歯の痛みで歯科医院を受診し、「神経を抜くしかない」と診断されたとき、多くの方は「もうこの歯はダメになってしまうのではないか」と不安に感じるのではないでしょうか。歯の神経(歯髄)は、歯に栄養を供給し、外部からの刺激を感知する重要な組織です。可能であれば残したいと誰もが願うことでしょう。
かつては、一度炎症を起こした歯髄は、抜髄(神経を除去する治療)が唯一の選択肢と考えられていました。しかし、近年の歯科医療の進歩、特に材料学の発展と治療法の見直しにより、**「歯髄保存療法」**の可能性が大きく広がっています。この記事では、最新のエビデンスに基づき、歯の神経を残す治療の可能性と、神経を残すことの重要性について解説します。
なぜ「神経を抜くしかない」と言われるのか?
歯の神経が炎症を起こす主な原因は、むし歯の進行による細菌感染です。細菌が歯髄に到達すると、炎症を引き起こし、強い痛みを生じさせることがあります。従来の考え方では、この炎症が不可逆的なもの(元に戻らないもの)と判断されると、感染源である歯髄を完全に除去する抜髄が選択されていました。これは、再感染を防ぎ、将来的なトラブルを避けるための確実な方法とされてきたからです。
しかし、この「不可逆的な炎症」という判断基準自体が、近年見直されつつあります。痛みや炎症の程度だけで不可逆と判断するのではなく、歯髄の生命力を最大限に引き出すための治療アプローチが重視されるようになってきています。
歯髄保存治療の概念の変化:炎症と治癒の可能性
最新の研究では、歯髄の炎症が軽度から中等度であれば、適切な処置によって治癒する可能性があるということが明らかになっています。歯髄には、自己修復能力や免疫機能が備わっており、感染が限定的であれば、それを排除し、健康な状態に戻そうとする働きがあるのです。
この考え方の変化により、安易な抜髄を避け、できる限り歯髄を残す「歯髄保存療法」の重要性が強調されるようになりました。特に、2000年代以降、この分野の研究は急速に進展しています。
歯髄保存治療の切り札:MTAセメント(Mineral Trioxide Aggregate)とその他のバイオセラミックセメント
歯髄保存治療の進歩に大きく貢献したのが、**MTAセメント(Mineral Trioxide Aggregate)という歯科材料の登場です。MTAセメントは、1990年代に開発され、その優れた特性から世界中で広く用いられるようになりました。さらに近年では、MTAに続く様々なバイオセラミックセメント(生体活性セメント)**も開発され、治療の選択肢を広げています。
MTAセメントをはじめとするバイオセラミックセメントの主な特徴は以下の通りです。
- 高い生体親和性: 歯の組織と非常になじみが良く、拒絶反応が少ないです。
- 封鎖性: 細菌の侵入を強力に防ぎ、外部からの刺激を遮断します。
- 石灰化促進作用: 歯の象牙質やセメント質の形成を誘導する働きがあり、歯髄の治癒を助けます。特に、象牙質橋(デンティンブリッジ)と呼ばれる新たな象牙質の層を形成し、歯髄を保護します。
- 抗菌作用: 細菌の増殖を抑制する効果も報告されています。
- 湿潤環境下での安定性: 血液や浸出液が存在する湿潤な環境下でも安定した性質を保ち、硬化します。
これらの特性により、バイオセラミックセメントは、歯髄に直接触れる部分に適用することで、歯髄の治癒と保護を促し、神経を残せる可能性を高めることができるのです。
MTAセメントを用いた歯髄保存治療の具体的な方法と成功率
バイオセラミックセメントを用いた歯髄保存治療には、主に以下の3つの方法があります。これらの治療法は、歯髄の露出の有無、炎症の程度、症状などを総合的に判断して選択されます。
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間接歯髄覆罩(かんせつしずいふくとう): むし歯を除去した際に、歯髄までは到達していないものの、歯髄に非常に近い部分に健全な象牙質が薄く残っている場合に適用されます。その残っている象牙質の上にバイオセラミックセメントを置き、歯髄の保護と第二象牙質の形成を促します。
- 成功率: むし歯の深さや種類にもよりますが、適切なケースでは80%~90%以上の成功率が報告されています (Bani et al., 2016)。
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直接歯髄覆罩(ちょくせつしずいふくとう): むし歯の除去時に、歯髄がごく小さく露出してしまった場合や、外傷などで健康な歯髄が露出した場合に適用されます。露出した歯髄に直接バイオセラミックセメントを覆いかぶせることで、細菌の侵入を防ぎ、歯髄の治癒を促します。
- 成功率: 健全な歯髄に適用された場合、**80%~90%**の成功率が報告されています。特に、外傷性の露出や、偶発的な露髄(むし歯の除去中に誤って露髄した場合)の方が、むし歯による露髄よりも成功率が高い傾向にあります (Cvek, 1996; Parisay et al., 2020)。
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部分断髄(ぶぶんだんずい): むし歯が深く、歯髄の一部が細菌感染により不可逆的な炎症を起こしているが、その下にある歯髄が健康な状態であると判断される場合に適用されます。感染している歯髄の上部のみを慎重に除去し、健康な歯髄にバイオセラミックセメントを適用して保護します。これにより、歯根側の健康な歯髄を残すことが可能になります。
- 成功率: 近年、部分断髄の成功率は非常に高く、90%以上との報告も多数あります (Ricucci et al., 2014; Taha & Abdelkhader, 2014)。特に、歯髄に炎症がある場合でも、適切な診断と処置によって成功率を維持できることが示されています。
これらの治療法の成功には、以下の要素が極めて重要です。
- 正確な診断: 歯髄の炎症の程度を正確に診断することが、適切な治療法を選択する上で不可欠です。
- 厳密な感染管理(ラバーダム防湿など): 治療中に細菌が侵入するのを防ぐため、ラバーダムの使用はほぼ必須とされています (Duncan & Pitt Ford, 2015)。
- 適切な材料の選択と使用: MTAセメントをはじめとするバイオセラミックセメントの正しい取り扱いが求められます。
神経を残す治療のメリットとデメリット
メリット:
- 歯の寿命が延びる可能性: 神経が残ることで、歯に栄養が供給され、歯本来の感覚が保たれます。これにより、歯がもろくなるのを防ぎ、長期的な機能維持に貢献します。
- 歯の変色を抑える: 抜髄された歯は、時間とともに変色することがありますが、神経が残っていれば変色を抑えられます。
- 再治療のリスク軽減: 抜髄治療は、再根管治療が必要になるリスクがありますが、神経が残っていればそのリスクを軽減できます。
- 痛みや温度の感知: 歯の神経が残っていることで、冷たいものや熱いもの、噛み合わせの異常などを感知できるため、異常の早期発見につながります。
- 治療回数の削減: 成功すれば抜髄治療よりも少ない回数で治療が完了することもあります。
デメリット:
- 成功率が100%ではない: 歯髄の炎症の程度や細菌感染の状態によっては、治療が成功しない可能性もあります。その場合、抜髄に移行することになります。
- 術後の経過観察が必要: 治療後も定期的な経過観察が不可欠です。症状の有無だけでなく、X線写真による根の先の状態の確認が必要です。
- 治療の適応が限られる: 歯髄全体が不可逆的な炎症を起こしている場合や、歯根の先に大きな病変がある場合は、適応外となります。
- 術後の痛み: 治療後に一時的に痛みが生じることがありますが、通常は時間とともに軽減します。
失活歯と生活歯の予後の比較:なぜ神経を残すべきなのか
歯の予後を考える上で、**「失活歯」(神経を除去した歯、あるいは神経が死んでしまった歯)と「生活歯」(神経が生きている健康な歯)**の比較は非常に重要です。一般的に、生活歯の方が失活歯よりも長期的な予後が良いとされています。
1. 物理的・機械的特性の変化と歯根破折のリスク
歯髄が失われると、歯への水分や栄養の供給が途絶え、象牙質の水分量がわずかに減少します。これにより、弾性や粘性が低下し、失活歯は生活歯に比べて脆くなり、特に歯根破折のリスクが高まります。これは、失活歯の抜歯原因のトップに挙げられることが多いです (Axelsson et al., 2004; Yamamoto et al., 2014)。
あるコホート研究では、失活歯の喪失リスクは前歯部で1.8倍、臼歯部では7.4倍と報告されており、これは非常に驚くべき数字です (Aquilino & Caplan, 2002)。また、失活歯は、咬合面を完全に覆うクラウンなどの修復物で保護されない場合、破折のリスクが大幅に上昇します。Aquilino and Caplan (2002) の研究では、クラウンで被覆されていない根管治療歯は、被覆されている歯と比較して6倍もの割合で喪失が認められたと報告しています。これは、歯の構造的完全性を維持するために、適切な歯冠修復が不可欠であることを示しています。
2. 歯の感覚と異常の早期発見
生活歯は、温度変化(冷たいもの、熱いもの)や噛み合わせの強さなどを感知する感覚受容器を持っています。これにより、むし歯の再発や歯ぎしり、不適切な咬合など、歯に問題が生じた際に早期に異常を察知し、対応することができます。一方、失活歯は、痛みや温度に対する感覚が失われるため、むし歯が進行しても痛みを感じにくく、歯根の先に炎症が起きても自覚症状が出にくいことがあります。これにより、問題が進行して手遅れになるまで気づかないリスクが高まります。
3. 再感染のリスク
根管治療は感染した歯髄組織を除去し、根管内を清掃・消毒・充填する複雑な手技です。しかし、根管は非常に複雑な形態をしており、完全に無菌化することは困難な場合があります。また、時間が経つにつれて、根管充填材と歯の間に隙間が生じ、そこから細菌が再侵入するリスクも存在します。失活歯であっても、歯質自体はむし歯になる可能性があり、感覚がないため、むし歯が進行して気づきにくいことや、クラウンなどの補綴物の境目から二次カリエスが発生するリスクも考慮されます。
4. 長期的な生存率
一般的に、生活歯は失活歯よりも長期的な生存率が高いと考えられています。ただし、失活歯であっても、適切な根管治療と良好な歯冠修復が行われれば、高い成功率を維持できるという報告も多数あります。あるレビューでは、根管治療が良好で、かつ適切な補綴治療が施された失活歯の5年生存率は、90%を超えるとされています (Nisreen et al., 2015; Touré et al., 2011)。しかし、ブリッジの支台歯として使用される場合、生活歯の方が失活歯よりも予後が良い傾向があるという報告もあります (Yoon et al., 2024)。
これらの理由から、可能であれば歯の神経を残す歯髄保存治療は、歯の長期的な健康と機能維持にとって非常に有益な選択肢であると言えるでしょう。
歯髄保存療法における最新研究の動向
歯髄保存療法は、単なる材料の改良にとどまらず、診断技術、材料科学、そして再生医療の分野で目覚ましい進歩を遂げています。
1. 診断技術の進化:歯髄の「生きた状態」を正確に評価する
歯髄保存療法の成功の鍵は、歯髄の炎症が「可逆的」か「不可逆的」かを正確に診断することです。従来の電気歯髄診断や冷刺激による診断は、神経の反応をみるものであり、歯髄の血流や組織の状態を直接評価するものではありませんでした。しかし、最新の研究では、より客観的で精密な診断ツールが開発されつつあります。
- レーザードップラー血流計 (Laser Doppler Flowmetry: LDF): 歯髄の血流を非侵襲的に測定することで、歯髄の「生活度」をより直接的に評価できます。これは神経の反応ではなく、実際に血流があるかどうかを見るため、より正確な歯髄の状態把握に役立ちます (Khan et al., 2025)。
- パルスオキシメトリー (Pulse Oximetry): 指先で血中酸素飽和度を測るのと同様に、歯髄の酸素飽和度を測定することで、歯髄の血流状態を評価する研究が進められています。
- 三次元画像診断 (CBCT: Cone Beam Computed Tomography): 従来の二次元X線写真では見えなかった根管の複雑な形態や、根尖病変の微細な変化を立体的に把握することで、歯髄の炎症の進行度や、歯根の吸収といった病変の有無をより正確に診断できるようになっています。これにより、適切な治療計画の立案が可能になります。
- 人工知能 (AI) を活用した診断: 近年、AIが歯科診断に応用され始めています。特に、X線画像解析において、AIはむし歯の検出、根尖病変の識別、さらには歯髄の炎症状態の予測といった分野で高い精度を示す可能性が報告されています (Venkateshbabu et al., 2021; Khan et al., 2025)。AIは膨大なデータを学習し、人間の目では見逃しがちな微細なパターンを認識することで、より早期かつ正確な診断を支援する可能性があります。
2. 新しいバイオセラミック材料の探索と改良
MTAセメントは画期的な材料でしたが、その操作性(粉と液を混ぜる際の扱いやすさ)や硬化時間、変色といった課題も指摘されてきました。これらを克服するため、様々な改良型バイオセラミック材料が開発されています。
- カルシウムシリケート系セメントの多様化: MTAに続くBiodentine、BioAggregate、iRoot BP Plusなど、操作性の改善、より迅速な硬化、良好な象牙質形成能を持つ新しいカルシウムシリケート系セメントが続々と登場しています。これらの材料は、MTAと同様に高い生体適合性と歯髄治癒促進能力を持ち合わせています (MDPI, “Bioceramics in Endodontics: Limitations and Future Innovations—A Review”)。
- ナノテクノロジーの応用: 材料のナノ粒子化により、生体適合性の向上、抗菌作用の強化、物理的特性の改善を目指す研究も進んでいます。これにより、より効率的な歯髄の治癒と感染予防が期待されています。
- 成長因子・サイトカイン含有材料: 歯髄の修復・再生を促すための成長因子やサイトカインを、バイオセラミック材料に組み込む研究も進行中です。これにより、材料が単なる物理的なバリアとして機能するだけでなく、積極的に歯髄の治癒プロセスを誘導することが期待されます。
3. 歯髄再生医療への挑戦
歯髄保存療法が「残せる歯髄を最大限に活用する」治療であるのに対し、究極の目標として研究が進められているのが、歯髄の再生医療です。これは、重度のむし歯や外傷で失われた歯髄組織を、幹細胞や組織工学の技術を用いて「再生」させ、歯本来の機能を回復させようという試みです。
- 歯髄幹細胞 (Dental Pulp Stem Cells: DPSCs) の活用: 歯髄には、骨や象牙質、神経など様々な組織に分化できる能力を持つ幹細胞が存在します。これらの幹細胞を採取・培養し、失われた歯髄組織に移植することで、血管や神経を含む機能的な歯髄を再生する研究が盛んに行われています (MDPI, “Endodontic Regeneration Therapy: Current Strategies and Tissue Engineering Solutions”)。
- 日本国内では、2025年1月には、他人の歯髄幹細胞を用いた歯髄再生治療の臨床研究が開始されるなど、実用化に向けた動きが活発になっています (Aeras Bio and RD Dental Clinic, 2025)。
- 足場材料 (Scaffolds) の開発: 幹細胞が適切な組織を形成するためには、細胞が足場として機能する三次元構造が必要です。生体適合性が高く、生分解性を持ち、細胞の増殖・分化を促す理想的な足場材料の開発が精力的に行われています。
- 成長因子・誘導因子の研究: 歯髄幹細胞が特定の細胞に分化するのを促すための成長因子や、組織再生を誘導する分子メカニズムの解明も進んでいます。
- 遺伝子治療的アプローチ: 歯の発生や再生に関わる遺伝子を標的とし、歯の再生能力を活性化させるための遺伝子治療的アプローチも探索されています。例えば、歯の成長を抑制するタンパク質をターゲットにした研究も進められており、将来的に歯を「再成長」させる治療法が生まれる可能性も示唆されています (Dentistry Today, 2024)。
これらの再生医療はまだ研究段階にあるものが多いですが、将来的に失われた歯髄を完全に回復させ、歯の寿命を飛躍的に延ばす可能性を秘めています。
最終的な判断とセカンドオピニオンの重要性
「神経を抜くしかない」と言われた場合でも、すぐに諦める必要はありません。まずは、担当の歯科医師と歯髄保存治療の可能性について十分に話し合い、最新のエビデンスに基づいた治療法が選択肢としてあるか確認しましょう。
歯髄保存治療は、歯科医師の診断能力と技術、そして使用する材料によって成功率が大きく左右されます。また、最新の研究動向は常に変化しているため、最新の知識と技術を持つ歯科医師による治療を受けることが重要です。もし、不安や疑問が残る場合は、セカンドオピニオンを検討することも非常に有効です。複数の歯科医師の意見を聞くことで、ご自身の歯の状態や治療の選択肢についてより深く理解し、納得のいく決断を下すことができるでしょう。
まとめ
歯の神経は、一度失うと元に戻すことのできない大切な組織です。MTAセメントをはじめとするバイオセラミックセメントの登場と治療法の進歩により、これまで抜髄が避けられなかったケースでも、神経を残せる可能性が大きく広がっています。また、神経を残すことで、歯の物理的強度や感覚が維持され、長期的な歯の寿命に大きく貢献します。
さらに、診断技術の進化、新しいバイオセラミック材料の開発、そして歯髄再生医療の研究は、歯髄保存療法の未来を大きく変えようとしています。これらの最先端の知見は、私たちの歯の健康を守り、より長く天然歯を維持するための新たな道筋を示しています。
もちろん、全てのケースで歯髄保存が可能というわけではありませんが、もし「神経を抜くしかない」と言われたとしても、すぐに諦めずに、歯髄保存治療の可能性について担当医に相談し、必要であればセカンドオピニオンを求めることを強くお勧めします。あなたの歯の寿命を延ばし、健康な口腔内を維持するために、最善の選択肢を見つけましょう。
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