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包括的歯科治療

60代の歯周病で歯が動くのは「手遅れ」ではありません!矯正治療で口元を改善する可能性

2025.12.24

はじめに:諦めていませんか?動く歯の悩み、当院が解決します

「歯がグラグラする」「噛むたびに違和感がある」「人前で笑うのに自信が持てない」――。60代を迎え、このようなお口の悩みを抱えている方はいらっしゃいませんか?

特に、歯周病が進行し、歯が動く(動揺する)ようになると、「もうこの歳だし、治療は難しいだろう」「どうせすぐにまた悪くなる」と、ご自身の口元の健康を諦めてしまうかもしれません。

しかし、ご安心ください。現代の歯科医療は日々進化しており、年齢を重ねた方でも諦める必要はありません。

泉岳寺駅前歯科クリニックでは、60代で歯周病による歯の動揺にお悩みの方にも、専門的な診断と治療計画のもと、矯正治療による機能と審美性の改善をご提案しています。この記事では、歯周病で歯が動くメカニズムから、その状態での矯正治療の可能性、そして当院での治療ステップについて詳しく解説します。

「歯が動く」その原因は?60代に忍び寄る歯周病の脅威

歯が動揺する最大の原因は、歯を支える土台である歯周組織の破壊、すなわち歯周病の進行にあります。

歯周病とは?歯を支える骨が溶けるメカニズム

歯周病は、歯と歯ぐきの間の「歯周ポケット」に侵入した細菌が繁殖し、歯ぐき(歯肉)や歯を支える骨(歯槽骨)に炎症を引き起こす感染症です。

初期段階では自覚症状が少ないため見過ごされがちですが、進行すると歯槽骨が溶けてしまいます。歯槽骨は歯を顎の骨にしっかりと固定する重要な役割を担っています。歯周病菌による炎症が慢性化すると、この歯槽骨が徐々に破壊・吸収され、歯の支持基盤が失われていきます。

結果として、歯がグラグラと動揺するようになり、最終的には歯が抜け落ちてしまうこともあります。

60代に歯周病が進行しやすい理由と見過ごせない自覚症状

60代になると、加齢に伴う免疫力の低下唾液分泌量の減少(唾液には自浄作用・抗菌作用があります)など、様々な要因から歯周病が進行しやすくなります。また、長年のプラーク(歯垢)や歯石の蓄積、**生活習慣病(特に糖尿病)**との関連性も指摘されています。

以下のような自覚症状があれば、歯周病が進行している可能性があります。見過ごさずに、すぐに専門医にご相談ください。

  • 歯肉の腫れ、赤み、出血(歯磨き時や食事中)
  • 口臭が気になる
  • 歯が長くなったように見える(歯肉退縮)
  • 歯と歯の間に食べ物が挟まりやすくなる
  • 歯がグラグラする、揺れる感覚がある
  • 噛むと痛みがある、しっかり噛めない

動揺する歯が引き起こす悪循環と全身へのリスク

動揺する歯を放置することは、口腔内だけでなく全身の健康にも悪影響を及ぼします。

口腔内の悪循環

  1. 咀嚼機能の低下: 歯が動くことで食べ物をしっかり噛めず、消化不良や栄養不足につながります。
  2. 他の歯への負担増: 動揺する歯を避けて噛むことで、他の健康な歯に過度な負担がかかり、歯並びの悪化や新たな歯周病のリスクを高めます。
  3. プラーク蓄積の促進: 歯並びの乱れや歯肉の炎症により、さらにプラークが溜まりやすくなり、歯周病が進行しやすくなります。

全身へのリスク

歯周病菌は、歯ぐきの血管を通じて全身に広がり、糖尿病の悪化心血管疾患(心筋梗塞や脳梗塞のリスク)、誤嚥性肺炎などの全身疾患のリスクを高めることが指摘されています。歯周病は、単なる口の問題ではなく、全身の健康に関わる重大な病気です。

 歯周病があっても矯正は可能?成人矯正で口元を改善する条件

かつては、歯周病が進行している患者様への矯正治療は困難とされていました。しかし、現代の歯科医療では、歯周病専門医と矯正専門医が密に連携することで、安全かつ効果的な矯正治療が可能となっています。

1. まずは徹底的な歯周病治療が不可欠!安定化が絶対条件

矯正治療の成功には、まず歯周病を徹底的に治療し、口腔内の炎症を完全にコントロールすることが絶対条件です。炎症が活動している状態で歯を動かすと、歯周病がさらに悪化し、歯を支える骨の吸収が加速するリスクがあるからです。

泉岳寺駅前歯科クリニックでは、矯正治療に先立ち、精密な検査を実施し、歯周病の進行度合いと口腔内の状態を正確に診断します。この診断に基づき、患者様一人ひとりに最適な歯周病治療計画を立案します。 当院の歯周病治療について詳しくはこちらをご覧ください。

2. 歯周病が安定すれば矯正治療の選択肢が広がる

歯周病治療によって炎症が治まり、歯周組織が健康な状態に戻れば、歯を支える骨の状態が安定します。これにより、歯が動くリスクを最小限に抑えながら、安全に歯を移動させることが可能になります。

たとえ骨が一部吸収されていても、残存する健康な歯槽骨の中で無理なく歯を動かす現代の矯正技術があります。歯周病が安定していることは、矯正治療の成功率を高めるだけでなく、治療後の歯の長期的な安定にも繋がります。

3. 矯正治療中の徹底した歯周病管理のポイント

矯正治療中は、装置が装着されているため、口腔清掃が難しくなりがちです。当院では、再発・悪化を防ぐために以下の点を徹底します。

  • 定期的なプロフェッショナルケア: 歯科医院でのPMTC(専門家による機械的歯面清掃)やスケーリング(歯石除去)を欠かさず実施します。
  • 丁寧なセルフケアの徹底: 歯科衛生士によるブラッシング指導を受け、デンタルフロスや歯間ブラシを適切に使用していただきます。
  • 弱い矯正力での治療: 歯周組織への負担を最小限に抑えるため、弱い矯正力でゆっくりと歯を動かす計画を立てます。
  • アンカースクリューの活用: 必要に応じて、歯科矯正用アンカースクリュー(ミニスクリュー)などを利用し、より効率的かつ安全に歯を移動させ、歯周組織への負担を最小限に抑えます。

泉岳寺駅前歯科クリニックでの治療ステップ:歯周病から始めるオーダーメイド矯正

泉岳寺駅前歯科クリニックでは、歯周病を抱える患者様が安心して矯正治療を受けられるよう、以下のステップで治療を進めます。

ステップ1:徹底的な歯周病検査と個別の治療計画の立案

  • カウンセリングと精密検査(CTスキャン、歯周ポケット測定、細菌検査など)を実施し、現在の口腔環境と歯周病の進行度を正確に診断します。
  • 患者様一人ひとりに最適な、包括的な「オーダーメイド」治療計画を立案します。治療のメリット・デメリット、期間、費用なども明確にご説明します。

ステップ2:歯周病の安定化と口腔環境の徹底的な整備

  • 矯正治療を安全に進めるため、まず歯周病の治療に専念します。スケーリングやルートプレーニング、必要に応じて歯周外科処置を行い、歯周病の原因を徹底的に除去します。
  • 患者様への徹底したブラッシング指導などを通じ、口腔内の炎症が完全に治まり、歯周病が安定した状態になるまで治療を進めます。

ステップ3:患者様に最適な矯正装置の選択と治療開始

  • 歯周病が安定していることを確認後、歯周組織の状態やライフスタイルを考慮し、最適な矯正装置をご提案します。
    • マウスピース矯正(インビザラインなど): 透明で目立ちにくく、清掃性が高いため、歯周病治療後の患者様に大きなメリットがあります。
    • ワイヤー矯正: 症例によってはワイヤー矯正が適しています。目立ちにくいセラミックブラケットも選択可能です。
  • 弱い矯正力でゆっくりと歯を動かし、歯周組織への負担を最小限に抑え、安全かつ確実に治療を進めます。 当院の矯正治療について詳しくはこちらをご覧ください。

ステップ4:治療中の綿密な経過観察と専門的な歯周病ケア

  • 矯正治療中は、装置の調整と治療の進捗状況を綿密に確認します。
  • 専門の歯科衛生士による定期的な歯周病メインテナンス(プロフェッショナルクリーニング、口腔内チェック)を継続し、歯周病の再発・悪化を未然に防ぎます。矯正医と歯周病専門医が密に連携し、長期的なサポート体制を整えています。

矯正治療がもたらす未来:機能改善と生涯の健康

矯正治療は、見た目の美しさだけでなく、お口の機能と全身の健康に大きなメリットをもたらします。

1. 噛み合わせの改善で食生活が豊かに!消化器への負担も軽減

歯並びが整い、噛み合わせが改善されると、食べ物を効率良く、しっかりと咀嚼(そしゃく)できるようになります。

  • 硬いものや繊維質の多いものもスムーズに食べられるようになり、食生活の選択肢が広がり、食事を心ゆくまで楽しめます。
  • 十分に咀嚼することで、消化吸収が促進され、消化器への負担が軽減されます。さらに、顎関節への負担軽減や、発音の改善といった効果も期待できます。

2. プラークコントロールがしやすくなり、歯周病再発リスクを大幅に低減

矯正治療によって歯並びが整うと、ブラッシングやデンタルフロス、歯間ブラシを使った**清掃が格段にしやすくなります。**これにより、歯周病の原因となるプラークや歯石の蓄積を効果的に防ぎ、歯周病の再発・進行リスクを大幅に低減できます。

3. 見た目の自信と若々しさの回復

歯並びが美しくなることで、自信を持って笑顔を見せられるようになり、QOL(生活の質)が大きく向上します。見た目の若返り効果も期待でき、より前向きな気持ちで日々の生活を送れるようになるでしょう。

Q&A:60代の歯周病と矯正治療、よくある疑問を解決!

質問 回答
Q1: 治療期間はどれくらい?高齢でも効果は? 治療期間は個々の症例によりますが、全体矯正で1~3年程度が目安です。60代の方でも、歯周病が安定していれば効果は十分に期待できます。歯の移動速度はゆっくりになる傾向がありますが、当院では弱い矯正力で安全に進めますので、年齢が大きな障壁となることはありません。
Q2: 費用はどのくらい?医療費控除は? 矯正治療は自由診療となるため、症状や選択する装置によって費用は変動します。噛み合わせの改善など治療目的と認められる場合、医療費控除の対象となる可能性があります。詳細な見積もりは、無料カウンセリング時に提示いたします。
Q3: 痛みが心配です、大丈夫でしょうか? 矯正治療の開始時や装置調整後には、多少の痛みや違和感が生じることがありますが、近年は痛みを感じにくい装置(マウスピース矯正など)の進歩により、以前より痛みが軽減されています。当院では痛みに配慮し、必要に応じて鎮痛剤の処方や装置調整の工夫などを行い、サポートいたします。
Q4: 部分的な矯正も可能ですか? はい、可能です。気になる前歯のガタつきなどを改善する「部分矯正」という選択肢もあります。ただし、歯周病の状態や噛み合わせ全体によっては、全体矯正が必要な場合もありますので、まずは精密検査で正確な診断を受けることが重要です。
Q5: 歯が抜けていても矯正できますか? 可能です。抜けた歯のスペースを残っている歯を移動させて閉鎖できる場合があります。また、矯正治療後にインプラントやブリッジを装着することで、機能と審美性を回復する複合的な治療計画も可能です。当院は総合的な歯科医院として対応いたします。

諦めないでください!まずは泉岳寺駅前歯科クリニックにご相談を

包括的なお口の健康をサポート

当院は、患者様の複雑な口腔内の問題に対して最適なソリューションを提供できる体制を整えています。口腔全体の健康を長期的にサポートする「包括的な歯科医療」を提供し、患者様がいつまでもご自身の歯で快適な生活を送れるよう尽力いたします。

今すぐカウンセリングで、口元の悩みを解決する第一歩を踏み出しましょう

「歯がグラグラして不安…」「もう歳だからと諦めていたけれど、やっぱり改善したい」。そんなお悩みを一人で抱え込まず、まずは泉岳寺駅前歯科クリニックのカウンセリングにお気軽にご相談ください。具体的な治療の可能性や費用について、分かりやすく丁寧にご説明いたします。

一歩踏み出すことで、未来の健康で美しい笑顔が待っています。

参考文献

  1. Pihlstrom, B. L., Michalowicz, B. S., & Johnson, N. W. (2005). Periodontal diseases. The Lancet, 366(9499), 1809-1820.
  2. Kinane, D. F., & Bouchard, P. (2008). Periodontal diseases and health in the general population. Periodontology 2000, 48(1), 3-5.
  3. Vanarsdall Jr, R. L., & Secchi, A. (2009). The benefits of orthodontic treatment for adults with periodontal disease. Seminars in Orthodontics, 15(1), 58-69.
  4. Melsen, B., & Athanasiou, A. E. (2007). Adult orthodontics. Journal of Clinical Orthodontics, 41(8), 441-455.

監修

院長

山脇 史寛Fumihiro YAMAWAKI

  • 略歴

    2009年
    日本大学歯学部卒業
    2009年
    日本大学歯学部附属病院研修診療部
    2010年
    東京医科歯科大学歯周病学分野
    2010年
    やまわき歯科医院 非常勤勤務
    2015年
    酒井歯科クリニック
    2021年
    泉岳寺駅前歯科クリニック 開院
  • 所属学会・資格

    • 日本歯周病学会 認定医
    • 日本臨床歯周病学会
    • アメリカ歯周病学会
    • 臨床基礎蓄積会
    • 御茶ノ水EBM研究会
    • Jiads study club Tokyo(JSCT)
    • P.O.P.(歯周-矯正研究会)
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