「毎日歯磨きをしているのに、なぜか歯茎から血が出る」「歯科検診で磨き残しを指摘される」。 そんなお悩みをお持ちではありませんか?
実は、歯周病予防において重要なのは「磨く回数」や「時間」よりも、**「ブラシの当て方」と「動かし方」**です。
本記事では、港区三田・泉岳寺エリアで歯周病治療・予防歯科に注力する「泉岳寺駅前歯科クリニック」が、歯科予防学において最も効果が高いとされるブラッシング法**「バス法(Bass Method)」**について解説します。
科学的根拠に基づいた「小刻みに震わせる」技術を身につけ、生涯ご自身の歯を守るための第一歩を踏み出しましょう。
【30秒でわかる】なぜ「小刻み磨き」が必要なのか?
- ターゲットは「隠れたプラーク」: 歯周病の原因菌(バイオフィルム)は、歯の表面ではなく「歯と歯茎の境目(歯周ポケット)」に潜んでいます。
- 大きく磨くと届かない: ゴシゴシと大きく動かすと、毛先がポケットに入らず表面を滑るだけになってしまいます。
- バス法(45度・小刻み)が最適: 毛先を45度に入れて微振動させることで、歯茎を傷つけずにプラークを破壊・除去できます。
1. なぜ「大きく磨く」だけでは歯周病を防げないのか
A. 丁寧に磨いているつもりでも残る「リスク」
多くの方が誤解されていますが、歯の平らな表面についた食べカスは、適当に磨いても取れます。しかし、歯を支える骨を溶かし、最終的に歯を失わせる「歯周病」の原因はそこにありません。
真の敵は、**歯と歯茎の間の溝(歯周ポケット)に強固に付着する「プラーク(バイオフィルム)」**です。 バイオフィルムは、細菌が分泌するネバネバとした膜で守られた「菌の要塞」のようなもの。これは、うがいや適当なブラッシングでは破壊できません。
【あわせて読みたい】 バイオフィルムの正体とは?歯周病菌が作る「最強のバリア」を徹底解説
に黄色いプラークが溜まっている拡大図-640x349.jpg)
B. 盲点に届く唯一のアプローチ「バス法」
歯周ポケットの深さは健康な状態で1〜3mm。このデリケートな隙間に、硬いブラシを大きくゴシゴシ押し当てるとどうなるでしょうか? 歯茎が傷つき、下がってしまう(退縮)原因になります。
そこで推奨されるのが**「バス法」**です。 毛先をポケット内に安全に滑り込ませ、物理的な振動でバイオフィルムを破壊する。この精密な作業を行うためには、「小刻みに震わせる」という繊細な動きが不可欠なのです。
2. 科学が証明する「バス法」のプラーク破壊メカニズム
バス法がなぜ最強と呼ばれるのか。その理由は、**「角度」と「振動」**の物理学にあります。

2-1. 黄金の角度「45度」
バス法の最大の特徴は、歯ブラシを歯の長軸に対して「45度」に傾けることです。
- 90度(直角)の場合: 毛先は歯の表面に当たり、ポケット内部には届きません。
- 45度の場合: 毛先が自然と歯周ポケットの浅い部分(歯肉縁下)に侵入し、直接プラークにアプローチできます。
2-2. 「微振動」が汚れを分解・排出する
毛先をポケットの入り口に当てたまま、幅1〜2mm(歯1本分)程度で小刻みに振動させます。
- 物理的破壊: 振動エネルギーが、菌同士がスクラムを組んでいるバイオフィルムの構造を破壊します。
- ポンプ作用(掻き出し): 細かい往復運動がポンプのような役割を果たし、分解された汚れをポケットの外へ浮き上がらせます。
2-3. 勝敗を分ける「100g〜200g」の優しい圧力
「汚れを落としたい」という気持ちから、強く押し付けてしまうのは逆効果です。 毛先が開くほど強く押し付けると、毛先はポケットに入りません。**「毛先が広がらない程度の力(100g〜200g)」**で、優しく振動を与えることが、プラーク除去率を最大化させるコツです。
この絶妙な力加減を実現するためには、歯ブラシの持ち方(ペングリップ)が重要です。
【あわせて読みたい】 【歯科医推奨の磨き方】歯周病を防ぐ「鉛筆持ち(ペングリップ)」の科学。なぜ100gの圧が重要なのか?
3. 実践編!見落としやすい「魔のゾーン」攻略法
バス法の基本を理解したら、特に磨き残しが多い「3つのゾーン」を意識してみましょう。

ゾーン①:歯と歯茎の境目(C.C.ゾーン)
歯の根元には、C.C.ゾーン(Cervical Concavity)と呼ばれるわずかな窪みがあります。ここは普通のストロークでは毛先が当たりません。
- 磨き方: 45度の角度をキープし、歯1本につき10〜20回微振動させます。隣の歯に移る際は、少し重ねるように移動させましょう。
ゾーン②:奥歯の裏側(舌側)
最も唾液腺に近く、歯石ができやすい場所です。
- 磨き方: ブラシを横に入れるのが難しい場合は、ブラシを縦に使います。ブラシの「かかと」部分を歯茎の境目に当て、小刻みに動かしてカーブに沿わせます。
ゾーン③:歯と歯の間(隣接面)
正直にお伝えすると、歯ブラシだけで歯の間の汚れを100%落とすことは不可能です。 しかし、バス法で歯の側面に振動を与えておくことで、プラークの結合を弱めることができます。その直後にデンタルフロスや歯間ブラシを通すことで、驚くほどスムーズに汚れを除去できます。
【あわせて読みたい】 【4割の磨き残しに終止符】デンタルフロスで実現する!虫歯・歯周病を防ぐ最強の歯垢除去術
4. 手動 vs 電動音波ブラシ、どっちが良い?
患者様からよく頂く質問です。「バス法」の観点から比較してみましょう。
結論: どちらを使っても構いませんが、「45度・優しい力・境目を狙う」というバス法の原則は共通です。電動ブラシをお使いの場合も、ゴシゴシ動かさず、当てて待つ使い方が重要です。
5. よくある質問(FAQ):バス法を始める前に
バス法の実践にあたり、患者様から頻繁にいただくご質問にお答えします。
Q1. 磨くと歯茎から血が出ます。続けても大丈夫ですか? A. 多くの場合、継続して問題ありません。 出血は、歯周ポケット内の炎症(歯肉炎・歯周炎)を示唆しています。バス法で溜まったプラークを除去することで、数日〜1週間程度で炎症が治まり、出血も止まることがほとんどです。 ただし、強い痛みがある場合や、2週間以上出血が続く場合は、無理せず歯科医院へご相談ください。
Q2. どのような歯ブラシを選べばいいですか? A. 「やわらかめ」または「ふつう」の毛の硬さを選びましょう。 バス法は毛先を歯周ポケットに入れるため、「かため」のブラシは歯茎を傷つけるリスクが高く、推奨されません。また、ヘッドが小さいものの方が、奥歯やC.C.ゾーンに正確に当てやすくなります。
Q3. 1回あたりの歯磨き時間はどのくらい必要ですか? A. 時間よりも「質」を重視してください。 バス法では「1ヶ所につき10〜20回の振動」が目安です。すべての歯の表・裏を丁寧に行うと、結果的に5分以上かかることが多いでしょう。「3分で終わらせる」と決めず、磨き残しがないか舌で確認しながら行うのがコツです。
まとめ:生涯の健康を守る「質の高い」ブラッシングを
「小刻みに震わせる」磨き方(バス法)は、単なるテクニックではなく、歯周病菌という感染源に対する科学的な治療アプローチの一つです。
今日から、テレビを見ながらの「なんとなく磨き」をやめ、鏡を見ながらの「狙い撃ち磨き」に変えてみませんか?
正しい磨き方ができているか不安な方へ
バス法は頭で理解していても、実際の口の中で実践するのは難しいものです。特に、利き手側の奥歯や、歯並びが重なっている部分は、自己流では限界があります。
泉岳寺駅前歯科クリニックでは、歯科衛生士によるプロフェッショナルケアに加え、患者様一人ひとりのお口に合わせた**「オーダーメイドのブラッシング指導」**を行っています。 高輪ゲートウェイ駅や品川駅からのアクセスも良く、お仕事帰りにも通いやすい環境を整えております。
- 「自分の磨き癖を知りたい」
- 「おすすめの歯ブラシを知りたい」
- 「歯周ポケットの状態を検査したい」
そう思われた方は、ぜひ一度当院へご相談ください。貴方の歯を守るための最適なプランをご提案いたします。
当院について:泉岳寺駅前歯科クリニック
当院は、「泉岳寺駅」A3出口から徒歩1分の好立地にある歯科クリニックです。 歯周病治療、インプラント、予防歯科を中心に、患者様の「10年後、20年後の健康」を見据えた包括的な治療を提供しています。
- 所在地: 〒108-0073 東京都港区三田3-10-1 アーバンネット三田ビル1階
- アクセス:
- 都営浅草線・京急本線「泉岳寺駅」A3出口より徒歩1分
- JR山手線・京浜東北線「高輪ゲートウェイ駅」より徒歩圏内
- JR「品川駅」からもアクセス良好
- 公式サイト: https://sengakuji-ekimae-dental.com/
学術的参考文献(References)
本コラムの執筆にあたり、以下の学術文献およびガイドラインを参照しております。
- Bass CC. “An effective method of personal oral hygiene.” Journal of the Louisiana State Medical Society, 106(3): 100-112, 1954.
- (バス法の提唱者であるC.C. Bass博士による原著論文。歯周病予防における物理的プラークコントロールの基礎を確立。)
- Lindhe J, Lang NP, et al. Clinical Periodontology and Implant Dentistry, 6th Edition. Wiley-Blackwell, 2015.
- (世界的な歯周病学のバイブルとされる教科書。ブラッシング法の有効性と歯肉炎への影響について詳述。)
- 日本歯周病学会 編 『歯周病予防・治療の指針』
- Löe H, Theilade E, Jensen SB. “Experimental Gingivitis in Man.” Journal of Periodontology, 36: 177-187, 1965.
- (プラークの蓄積が歯肉炎を引き起こし、プラーク除去により治癒することを証明した画期的な研究。)
- Gher ME, Vernino AR. “Root morphology—clinical significance in pathogenesis and treatment of periodontal disease.” Journal of the American Dental Association, 101(4): 627-633, 1980.
- (歯根の形態、特に根面の陥凹(Concavity)がプラークコントロールや歯周治療に与える影響について詳述した臨床論文。)
[関連リンク] ➡ 【歯周病を悪化させない磨き方】バス法とスクラビング法を徹底比較! ➡ 虫歯ゼロを目指す!歯科医が教える正しい歯磨き術 ➡ 港区三田の歯周病治療は泉岳寺駅前歯科クリニックへ
