私たちの日常で、ふとした瞬間に「もしかして口臭が気になるかも?」と感じることはありませんか?朝起きた時、空腹時、あるいは緊張した場面など、誰もが一度は経験する生理的な口臭は、時間の経過や適切なケアで改善することがほとんどです。しかし、中にはどんなに歯磨きをしても、マウスウォッシュを使っても、一向に口臭が消えないという悩みを持つ方もいらっしゃいます。このような「 persistent(持続的な)」な口臭は、単なるエチケットの問題として見過ごしてはいけません。
口臭は、実は私たちの体からの重要なSOSサインである可能性を秘めているのです。口腔内の問題が原因である場合が圧倒的に多いですが、口の中を徹底的にケアしても改善が見られない時、その根底には思いがけない全身疾患が隠れていることがあります。糖尿病の甘酸っぱい臭い、肝臓病のアンモニア臭、腎臓病の魚のような臭いなど、特定の病気が独特の口臭となって現れるケースは少なくありません。
このコラムでは、まず口臭が発生する基本的なメカニズムを解説し、口の中に原因がある場合の口臭について詳しく見ていきます。その上で、最も注目すべき「全身疾患が引き起こす口臭」について、糖尿病や肝臓病といった主要な疾患から、あまり知られていない稀な代謝性疾患、さらにはストレスや服用中の薬剤、ホルモンバランスといった多岐にわたる要因まで、エビデンスに基づき深掘りしていきます。そして、もし口臭が体の異変のサインだと感じた時に、どこに相談すれば良いのか、歯科以外の専門機関についても具体的にご紹介します。
あなたの口臭が、もしかしたら健康を知らせる大切なメッセージかもしれません。このコラムを通じて、口臭に隠された体のサインを理解し、より健康な毎日を送るための一歩を踏み出しましょう。
1. そもそも口臭のメカニズムとは?
口臭の原因は大きく分けて二つあります。
一つは、誰にでもある生理的口臭です。これは、起床時や空腹時、緊張した時などに唾液の分泌量が減ることで、一時的に口の中の細菌が増え、わずかな臭いを発生させるものです。生理的口臭は、飲食や歯磨き、会話などで唾液の分泌が促されれば自然と改善されることがほとんどです。
もう一つは、何らかの病気が原因で起こる病的口臭です。この病的口臭の約8割から9割は口腔内の問題が原因とされており、残りの約1割が全身の病気が関わっているとされています[1]。つまり、口臭が続く場合は、まず歯科医に相談し、口腔内の問題を解決することが最も重要です。しかし、それでも改善しない場合は、全身の健康状態に目を向ける必要があります。口臭は、見過ごされがちな体のサインとして、私たちに重要なメッセージを送っている可能性があるのです。
2. 口の中に問題がある場合の口臭:ほとんどの原因はここに
病的口臭の大部分は、口腔内の衛生状態に関係しています。口腔内の細菌が、食べカスや剥がれた細胞などを分解する際に発生するガスが主な原因です。このため、日々の適切な口腔ケアは、口臭予防の基本中の基本となります。
- 歯周病: 口臭の最大の原因と言われるのが歯周病です。歯周周りのポケットに潜む歯周病菌は、タンパク質を分解し、硫化水素やメチルメルカプタンといった**揮発性硫黄化合物(VSC)**を大量に作り出します。これらが、腐った卵や生ゴミのような不快な臭いの元となります。これらのVSCは、歯周病患者の呼気から高濃度で検出されることが複数の研究で示されています[2, 3]。歯周病が進行すると、歯ぐきの炎症や出血、歯を支える骨の吸収が進み、さらに細菌が増殖しやすい環境となります。
- 虫歯: 進行した虫歯の穴に食べカスが詰まり、そこで細菌が繁殖することで臭いが発生することがあります。特に、神経まで到達した大きな虫歯や、複数の歯にまたがる広範囲の虫歯では、口腔内の衛生状態を著しく悪化させ、強い口臭につながることがあります。穴に詰まった食物残渣が腐敗することも、直接的な臭いの原因となります。
- 舌苔(ぜったい): 舌の表面に白く付着する「舌苔」は、食べカスや剥がれた粘膜の細胞、細菌などが集まったものです。この舌苔に潜む細菌も、口臭の原因となるVSCを産生します。舌苔の付着度と口臭の強さには有意な相関が認められており、適切な舌の清掃が口臭の軽減に有効であることも示されています[4]。ただし、舌を強く磨きすぎると舌を傷つけ、かえって口臭を悪化させる可能性もあるため注意が必要です。
- 唾液の減少(ドライマウス): ストレスや特定の薬の副作用、加齢などにより唾液の分泌が減ると、口の中の自浄作用が低下し、細菌が増殖しやすくなります。唾液には、口腔内の細菌を洗い流すだけでなく、抗菌作用を持つ成分も含まれています。そのため、唾液分泌量の低下はVSCの産生を促し、口臭を悪化させることが報告されています[5]。また、唾液が減ると、食べカスが残りやすくなり、虫歯や歯周病のリスクも高まり、さらなる口臭の原因となり得ます。
- 扁桃腺の膿栓(臭い玉): 扁桃腺の表面にある小さな穴(陰窩)に、細菌の死骸や食べカスなどが溜まって固まり、白や黄色の塊になることがあります。これが「膿栓」と呼ばれ、非常に強い異臭を放つことがあり、「臭い玉」とも呼ばれます。扁桃腺の構造上、溜まりやすい方もいます。
- 不適合な歯科補綴物: 古くなった被せ物や詰め物、入れ歯などに段差や隙間があると、そこに食べカスが詰まりやすく、細菌が繁殖して口臭の原因となることがあります。また、入れ歯自体の清掃が不十分な場合も、細菌の温床となり口臭を引き起こします。定期的な歯科検診でこれらの問題がないかチェックしてもらいましょう。
3. 見逃さないで!全身疾患が引き起こす口臭
口腔ケアをしっかり行っているにもかかわらず口臭が改善しない場合、体のどこかに原因がある可能性があります。特定の全身疾患は、その病状を示す特有の口臭を伴うことがあります。これらの臭いは、体内で異常な物質が生成・蓄積され、それが血液に乗って肺に運ばれ、呼気として排出されることで生じます。口臭の種類が普段と明らかに異なる、あるいは全身症状を伴う場合は、これらの疾患の可能性を疑い、専門医の診察を受けることが重要です。
3.1. 代謝性疾患が引き起こす特有の口臭
- 糖尿病: 血糖値が高い状態が長く続くと、体はエネルギー源として脂肪を分解し始めます。この過程でケトン体という物質が生成され、これがアセトンとして呼気中に排出されることがあります。糖尿病の患者さんの口臭は、甘酸っぱい臭いや、熟したリンゴが腐ったような臭いと表現されることがあります。特に、インスリンの作用不足により血糖値が著しく高まる糖尿病性ケトアシドーシスのような急性合併症では、このアセトン臭が非常に強くなることがあります。これは命に関わる状態であるため、速やかな医療介入が必要です[7]。
- トリメチルアミン尿症(魚臭症候群): これは遺伝性の代謝性疾患で、魚介類などに含まれるトリメチルアミンという物質を体内で分解する酵素(フラビン含有モノオキシゲナーゼ3型:FMO3)が欠損しているために起こります。分解されなかったトリメチルアミンが汗や尿、そして呼気中に排出されることで、強い魚の生臭い臭いが特徴として現れます。この臭いは、食生活、特にトリメチルアミンを多く含む食品(魚介類、卵黄、一部の豆類など)の摂取によって増減することがあります[14]。稀な疾患ですが、特徴的な臭気から早期に疑われることがあります。
- その他、稀な代謝性疾患: ごく稀ではありますが、メープルシロップ尿症(メープルシロップのような甘い臭い)やフェニルケトン尿症(カビ臭、ネズミのような臭い)など、特定の食品の代謝に関わる酵素が不足している場合、その物質やその代謝産物が体内に蓄積し、独特の臭いとして呼気中に排出されることがあります。これらの口臭は非常に特徴的で、疾患の診断の一助となることもあります。
3.2. 臓器の機能低下に伴う口臭
- 肝臓病: 肝臓は体内の老廃物や有害物質を分解・解毒する重要な臓器です。肝機能が低下すると、アンモニアなどの有害物質が十分に分解されずに血液中に蓄積し、口から排出されることがあります。この場合、アンモニア臭、カビ臭、あるいはドブのような臭いがすることがあります。これは、肝臓がアンモニアを尿素に変換する能力が低下するためです。肝性脳症の兆候として口臭が挙げられることもあり、進行した肝疾患ではこの症状が顕著になることがあります[8, 9]。
- 腎臓病: 腎臓は、体内の余分な水分や老廃物を尿として排出する役割を担っています。腎機能が低下すると、尿素などの老廃物が体内に蓄積し、これが口から排出されることで口臭となります。特徴としては、アンモニア臭や魚のような生臭い口臭が挙げられ、特に末期腎不全(尿毒症)では非常に強い臭いとして現れることがあります[10]。
3.3. 呼吸器・消化器系の疾患による口臭
- 呼吸器系の病気:
- 副鼻腔炎(蓄膿症): 鼻の奥にある副鼻腔で炎症が起こり、膿が溜まると、その膿が鼻から喉に流れ落ちる「後鼻漏」の状態となり、腐敗臭や膿のような臭いを発生させ、口臭の原因となることがあります[11]。
- 慢性扁桃炎: 前述の口腔内の原因でも触れましたが、扁桃腺の慢性的な炎症も全身疾患のカテゴリーに含められます。
- 気管支炎や肺疾患: 肺炎、気管支拡張症、肺膿瘍など、気管支や肺の感染症や炎症が原因で、腐敗臭や独特の不快な臭いがする場合もあります。特に膿を伴う呼吸器疾患では、その排出物が口臭に影響することがあります。
- 消化器系の病気:
- 逆流性食道炎: 胃酸や胃の内容物が食道に逆流する逆流性食道炎では、口の中に酸っぱい臭いや腐敗臭が上がってくることがあります。これは胃酸の逆流による直接的なものや、食道下部の炎症に伴うものです。
- 消化不良・便秘: 消化器系の機能低下により、食べたものが胃腸で適切に消化されずに停滞したり、長期間の便秘で腸内に有害ガスが蓄積したりすると、これらのガスが体内に吸収され、血液を介して肺に運ばれ、呼気として排出される可能性が示唆されることがあります。ただし、これらの関連性は、他の全身疾患と比較して、より詳細な研究が求められています[12]。
3.4. その他の全身的な要因
- 自己免疫疾患(シェーグレン症候群など): 唾液腺が破壊され、唾液の分泌が著しく低下する病気では、口腔内の乾燥が顕著になります。唾液の自浄作用が失われるため、細菌が増殖しやすく、強い口臭が発生します。これは前述のドライマウスによる口臭の重度なケースと考えることができます[6]。
- 癌(進行癌の一部): ごく稀に、進行した癌が原因で特有の口臭を発することがあると言われています。現在、癌の早期発見に向けた呼気分析の研究が進められており、特定の揮発性有機化合物が検出される可能性が示唆されています。例えば、肺がんでは特定のVOCsが検出されることが研究されており、将来的には診断に役立つ可能性も秘めています[13]。
- ストレスと精神的要因: 直接的な疾患ではありませんが、強いストレスや精神的な緊張は、自律神経の働きに影響を与え、唾液の分泌を抑制することが知られています。唾液が減ると口腔内の自浄作用が低下し、細菌が増殖しやすい環境となり、口臭が悪化する可能性があります。また、精神的な要因から、実際には口臭がないのに本人が強く口臭があると信じ込み、日常生活に支障をきたす「自臭症」という状態もあります。これは、専門の医療機関でのカウンセリングや治療が必要となるケースです。
- 薬剤によるもの: 全身疾患の治療のために服用している薬剤の副作用として、唾液分泌の減少が挙げられることが多く、これが口臭につながることがあります。抗ヒスタミン薬、抗うつ薬、降圧剤、利尿剤など、唾液腺の機能を抑制する作用を持つ薬は多数存在します。また、ごく稀に、特定の薬剤自体が代謝され、その代謝産物が揮発して特有の臭いを呼気として排出することもあります。薬を服用している場合は、医師や薬剤師に相談することが重要です。
- ホルモンバランスの変化(特に女性の場合): 女性の場合、生理周期、妊娠、更年期など、女性ホルモンのバランスが大きく変化する時期に口臭が強くなることがあります。これは、ホルモンバランスの変化が口腔内の環境(唾液分泌量、細菌叢、歯周組織の状態)に影響を与えるためと考えられています。例えば、妊娠中はホルモンの影響で歯周病が悪化しやすくなることがあります。
4. いつもの口臭と違うと感じたら:医療機関を受診する目安
「最近、口臭が強くなった」「今までとは違う種類の臭いがする」と感じたら、それは体の不調のサインかもしれません。口臭の悩みをどこに相談すべきか迷うこともあるでしょう。以下の場合は、自己判断せずに医療機関での受診を検討しましょう。
- 口腔ケアを徹底しているのに口臭が改善しない: 歯科医院での専門的なクリーニングや治療を受けても口臭が続く場合、口腔内以外の原因が強く疑われます。この場合は、全身疾患の可能性を考慮する必要があります。
- 独特な臭いがする: 甘酸っぱい臭い(アセトン臭)、アンモニア臭、魚の生臭い臭いなど、今まで経験したことのない特異な臭いがする場合。これらの臭いは特定の疾患を示唆している可能性があります。
- 口臭以外にも全身症状を伴う: 発熱、倦怠感、体重減少、喉の痛み、腹部の不快感、頻尿、喉の渇き、体臭の変化など、口臭以外にも全身の不調を感じる場合は、速やかに医療機関を受診すべきです。
- 特定の食事後に口臭が強くなる: 特定の食物を摂取した後に顕著な口臭が発生する場合は、トリメチルアミン尿症などの代謝性疾患の可能性も視野に入れる必要があります。
5. 口臭対策と全身の健康管理:多角的なアプローチ
口臭を改善し、全身の健康を保つためには、日々のセルフケアと専門家への相談が不可欠です。
- 徹底した口腔ケア: 毎日の歯磨きはもちろんのこと、歯間ブラシやデンタルフロスで歯と歯の間の汚れを徹底的に除去しましょう。これらを適切に行うことで、歯周病や虫歯の予防にもつながります。舌ブラシで舌苔を優しく取り除くことも効果的ですが、力を入れすぎると舌を傷つけるため注意が必要です。
- 十分な水分補給: 唾液の分泌を促すためにも、こまめに水分を摂ることが大切です。特に起床時や運動時、会話中は意識的に水分を補給しましょう。水やお茶がおすすめです。
- バランスの取れた食事と生活習慣: 規則正しい食生活は消化器系の健康を保ち、結果的に口臭の軽減につながります。特に、食物繊維を豊富に含む野菜や果物を積極的に摂取し、腸内環境を整えることが推奨されます。また、十分な睡眠をとり、ストレスを適切に管理することも、唾液分泌に良い影響を与え、全身の健康を保つ上で非常に重要です。適度な運動も全身の代謝を促進し、健康維持に役立ちます。
- 定期的な歯科検診: 口腔内のトラブル(虫歯や歯周病、不適合な補綴物など)を早期に発見し、治療するためにも、半年に一度など定期的な歯科検診は欠かせません。歯科医師や歯科衛生士による専門的なクリーニング(PMTC)も、セルフケアでは落としきれない汚れを除去し、口臭予防に非常に有効です。
- 全身疾患が疑われる場合の専門機関受診: もし口臭の原因が全身疾患にあると感じたら、自己判断せずに、適切な専門機関を受診しましょう。適切な診断と治療を受けることが、口臭の根本的な解決と、より重篤な病気の早期発見・早期治療につながります。
口臭を診てくれる専門機関(歯科以外)
口臭の原因が口腔内ではないと判断された場合や、全身疾患が強く疑われる場合には、以下の専門機関が考えられます。
- 耳鼻咽喉科: 鼻や喉の病気(副鼻腔炎、慢性扁桃炎、後鼻漏など)が口臭の原因となっている可能性があります。鼻や喉の状態の視診、内視鏡検査などが行われます。鼻づまりによる口呼吸が口臭につながるケースも相談できます。
- 内科(消化器内科、内分泌内科、腎臓内科など): 全身の代謝や臓器機能の異常が口臭の原因となっている場合に対応します。
- 消化器内科: 胃炎、逆流性食道炎、胃潰瘍、便秘など、消化器系の問題が疑われる場合に受診します。
- 内分泌内科: 糖尿病や、トリメチルアミン尿症などの稀な代謝性疾患が疑われる場合に相談します。
- 腎臓内科: 腎臓病による尿毒症が疑われる場合に受診します。
- 肝臓内科: 肝臓病が口臭の原因となっている場合に診察を受けます。
- これらの科では、問診、血液検査、尿検査、場合によっては内視鏡検査(胃カメラなど)や超音波検査などが行われます。
- 心療内科・精神科: 心理的な要因やストレスが唾液分泌の減少を招き口臭を悪化させている場合、または口臭がないのに本人が強く口臭を感じる「自臭症」の診断・治療が行われます。カウンセリングや、必要に応じた薬物療法、認知行動療法などが検討されます。
- 総合病院の専門外来(口臭外来など): 一部の大学病院や総合病院には、口臭に特化した専門外来が設けられている場合があります。ここでは、歯科口腔外科が中心となって、内科や耳鼻咽喉科など、複数の診療科と連携し、口臭の原因を多角的に調べてくれることが多いです。客観的な口臭測定器を用いた検査や、原因に応じた専門科への紹介、生活習慣指導など、総合的なアプローチで対応してくれます。どこを受診すべきか迷う場合に、まずは総合的な口臭外来に相談するのも一つの選択肢です。
- 服用中の薬剤の確認: 現在服用している薬剤がある場合、その副作用として口臭(特にドライマウス)が考えられることもあります。医師や薬剤師に相談し、必要であれば薬剤の見直しを検討してもらいましょう。
まとめ
口臭は、単なる口の臭いとして片付けられるものではありません。時には、糖尿病や肝臓病といった主要な疾患に加え、トリメチルアミン尿症のような稀な代謝性疾患、さらにはストレスや服用中の薬剤など、多岐にわたる全身の要因が潜んでいることを教えてくれる、体からの大切なメッセージである可能性があります。日頃から自身の口臭に意識を向け、いつもと違うと感じたときは、体のサインを見逃さずに適切な医療機関を受診することが、健康な毎日を送るための第一歩となるでしょう。
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