100年時代」を生きる上で、「美味しく食べられること」**は、生活の質(QOL)そのものです。

東京 歯周病も嚥下も相談したい」とお考えでしたら、口腔機能の維持・向上に真摯に取り組む泉岳寺駅前歯科クリニックにぜひご相談ください。皆様の健やかな食生活を、全力でサポートいたします。

よくあるご質問(FAQ)

Q1. 「むせ」の症状がある場合、歯科医院と内科・耳鼻咽喉科のどちらに行くべきですか?

A. まずはかかりつけの内科や耳鼻咽喉科で、嚥下機能に関する診断を受けることをおすすめします。しかし、摂食嚥下障害の原因の多くは、歯周病や合わない義歯、口腔周囲筋の衰えなど、歯科領域にあります。

当院のような、高齢者の口腔機能に精通した東京 歯周病専門の歯科医院では、歯の治療や義歯の調整、嚥下機能を高めるためのリハビリ指導など、根本的な原因へのアプローチが可能です。どちらか一方ではなく、連携して治療を進めることが重要です。

Q2. 歯周病の治療だけで、本当に「むせ」は改善されるのでしょうか?

A. 歯周病治療は、「むせ」の改善と誤嚥性肺炎予防のための土台作りです。歯周病菌を減らすことで誤嚥時のリスクが低下します。また、噛めるようになることで、食べ物を飲み込みやすい形に整えることがスムーズになり、嚥下機能への負担が軽減されます。

ただし、根本的な嚥下機能の改善には、それに加えて舌や喉の筋肉を鍛える**口腔機能訓練(リハビリ)**が不可欠です。当院では、歯周病治療と並行して、専門的なリハビリ指導も行っています。

Q3. 70代で、特に気を付けて行うべきセルフケアは何ですか?

A. 70代で特に重要なのは、以下の3点です。

  1. 徹底した口腔清掃: 毎食後の丁寧な歯磨きと、フロスや歯間ブラシを使った清掃で、歯周病菌の数を減らすこと。また、舌苔(ぜったい)の清掃も重要です。
  2. 口腔体操の習慣化: パタカラ体操など、舌や口周りの筋肉を鍛える体操を毎日行うことで、嚥下機能の維持に繋がります。
  3. 定期的なプロケア: 専門家によるクリーニングで、自宅では落としきれない汚れや歯石を除去することが、歯周病予防と機能維持の鍵です。

泉岳寺駅前歯科クリニックのご案内

「むせる」「食べこぼす」など、食事に関するお悩みは、歯周病嚥下機能の専門知識を持つ泉岳寺駅前歯科クリニックにご相談ください。

【所在地・アクセス】

  • 所在地: 東京都港区三田3-10-1 アーバンネット三田ビル1階
  • アクセス:
    • 都営浅草線・京急線 泉岳寺駅 A3出口より 徒歩1分
    • JR 高輪ゲートウェイ駅、JR 品川駅からもアクセス良好です。

まずはお気軽にご予約・ご相談ください。 (URL: https://sengakuji-ekimae-dental.com/

参考文献・参考資料

  1. 日本老年歯科医学会:「高齢者の口腔機能低下症」に関するガイドライン及び関連学術論文。特にオーラルフレイルや舌圧測定に関する知見。
  2. 厚生労働省:高齢者の死因に関する統計データ(誤嚥性肺炎の順位に関する言及)。
  3. 近年の口腔細菌学に関する研究:誤嚥性肺炎患者の喀痰(かくたん)から検出される細菌叢と、歯周病菌(P. gingivalis等)との関連性に関する学術論文。

監修

院長

山脇 史寛Fumihiro YAMAWAKI

  • 略歴

    2009年
    日本大学歯学部卒業
    2009年
    日本大学歯学部附属病院研修診療部
    2010年
    東京医科歯科大学歯周病学分野
    2010年
    やまわき歯科医院 非常勤勤務
    2015年
    酒井歯科クリニック
    2021年
    泉岳寺駅前歯科クリニック 開院
  • 所属学会・資格

    • 日本歯周病学会 認定医
    • 日本臨床歯周病学会
    • アメリカ歯周病学会
    • 臨床基礎蓄積会
    • 御茶ノ水EBM研究会
    • Jiads study club Tokyo(JSCT)
    • P.O.P.(歯周-矯正研究会)
Page top