column コラム

歯ぎしりの原因と対策

2023.08.03

こんにちは。港区の駅近くの歯医者 泉岳寺駅前歯科クリニックです。

突然ですが、皆さんは最近歯ぎしりをしていると言われたり、むし歯ではないのに歯が痛い、食事中にうまく噛めないなどの異変を感じることはありませんか❓ もしかしたらその原因は自分では気づきにくい歯ぎしりかもしれません。 『たかが歯ぎしりくらい・・・』 と思われがちですが、放っておくとお口の中のトラブルだけでなく、全身にも悪影響を及ぼす危険性があります。 今回は、歯ぎしりについてお話をしたいと思います。 皆さんの食生活がより豊かになることが私たちの願いです。 参考にしていただければ幸いです。 ✨🏥✨

1.歯ぎしりとは?

歯ぎしりとは、無意識のうちに歯を強く食いしばったり、摩擦させたりする習慣のことを指します。一般的には夜間に起こることが多く、睡眠時の無意識の行動として知られています。

2. 歯ぎしりの主な原因は何か?

歯ぎしりの主な原因には、ストレスや不安、歯の不正咬合(かみ合わせの異常)、睡眠時の無意識の習慣などが挙げられます。また、アルコールやカフェインの摂取、喫煙なども歯ぎしりを引き起こす要因となることがあります。

①ストレスや不安感:日常生活でのストレスや不安が、無意識のうちに歯ぎしりを引き起こすことがあります。特に夜間に緊張が強い場合に発生することがよくあります。

②咬合の問題:歯のかみ合わせが不適切な場合、歯ぎしりを引き起こす可能性があります。咬合の問題は、歯並びの不均衡や歯の欠損などが原因となることがあります。

③睡眠時無呼吸症候群(SAS):睡眠時無呼吸症候群は、睡眠中に一時的な呼吸停止が繰り返し起こる症状です。これにより、睡眠中に口呼吸や咬筋の過剰な活動が引き起こされ、歯ぎしりが増えることがあります。

④アルコールや薬物の摂取:カフェインやアルコールの摂取、喫煙が、歯ぎしりの原因となることがあります。

⑤神経性の要因:精神的な問題や感情的な負担が、歯ぎしりを引き起こす要因となる場合もあります。

3.ストレスと歯ぎしりの関係

ストレスと歯ぎしりは密接な関係があります。
ストレスや不安が増えると、歯ぎしりの頻度や強度が増えるという報告があります。ストレスにより筋肉の緊張が増すため、顔や顎の筋肉も緊張してしまい、歯ぎしりが引き起こされると考えられています。
また、無意識のうちに歯を噛み締めることで、ストレスを発散しようとする場合があります。そのため、ストレスを抱えている人ほど歯ぎしりが起こりやすくなる傾向があります。歯ぎしりは通常無意識の行動であり、多くの場合、本人が自覚しないこともあります。そのため、ストレスによって歯ぎしりが引き起こされていることに気づきにくいことがあります。
長期間にわたってストレスが持続すると、歯ぎしりが慢性化する可能性があります。慢性的な歯ぎしりは歯や歯ぐきに損傷を与え、頭痛や顎の痛みなどの症状を引き起こすことがあります。

4. 歯ぎしりの影響とは?

歯ぎしりの影響は様々です。まず、歯に負担がかかり、歯の表面が削れたり、歯ぐきが炎症を起こすことがあります。また、顎関節の痛みや頭痛、首や肩の痛み、睡眠障害などの症状も引き起こすことがあります。

  1. 歯の損傷:歯ぎしりにより、歯の表面が摩耗したり、歯のエナメル質が削られることがあります。これにより、歯の形や機能が損なわれたり、知覚過敏を引き起こす可能性があります。
  2. 歯の破折や亀裂:歯ぎしりによって歯に加わる強い圧力が、歯の割れや欠けを引き起こす場合があります。場合によっては歯の修復治療や抜歯が必要になることもあります。
  3. 歯周組織の損傷:歯ぎしりによって、歯ぐきや周囲の歯周組織にダメージが生じる可能性があります。これにより、歯周病のリスクが増加したり歯ぐきの退縮を引き起こすことがあります。
  4. 顎関節症(TMJ症候群):長期間にわたって歯ぎしりが続くと、顎の関節(顎関節)に負担がかかり、顎関節症の症状を引き起こすことがあります。顎の痛み、顎の動きの制限、口を開けたり閉じたりする際の不快感、顎の関節音、頭痛などが見られることがあります。
  5. 頭痛と顔面痛:歯ぎしりにより、顔や頭部の筋肉が過度に緊張し、頭痛や顔面痛が生じることがあります。
  6. 睡眠障害:歯ぎしりが睡眠中に頻繁に起こる場合、質の低い睡眠につながる可能性があります。睡眠障害は日中の疲労感や眠気、集中力の低下などにつながることがあります。
  7. 口内の粘膜の損傷: 歯ぎしりによって、舌や口の粘膜が擦れて傷つくことや咬んで傷つくことがあります。

5.歯ぎしりによって起こる口の症状

①歯しみる

 歯ぎしりをしている方は歯がしみる場合があります。歯ぎしりによって歯の根元が削れたり、歯ぐきが下がったりすることで歯の神経が敏感になり冷たいもので歯がしみることがあります。

②歯が痛い

歯ぎしりによって長時間歯に負担がかかると、歯に痛みが出ることがあります。歯医者に行っても虫歯などは見つかりません。痛みは上下の歯に出ることが多いです。

③噛むと痛い

歯ぎしりによって歯が揺さぶられると噛んだときに痛みや違和感を感じます。歯には歯根膜という、噛んだ時に硬いもの、軟らかいものなど判断する膜があります。歯根膜は、歯を歯槽骨(あごの骨)に固定する役割を持つ組織です。この膜は非常に繊細で、咬合(噛む動作)の際に発生する力に対して敏感に反応します。普段は、咀嚼やかみ合わせによって適切な圧力がかかり、歯が適切な位置に保たれていますが、歯ぎしりをするとこの圧力が増大し、歯根膜に過度なストレスがかかることになります。歯ぎしりによりこの膜に強い力がかかり、噛んだ時の痛みとして感じます。

④歯の根元が削れている

歯の根元が欠けていたり、段差がある方は歯ぎしりをしている可能性があります。歯ぎしりにより強い力が歯の根元に加わると応力が集中し、歯の根元がくさびのように削れていきます

⑤歯が短くなる

長期間にわたって歯ぎしりをすることよって歯の噛む面が削れてしまい、歯が短くなることがあります。前歯は歯がギザギザする部分が増えたり、歯が平らになっていく場合もあります。奥歯は歯の表面にあるエナメル質が削れ、歯の真ん中にある象牙質が見えてくることで歯が黄色く見えるようになります。

⑥歯ぐきが下がる(歯肉退縮)

歯ぎしりによって歯が揺さぶられると歯茎が下がってしまうこと(歯肉退縮)が起こることがあります。歯が長く見えたり、知覚過敏などの症状を伴うことがあります。

⑦詰め物がよく取れる

歯の詰め物や被せ物がよく取れる方は歯ぎしりをしているかも知れません。歯ぎしりによる強い力がかかると銀歯が取れる、セラミック が割れる、プラスチックの詰め物がとれる、といったことが起こりやすくなります。

⑧歯が割れる

歯ぎしりによって歯の表面がかけたり、根元まで割れてしまうことがあります。歯の神経がある歯が割れると激痛が出ることがあります。治療は歯の神経を抜く治療を行いますが、割れかたによっては抜歯が必要になることもあります。

⑨歯周病が悪化する・歯周病が改善しない

歯周病の方が歯ぎしりによって歯が揺さぶらると歯周病が悪化してしまうことがあります。定期的に歯石を取り除くことと、マウスピースで歯を保護する必要があります。

6.歯ぎしりの対策方法

・マウスガードの使用:歯科医師が作成したマウスガードを使用することで、歯ぎしりによる歯の損傷を防ぐことができます。

・ストレス管理の重要性:ストレスを軽減するために、適切なストレス管理法を取り入れることが重要です。例えば、適度な運動やリラクゼーション法を実践することが効果的です。

・リラックス法の実践:就寝前にリラックスするための方法を試してみることも有効です。例えば、お風呂に浸かる、ストレッチや深呼吸をするなど、自身に合った方法を見つけましょう。

・歯の健康状態の確認:定期的な歯科検診を受けることで、歯ぎしりによる歯の損傷を早期に発見し、適切なケアを行うことが重要です。

・生活習慣の見直し:アルコールやカフェインの摂取を控える、喫煙をやめるなど、歯ぎしりの原因となる生活習慣を見直すことも効果的です。
①禁煙
タバコに含まれるニコチンには神経を興奮させ、脳を覚醒する作用があり、深い眠りを妨げる効果があります。また、直接口の中に入るタバコは歯周病のリスクも高くなります。歯ぎしりと歯周病を悪化させるタバコは歯を失わせる危険度の高い因子です。禁煙外来等でニコチンの量を減らす必要があります。
②寝る前の飲酒やカフェインは控える
飲酒から3時間ほど経つと体内で分解されたアルコール成分は交換神経を刺激する物質へと変わり、睡眠を妨げます。またカフェインも興奮作用があるため、不眠の原因となります。

7. 歯ぎしりによる歯の損傷の予防法

歯ぎしりによる歯の損傷を予防するためには、マウスガードの使用が重要です。マウスガードは歯科医師が作成し、個々の噛み合わせに合わせて調整されます。これにより、歯同士の接触や歯の削れを防ぐことができます。

マウスガードは、特に夜間の歯ぎしりを防止し、歯や歯根膜にかかる過度な圧力から歯を保護する効果があります。

マウスガードは、以下のような利点があります:

  1. 歯の保護:マウスガードは、歯ぎしりによる歯の摩耗や歯根膜の損傷を防ぎます。特に、夜間に歯ぎしりをすることが多い方にとって、歯の保護に非常に効果的です。
  2. 歯の安定化:マウスガードは、歯ぎしりによる歯の揺れを抑える効果もあります。正しく装着されたマウスガードは、歯同士の接触を和らげ、歯の安定化に貢献します。
  3. 歯茎と口腔組織の保護:歯ぎしりは歯だけでなく、歯茎やその他の口腔組織にもダメージを与えることがあります。マウスガードは、これらの組織を保護する役割も果たします。

マウスガードの使用により、歯ぎしりによる損傷を最小限に抑えることができますが、適切なマウスガードの使用方法やケア方法を理解し、定期的に歯科医師による点検を受けることが重要です。また、歯ぎしりの原因になるストレスや不安を軽減する方法を見つけることも、歯ぎしりの予防に役立ちます。歯科医師に相談して、自分に適した予防策を見つけることをおすすめします。

8.歯ぎしりに対する専門的な治療方法

歯ぎしりの専門的な治療方法としては、歯科医師による調整治療や顎関節症の治療があります。調整治療では、歯の不正咬合を改善するために、矯正治療や歯の修復を行うことがあります。また、顎関節症の治療では、顎関節の痛みや違和感を緩和するために、物理療法や口腔マッサージなどが行われることがあります。

港区三田・高輪の歯医者/泉岳寺駅前歯科クリニック

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